satoさんの映画レビュー・感想・評価

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エターナル・サンシャイン(2004年製作の映画)

4.2

記憶を巡るSF要素と、ふたりの思い出を振り返る失恋要素が上手く両立してる作品だった。赤ちゃん姿のジムキャリー、シュールで面白い。
何よりもジョエルの記憶の様子が、バリエーション豊かで見飽きなかった。顔
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オオカミの家(2018年製作の映画)

3.9

圧倒的な情報量から、言いようのない不気味さがひしびしと伝わってくる怪作だった。
なんといっても絶え間なく変化し続けるストップモーションは他にない唯一無二の特徴だと思う。色彩も形も次々に変わって一見じゃ
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バーフバリ 伝説誕生(2015年製作の映画)

3.9

「RRR」の監督作だけあって、アクションも音楽もやっぱり段違いの出来栄えだった。
暴走した牛との戦いや敵軍との防衛戦みたいに、多種多様な迫力ある戦闘シーンが目白押しだったのが見応えがあったと思う。巨大
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

4.0

いつものウェス•アンダーソンらしい色彩感覚といつもより強いメッセージ性が満喫できる映画だった。三姉妹の埋葬シーンが可愛い。
パステルカラーが映えるアステロイドシティの街並みも、幾人もの人間がそれぞれの
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暗数殺人(2018年製作の映画)

3.6

一筋縄じゃいかない凶悪犯との駆け引きが際立ってた作品だった。
なんと言っても、供述や態度をコロコロ変えるテオの底知れなさが恐ろしかった。金銭的援助を要求したり、捜査を撹乱する所が他の凶悪犯とは違うタチ
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ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

3.9

木漏れ日や緑溢れる沼地と、そこで必死に生きた女性の様子が綴られた映画だった。
他の人がレビューしているように、ミステリー小説が原作といってもガイアの恋や苦悩が軸になっていたのが印象的だった。
愛する人
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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

3.6

徐々に不穏さが跳ね上がっていく嫌さが凄まじい作品だった。
なんと言っても一人の少年によって、裕福な家族が崩壊していく様子が見ていて気が休まらなかった。なんの罪もない子供たちが衰えていくのも嫌だったし、
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硫黄島からの手紙(2006年製作の映画)

3.8

終戦記念日なので、実際の戦いを知って悼むために鑑賞。
何より爆撃が繰り広げられる戦地で、敵味方関係なく簡単に戦死する現実が恐ろしかった。中でも抗戦できないとわかって自決したり、捕虜を無惨に殺す地獄絵図
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グランド・イリュージョン 見破られたトリック(2016年製作の映画)

3.9

前回よりも規模とスタイリッシュさが更に増してた作品だった。
意表を突くマジックと、その合間に披露される緻密なテクニックが印象的だった。特に警戒されてる中でチップを全員で巧みに操ってたのは流石。個々の能
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死刑にいたる病(2022年製作の映画)

3.7

徐々に何かに飲み込まれていくような薄気味悪さがひしびしと感じられる作品だった。ばら撒いてた桜の花びらみたいなやつの正体がわかった時、少しゾッとした。
割とグロい所もあるけど、それ以上に意味深な要素が散
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Pearl パール(2022年製作の映画)

3.7

見ていて不気味さはあったけど、ある部分はなんとなく理解できるような主人公だった。斧持って近づいてくんの、そのあとが予想できるけど怖すぎ。
オーディションのシーンだったり案山子とのダンスみたいに、陽気さ
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蜘蛛巣城(1957年製作の映画)

3.8

迫真の演技力と、どこか現実離れした雰囲気が感じられた作品だった。やっぱりあれが実際に射られてるの怖すぎる。
戦国時代が舞台にはなってるけど、シェイクスピアの「ハムレット」が原案なだけあって幻想的な要素
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LIFE!(2013年製作の映画)

4.7

最近仕事や今後のことを考えて憂鬱になってだけど、前向きに考えられそうな気になれる力を持った映画だった。山々の中でスケボーするの気持ちよさそう。
なんと言っても冴えない中年社会人のウォルターが、冒険を通
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記憶の夜(2017年製作の映画)

3.9

想定はしていたけど、その想定以上のどんでん返しを堪能した…。思い返すとシャーペンのシーンみたいに伏線が散りばめられてたのが流石。
引っ越してきた新居で怪奇現象が起きたり、兄が不審な行動をとっていたりと
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怪物(2023年製作の映画)

4.5

”怪物”のような、絶対的に間違っていた人間が本当にいたのか考えさせられるような映画だった。
この物語は三人の視点から全貌が明らかになるけど、多角的に描写されていることで違った見え方が出て来るのが特徴だ
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最後まで行く(2023年製作の映画)

3.9

緊迫した状況が絶え間なく続く展開と、ちょくちょく入り込むコミカルな所が面白かった。こんな中でやる冠婚葬祭最悪過ぎる。
誤って人を轢く所から始まって、そこに輪をかけて危ない出来事が続くのが凄いハラハラし
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レジェンド&バタフライ(2023年製作の映画)

3.8

今までありそうでなかった信長・濃姫ふたりの奇蹟を描いた夫婦の物語だった。同じ古沢良太脚本でも、こっちの家康はかなりしたたかに生きてそう。
政略結婚で結ばれたふたりが次第に絆を強めていく展開はベタだけど
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ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

4.5

事前情報なしで見たけど、自分の想像を遙かにしのぐとてつもない愛の物語だった。”草彅剛が演じている”んじゃなくて、口調から吐き出す感情まで凪沙本人が発しているようだった。
まずなんといっても、似たような
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キャプテン・フィリップス(2013年製作の映画)

