ptoshさんの映画レビュー・感想・評価

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愛しのタチアナ(1994年製作の映画)

3.5

思いの外?恋愛要素の多いカウリスマキ作品。

構図には細心の注意が払われているが、奥行きのある場面では、奥に置かれた物が手前の物に隠されてしまう様子が無造作に見える。

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

3.5

主人公たちが音楽なり演技なりに感じている魅力や魔力は、自分には伝わらなかった。
「夢を追いかける」というときの「夢」は結果なのかな。

エマ・ストーンはずいぶん饒舌な演技をする人だ。

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

3.6

入れ子構造とかメタファーとか、用意周到で野心的な作品なのかもしれない。
ただ、大切なものを失った人の再生というテーマは、ごく個人的なところからしか共感ができない。

生きていくために演劇をやり、ドライ
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.3

個々に座りの悪い仮面ライダーの構成要素を羅列して、全体としては納得させる力がすごい。

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年製作の映画)

3.3

高橋留美子の作品世界は、作者と登場人物と観客(読者)を同じ平面に置いて楽しませるものだったとあらためて感じた。
押井守の『夢から抜け出せ』というメッセージは、抜け出してしまうと熱が冷める。

日本橋(1956年製作の映画)

3.5

全体としては面白い。引き込まれた。

ただ、市川崑が泉鏡花の妖しい世界を描くはずが、
何か少し違うものができあがったような不可解な作品。

情緒的に美しく描かれてはいるが、情念のエネルギーを信じていな
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女の賭場(1966年製作の映画)

3.4

後半のクライマックスに進むにつれて、緊迫感が高まり、画面が冴えてくる。
江波杏子が少女のように見えてくる。

(1959年製作の映画)

4.0

キャスティングがすばらしい。
中村鴈治郎と京マチ子の一見古風な夫婦関係、娘の婚約者・仲代達矢の計算高さ、何かを秘めている娘・叶順子。
時間の経過とともに、徐々に変化していく関係。

日本家屋の廊下を縦
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必殺色仕掛け(1973年製作の映画)

3.0

女郎屋を狙うやくざと、守ろうとする女渡世人の対決を描いた任侠映画のパロディ。
ゆるい設定と締まりのない展開に和める。
二條朱実が熱演。

女経(じょきょう)(1960年製作の映画)

3.8

3人の監督が、それぞれ特徴的なテーマとスタイルの
作品を持ち寄っている。
どれも面白くてミステリアス。すごい女優陣。

京マチ子はここではあっさりと描かれているのが魅力的。
もっと見たくなる。

ギャングース(2018年製作の映画)

3.0

これが今の時代の青春映画なんだろうか。

ストーリーが複雑なので、勢いに任せた演出に流されている部分が気になる。

東京おにぎり娘(1961年製作の映画)

3.6

若尾文子がとても綺麗で楽しい。
中村鴈治郎の頑固で可愛いオヤジも魅力的。こちらが主役みたい。

登場人物のからみや物語の流れは、昭和のホームドラマ。
芸者に産ませた隠し子なんてのは今の時代にはないな。
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好色一代男(1961年製作の映画)

3.4

井原西鶴の『好色一代男』が、シャープでテンポの良いコメディになってしまっている。女を喜ばせるのが自分の幸せという主人公だけれども、誰も幸せになってないような。

配役も演出も豪華。現代的な色彩も素晴ら
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やわらかい生活(2005年製作の映画)

3.2

街の遠景も街路の情景も、書割的ではなくて現実感と奥行きがある。見ていて楽しい。

嘘と真実の両方の上に生きている大人のリアリティ。

宵待草(1974年製作の映画)

3.0

二人のアナキストと令嬢が無為にさすらうロードムービー。

「青春の蹉跌」と同じく、監督:神代辰巳、脚本:長谷川和彦、撮影:姫田真佐久。

どこにもたどり着けない若者を描くにしても、神代監督はもっと別の
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ザ・マスター(2012年製作の映画)

4.2

さすらう主人公が新興宗教のリーダーと出会い、影響を受け、離れていく。

ひとつひとつの場面や人物に実在感があって、映画としての説得力というか、見る者に浸透する力がすごい。そのせいもあって、筋の通った物
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赤い天使(1966年製作の映画)

4.0

クライマックスに向けて一本の坂道を上り詰めていく、増村保造らしい傑作。

天津の陸軍病院と野戦病院を描いて、悲惨な状況が積み重ねられる。
ところが、後半に進むにつれて主人公の個人が立ち上がって、戦場に
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リバーズ・エッジ(2018年製作の映画)

