コダイラさんの映画レビュー・感想・評価

コダイラ

コダイラ

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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.6

狂児というキャラの見せ方を原作より理解しやすくチューニングし、広い客層に刺さる分かりやすい作品に再構成されていた。また、「紅」を基点にドラマ性を作り出したのも巧みで面白かった。ただ、原作で好きだったあ>>続きを読む

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

4.3

原作漫画の世界観の奥行きは映像の迫力で補完し、女子高生たちのキャラクターとその関係性、情緒に比重をおいた観せ方に調整されたことで分かりやすく楽しめた。声優もハマり役で全くの違和感なく入り込めた。幾田り>>続きを読む

エスター(2009年製作の映画)

3.9

車椅子で運ばれていく主人公から垂れた血液で、病院の白い床に線が引かれていくシーンと死産した赤子を抱かされるというハッタリの効いた冒頭から引き込まれた。映画全体で観ても演出面が突出していたと思う。特にブ>>続きを読む

Guava Island(2019年製作の映画)

3.7

異国情緒のある景観、軽快な音楽と踊りが融和した映画。テーマとしては資本主義による支配への抵抗と重めだか、主人公のキャラと前述した世界観、アニメーションによる導入などの工夫のためかあまり時間を感じずに観>>続きを読む

変な家(2024年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

前半部は、原作の「怖いのが苦手な人でも見れる」というストロングポイントを消し飛ばした代わりにジャンプスケアと演出で和製ホラーとして割とちゃんとしていた。映像作品として主人公を安楽椅子探偵でなく、アクテ>>続きを読む

マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年製作の映画)

4.3

イカれた軍団と銃弾飛び交い、爆発しまくりの中でカーチェイス。楽しくないわけがない。スキンヘッドで嬉しそうに特攻してくる敵の兵士、ギター演奏をしながら追走してくる装甲車、人間を輸血袋にして車の先頭に括り>>続きを読む

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

3.7

バリーコーガンの演技力が見所。話の仕方、パスタの食べ方、要求の中身。終始で嫌悪感を煽られた。生理的に無理なキャラをここまで作り上げたのはすごいと思う。映画のタイプとしてはLAMB/ラムを彷彿させた。常>>続きを読む

グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

3.9

観やすくて楽しいミュージカル映画。冒頭の足踏みとシルエット、主人公のハッタリ感のある前口上で一気に物語世界に没入できた。物語はミュージカルらしく、曲と感情表現によって牽引されていく。説明の補完として主>>続きを読む

オーディション(2000年製作の映画)

3.0

時代感のある空間や小物、登場人物の思考と挟まれる不穏な描写が興味深い。ただ後半のゴア表現は厳しい。犬も死ぬのでこれから見る人は注意。
描写としては、畳の一室に全身真っ白な服で頭をもたげて頚椎が浮き出る
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オクジャ okja(2017年製作の映画)

3.6

広大な自然で暮らす少女とオクジャの話。田舎の女の子が都会に連れていかれた”家族”を取り返す王道の冒険活劇。オクジャという可愛い生き物が魅力的に映されている時点で勝ち。また、時折挟まれるちょっとシュール>>続きを読む

レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)

3.9

悪人たちのカッコ良さと滑稽な姿を同時に摂取できる映画。時系列の弄り方、エッジの効いたブラックな会話劇に、容赦ない流血と暴力というタランティーノ映画に求めるものは揃っている。キャラ魅力が若干弱く感じたが>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

この映画は道徳観や善悪を問うものでなく、オッペンハイマーという一個人の掘り下げに還元される、タイトル通りのキャラ映画だった。科学者としての使命、家族愛、不貞行為に大量殺戮兵器を生み出した罪悪感と憂慮。>>続きを読む

ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

敵味方キャラが濃くて楽しい。特に盲目の男ケインのキャラ立ちが良い。ファミレスの入店音のような人感知センサーチャイムをあちこちに取り付けて、敵が通ったときに闘うシーンが好きだった。犬を連れた黒人も目的と>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

前作の伏線や因縁と映像の迫力で、荒いながらにドライブ感のある作品。砂漠に生きる民フレメンの思想や生活様態の描写が面白い。「宗教がないと生きていけない場所」というハッタリ感もいい。敵はキャラ立てしてきた>>続きを読む

窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

4.0

作中内で挿入されるアニメーショがはどれも視点人物の感情に即した独特の筆致で面白かった。特にプールシーンで展開される水中の空想は、初めて水に触れる泰明ちゃんの新鮮な驚きが表現されていて楽しい。
構成的に
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星の子(2020年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

いい意味でイヤな映画だった。たぶん両親は宗教に傾倒し続けるし、主人公は信じてなくとも両親と共に宗教に所属し続ける。ラストシーンの主人公の嘘と、両親のゆるやかな強要を受け入れた姿はそうした未来を彷彿させ>>続きを読む

メメント(2000年製作の映画)

3.6

短期記憶が消失する男がメモや自身の入れ墨を手がかりに妻を犯して殺すという設定でもう勝ってる。面白い。構成と主人公の健忘がリンクするように作られているのがユニークで楽しかった。
時系列整理しながら見るの
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カルト(2012年製作の映画)