3.9

数秒後に最悪な展開になりそうな緊迫感が半端ない映画だった。今まで見たトムハンクス作品で一番可哀想な状況に追い込まれる気がする。
なんといっても、どんな事態に陥っても最善を尽くそうとしたフィリップ船長が
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アナザーラウンド(2020年製作の映画)

3.7

お酒と自分が抱えていくモノへの向き合い方が綴られた映画。キレキレのダンスを披露するマッツ・ミケルセンが見れて良かった。
彼らの実験の結果からして、酒が生活を活性化したり台無しにしたりすることができるん
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ザ・ウォーク(2015年製作の映画)

3.8

ある特技における極みをびしびしと感じられる作品だった。"人のテリトリーには入らない"決まりを作ってた人が、物理的にも入れない所まで到達したのが素晴らしい。
なんと言っても前代未聞の挑戦を試みたフィリッ
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

前作みたいな謎が次々と明らかにされる要素と、スペクタクル的な要素が加えられた映画だった。正体不明の”それ”よりもブチ切れたゴーディが怖すぎる。
OJ達が存在を認識して以降も、変わらずに行動を起こしてい
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アザーズ(2001年製作の映画)

3.7

光が遮断された屋敷といいポルターガイストといい、不穏な雰囲気が漂ってた映画だった。"弱虫ケムシ"かわいい。
子供達やお母さんがかつて何かが起こったことを匂わしていたりと、意味深な描写が多かったのが印象
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蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)

3.8

音楽に対する四者四葉の熱意が実感できた作品だった。
ここに出てくるピアニストの人達の境遇はそれぞれ全く違うけど、どの人達も自分なりの信念を持って挑み続けてたのが素晴らしかった。その中でも微妙な音の差異
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ブラックホーク・ダウン(2001年製作の映画)

3.8

何が起こるか予想不可能な戦争を、肌で感じられるような混沌っぷりだった。
建物が立ち並ぶ市街地が舞台なだけあって、物陰や小窓から狙撃されることがやっぱり恐ろしかった。しかも少数精鋭な米軍と比べて、将軍の
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オテサーネク 妄想の子供(2000年製作の映画)

3.7

配信楽しみにしてて十分楽しめたけど、生理的嫌悪感も同時に堪能できた作品だった。「アリス」の時もそうだったけど食べ物が相変わらずまずそう。
何よりも自分達の”子供”に翻弄されるホラーク夫妻が終始可哀想。
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ヴィレッジ(2023年製作の映画)

4.4

受け継いだ負の遺産のせいで、幸せに生きる可能性が帳消しになるやるせない話だった。怒りを押し殺したり、笑顔で全てをひた隠しにしていた横浜流星さんの感情の振り幅が凄まじい。
親の起こした罪から逃れようとし
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余命10年(2022年製作の映画)

4.0

"不治の病”が人の生命を大きく左右する恐ろしさを、改めて認識する映画だった。どうすることもできない茉莉の眼から、絶望がひしひしと伝わってくる。
病気を受け入れて生きようとしても、この病からは脱却するこ
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ドリームプラン(2021年製作の映画)

3.9

世界一のテニスプレーヤーにする無謀なプランを実現させたのが納得できる話だった。”お前は史上最高のテニスプレーヤーになれるんだ”って言葉は、その後の展望を考えると深みが出てる。
つきっきりで自分の計画を
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検察側の罪人(2018年製作の映画)

3.8

検察官としての正義のために、許されない行為をする最上が恐ろしかった。”優秀な検察官は自分の正義を信じること”っていう台詞が皮肉に思える。
もともと演技派のふたりが主演なだけあって、それぞれの主義主張を
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幸せなひとりぼっち(2015年製作の映画)

3.9

ちょっとした近所の付き合いや、家族みたいな人との繋がりっていいなと実感したいい映画。あんまイメージが湧かなかったけれどトムハンクスもすごく似合いそう。
花屋にクレームつけて、めちゃくちゃ偏屈なおじさん
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RUN/ラン(2020年製作の映画)

3.6

居心地の悪い嫌な恐怖が実感できた作品だった。
在宅で勉強を教えたり、健康管理を徹底するお母さんが献身的とも言えるし、過保護とも言えなくもない所が凄く不気味だった。車椅子を使うクロエは歩けない不自由さは
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私の頭の中の消しゴム(2004年製作の映画)

3.9

”感動する恋愛映画”として色んな所で目にするけど、その言葉が誇張じゃないなと思えるくらい涙が出た。
ふたり暮らしを初めて建築士の資格も取得できてと順風満帆な生活の中に、スジンの具合がおかしくなる様子が
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.2

こんな混沌としていてハチャメチャなのに、観た後は爽やかなの気分だったのが不思議。もし仮に誰かがネタバレしてもあの独特の雰囲気は伝わらなさそう。
他の世界線の自分に目まぐるしく変化するSF要素や、かなり
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mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

3.9

10代の微妙な心理描写が細かく描かれてた作品だった。画質が90年代特有の少し荒くなっている所にノスタルジーみを感じる。
下品な会話をしていたりして柄の悪そうなレイ達のグループも、新入りのスティーヴィー
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ゴッドファーザー(1972年製作の映画)

4.2

何かを背負い続けた男達の勇姿が垣間見える作品だった。ヴィトーが言う”男なら家族を養える位の甲斐性を持て”っていう言葉の説得力が半端ない。
もともと自分はシチリアンマフィアの興亡の話として認識していて、
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