3.0

90年代の空気が主人公。

平坦でたいくつな日常の中で、それぞれの人が自身の欠損から目をそらさずに生きていかなければ許されない拘束がピークに達した時代。

この原作の受け止め方は、人によってかなり違っ
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火口のふたり(2019年製作の映画)

3.5

感覚や欲望が人を突き動かす「身体の言い分」。
愛する行為を繰り返すことで、過去を生き直し、二人の関係にもう一度向き合う試み。

「身体の言い分」については、人を没入させる説得力をもって描けているかどう
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素敵なダイナマイトスキャンダル(2017年製作の映画)

3.6

主人公の模索を羅列する展開が単調に思えてきたころ、
すべての人や時間が一本の糸に紡がれた必然のようなものが見えた。

奥様は魔女(1942年製作の映画)

3.5

ルネ・クレール監督が1942年にハリウッドで撮った作品。

コケティッシュな魔女が男を振り回した末に恋に落ちてしまうコメディ。
ヴェロニカ・レイクが可愛い。

らせん階段(1946年製作の映画)

3.6

オーソドックスなサスペンス映画。
ほとんどが室内シーンで、暗くて奥行きのあるカットが多い。
ヒロインを監視する人影や、繰り返し現れる目のクローズアップなど、緊張感を表現する手法の完成度が高い。
欧米の
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幻の女(1944年製作の映画)

3.5

アリバイを立証する「幻の女」の存在をめぐって積み上げていくプロットが軸になっていて、引き込まれてしまう。
エラ・レインズがバーテンダーに密着・尾行した末に行き詰まる展開、偏執的なドラマーとの渾身の絡み
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ガラスの鍵(1942年製作の映画)

3.0

主人公(アラン・ラッド)が殺人容疑をかけられた有力者を救おうとするという動機(友情)が伝わってこない。
アラン・ラッドとヴェロニカ・レイクの関係性も分かりづらい。
ダシール・ハメットのハードボイルドは
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拳銃貸します(1942年製作の映画)

3.5

少し強引だけどスピーディな展開のフィルム・ノワール。
孤独な殺し屋と妖艶なマジシャンが、逃避行の末に黒幕が支配する巨大な建物に潜入して目的を達成する。

暗いシーンの多い撮影もよくできている。
ヴェロ
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ゴールド・ディガース(1933年製作の映画)

3.5

これは、素晴らしいエンターテインメント。
また、大恐慌時代に生きる人々の痛みを反映した作品でもあって、その点ではハリウッド映画を身近に感じさせてくれる。

極道の妻たち(1986年製作の映画)

2.9

銃撃された夫を見つめる岩下志麻。
ひとことで言い表せない表情をしていた。

にっぽん昆虫記(1963年製作の映画)

4.0

俯瞰的な視点で人間や社会を描くのではなく、
個人を中心においた視点で意思や情念の発露を描くのでもなく、
農村の交わりや混沌の積み重なりの結果として生まれてしまう現象をドラマとして描く。
善悪もなければ
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「エロ事師たち」より 人類学入門(1966年製作の映画)

3.8

基本は即物的に詰め込められた画面で作られている。
川辺りの床屋での息苦しい生活、ブルーフィルム制作の現場、社会の縮図のような警察署、狭い病室。
リアルなカットがテンポよく展開される。

一方、水槽の鮒
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私のベレット(1964年製作の映画)

3.0

1964年のいすゞ自動車のPR映画。
3編のオムニバス。

製作:株式会社日本映画監督協会プロダクション
脚本監修:小津安二郎
脚本・監督:大島渚
音楽:中村八大

不思議な作品。
3編の主人公たちは
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武蔵野心中(1983年製作の映画)

2.7

愛人・山崎富栄の視点で描くのであれば面白いと思うけれども、
演出側は、彼女を主人公にはしてもそれ以上に踏み込む意欲はないようだ。

魔性の香り(1985年製作の映画)

2.5

日常的な現実感ではなくて、作品にふさわしいスタイルが必要なのでは?

銀座二十四帖(1955年製作の映画)

3.8

海外サスペンス映画の枠組みなんだけど、ホームドラマの趣を感じさせる作品。
豪華なキャストでいい時間を過ごさせてもらいました。

登場人物は、過去を振り返ったり、銀座の変化を嘆いたりするのだが、それらを
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