3.7

ネオのキャラと作中のハッタリだけで面白い。ホスト的な見た目で机の上に胡座をかいてる登場シーン、人を使ったダウジング。「呪詛返しされたくねーよなぁ?」も大好き。意外と伏線回収もちゃんとしてる。投げっぱな>>続きを読む

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.9

世界観に圧倒された。青い目の砂の民、近未来的なカッコいいマシン、ヴォルデモート軍団みたいな悪役に、ちょっと色気のある美男子。おまけに砂虫とネズミなどのロマンある砂漠生物。物語としてはこれからという感じ>>続きを読む

ウィリーズ・ワンダーランド(2021年製作の映画)

2.3

C級ホラー。無言のニコラスケイジのルーティンとバトルシーン、ホラー×遊園地のマスコットキャラというコンセプトの2点が見所。それ以外はダメ。特にキャラクターの感情や行動がめちゃくちゃ過ぎる。

そうした
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.1

子供の頭脳を持つ成人女性が様々な男性と交わっていく中で知識や思想を吸収していく作品。男尊女卑な社会構造だが、主人公のキャラと性格もあり、エンタメに必要な程度のストレスにうまくコントロールされている。父>>続きを読む

戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-01 口裂け女捕獲作戦(2012年製作の映画)

3.3

怖いとこもあるけど、それ以上に呪術師本家の女が意味ありげにずっと持ってたのが、ただの耳かきだったのに笑った。物理で除霊の生みの親としてリスペクト。

ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

3.2

人肉の味を覚えた犬を見れる作品。内容としては社会風刺マシマシのブラックコメディ。グロいが、死体のリアリティは落としているために見やすい。逆にいえばゴム人形みたい。発想勝ちの作品ではあり、会話はクスッと>>続きを読む

ジョン・ウィック:パラベラム(2019年製作の映画)

3.6

アクションシーンがともかく多い。ちょっと食傷ぎみなくらい。常にピンチであまりスカッとする展開も少なかった印象。
また、今作は強敵が日本人というのもあってか刀剣の戦闘に比重が置かれていた。殺傷にバリエー
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

信頼できない語り手による最悪を更新し続けるような展開の連続。なかなか息苦しいが、退屈でない3時間の映画体験だった。これはこれであり

伏線らしきものは幾つも張られていたが、トゥルーマン・ショー的なもの
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ジョン・ウィック:チャプター2(2016年製作の映画)

3.9

美術館での殺し合いという贅沢でユニークなバトルシーンがとてもいい。終わり方も今後のワクワク感を煽る抜群のものだった。コンチネンタルホテルの存在も最高

べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

4.2

キャラは立ってるし、会話はテンポよく面白いし、アクションシーンはカッコいいし、最高。俳優さんもハマってた。ラバーガールも笑った。
殺し屋としてのハッタリ感と等身大の女子高生らしい悩みと成長の塩梅も絶妙
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ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

3.8

沼地に生きる女の子の生態を基点としたミステリ作品。ただし、ポイントは謎解きでなく「主人公がどういった生物なのか理解する」点にある。
美しい沼地の風景や、生息する生物と、それらを観察し、美しい図譜に仕上
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リング(1998年製作の映画)

3.8

エンタメとしてちゃんと面白い。和製ホラー特有のじっとりとした空気感はもちろんながら、分かりやすい導入、テンポのいい謎解きパート、オチのドンデン返しとポイントが抑えられてる。
見せ場である井戸の水抜きは
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残穢 住んではいけない部屋(2016年製作の映画)

3.5

じわじわとした和的ホラーの嫌な空気感を味わえる作品。話の作りと、見せ方がいい。ただ、怪異的存在そのもののビジュアルがチープなのがなんとも勿体ない。

新宝島(1965年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

シルバのキャラが憎めなくてカッコいい。片足というハンディがむしろ恐ろしい人物の象徴となっているのも面白い。また、視聴者視点で悪者と分かっているシルバのあからさまに怪しい善人的なジムへの態度が裏表ないも>>続きを読む

ハロー!ブランニューワールド(2020年製作の映画)

3.6

主人公のキャラ的な魅力の引き出し方が上手。このYouTuberの方には詳しくないが、なんとなく普段からどんなスタンスで動画撮ってるのか想像できそうな映し方だった。
いい意味でキャラを彫り下げすぎず、設
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.8

導入がいい。盲目の少年と犬が雪山を散歩するシーンから入り、父親の死体を見つける。ただ、面白いのは、この創作ミステリ的な導入に対して、本筋は「限界の状況で不明瞭な二者択一の回答に対してどう向き合うべきか>>続きを読む

13日の金曜日(2009年製作の映画)

3.1

ジェイソンのキャラと、スリリングな構図、ジャンプスケア。これを見る映画って感じ。
苦手なホラーの系統ではあったが、教養って感じで見てよかった。旧作もどこかでみるべきか?

ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

3.6

エンタメ映画として○。主人公のキャラ立てがいい。人としての剽軽さと神父としての敬虔さのバランスが絶妙だった。
エクソシズムは、バトル的な描写に振り切らず、恐らく現実でやっていたことを映画的に脚色した造
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パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

4.2

スリリングなシチュエーションと会話劇、癖のあるキャラクターだけで既に面白い。そこにちょっとダークな笑いのアクセントと、物語が繋がっていく楽しみ。見どころが多くて、色々な味がする。
見せ方が、いま流行り
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