SATDANさんの映画レビュー・感想・評価

SATDAN

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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.6

かつてチャーチルは第一次大戦終結時、「戦争から、きらめきと魔術的な美がついに奪い盗られてしまった。アレクサンダーやシーザーやナポレオンが、兵士たちと危険を分かち合いながら、馬で戦場を駆け巡り、帝国の運>>続きを読む

終わらない週末(2023年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

2024年始まってから観た作品(1月14日時点)の中では現状No.1。何が起きているのか、誰が味方なのか、何をすべきなのか。全てが分からず信用できない緊張感を維持したまま流れる2時間20分は 体感では>>続きを読む

スマイル(2022年製作の映画)

3.5

タイトルの『スマイル』要素は少なめで、何なら冒頭が最大のピークかもしれない。笑顔にフォーカスした猟奇的な展開の連続を期待すると拍子抜けかもしれないが、本作を「精神疾患罹患者の苦悩」を描いた作品として観>>続きを読む

REBEL MOON ー パート1: 炎の子(2023年製作の映画)

4.7

ジャパンプレミアにて一足早く観賞。『スターウォーズ エピソード4 : 新たなる希望 スナイダーカット』であり、同時に監督がDC三部作で成し遂げられなかった叙事詩の完成を目指した作品でもあった。

虐げ
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アリスとテレスのまぼろし工場(2023年製作の映画)

3.0

試写会にて鑑賞。製鉄所の爆発によって現実世界から隔離され、時の流れが止まってしまった見伏村で生きる学生達の物語。

岡田監督の作品は『さよならの朝に~』のみ鑑賞しているが、同作と比べるとあんまりだった
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マルセル 靴をはいた小さな貝(2021年製作の映画)

4.5

劇場で予告を見てからずっと気になっていた作品。Airbnbの貸し物件で密かに暮らす貝のマルセルとおばあちゃんのコニー。ある事情で家族や友人と離れ離れになり、小さな体で精一杯、寂しく過ごす日々は、偶然仲>>続きを読む

イビルアイ(2022年製作の映画)

3.0

試写会にて鑑賞。メキシコを舞台に土着信仰(民間伝承?)を題材にしたホラー作品。魔女の伝説が残る農村出身の母の元に生まれた姉妹のうち、妹が難病を患う。医学的処置ではどうにもならないことを知った母は家族全>>続きを読む

Pearl パール(2022年製作の映画)

4.0

『X - エックス』の続編にして、3部作の2作目。舞台は1916年、戦争に赴いた夫ハワードの帰りを待ちながら、キリスト教の厳しい戒律に従って生きる母と共に暮らすパール。要介護で寝たきりの父親の世話と毒>>続きを読む

X エックス(2022年製作の映画)

3.6

今週末公開の『パール』に向けて観賞。1979年、ポルノ映画で一攫千金を狙う6人の男女が人里離れたテキサスの片田舎にやって来た。自称敏腕プロデューサーに雇われた、ゴダールを信奉する大学生のアマチュア映画>>続きを読む

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

4.0

かつて砂漠へ、ジャングルへ、山へ、数々の冒険を繰り広げてきたヘンリー・ジョーンズ・ジュニアことインディ。だがそんなヒーローにも、時の流れは平等に訪れる。世間が宇宙への可能性に心踊らせる中、時代から取り>>続きを読む

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

5.0

前々から評判は聞いていたが、もう公開が終わりかけている中、この作品を観る選択をした自分を誇りに思う。間違いなく今年度観た作品の中で現状トップクラス、いや、1位か2位であることは間違いない。

トルコの
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バットマン(1989年製作の映画)

3.6

『ザ・フラッシュ』のために改めて観賞。郊外の豪邸に住むミステリアスな大富豪ブルース・ウェイン、その正体は漆黒の鎧に身を包む闇の騎士だった…

両親を喪った過去が残した心の傷。人付き合いを意図的に避ける
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テリファー 終わらない惨劇(2022年製作の映画)

3.8

ギコギコこと“◯切り”(自主規制)でお馴染みの殺人ピエロ“アート・ザ・クラウン”が主役のシリーズ第2作。マイルズ郡で起きた恐るべき悪夢の夜から1年、あのピエロが帰ってきた!

2時間半100%スプラッ
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.0

日本アニメ界を背負う存在と見なされ、ポスト宮崎駿を期待され、自分の作品が持つ社会的影響力が確固たるものとなった新海誠。多くのものを期待され、大量のスポンサーに囲まれた彼が選んだのは、作家性を封じ込め、>>続きを読む

ジュラシック・ワールド 炎の王国(2018年製作の映画)

3.5

新作に向けて観賞。前作からこの続編は思い付かなかったし、ポスターで想像する展開とも違って意外性があった。中盤以降の屋敷の中を行き来する展開はゲームっぽさもあり、内容的にも作家性が出ていたように思う。久>>続きを読む

ジュラシック・ワールド(2015年製作の映画)

3.3

新作に向けて観賞。キャラクターから展開まで良くも悪くも教科書通りの王道作品という印象で、良くできているとは思うが薄味な印象。恐竜はVFXがほとんどになったが、やっぱりアニマトロニクスと比べると何か物足>>続きを読む

007/ダイ・アナザー・デイ(2002年製作の映画)

3.5

記念すべきシリーズ20作目にして、ブロスナン期最後の作品。アニバーサリーということで懐かしのシーンのオマージュや、懐かしの秘密道具が多数登場。ロシアより愛を込めてのトランクやクレップの靴、サンダーボー>>続きを読む

007/ワールド・イズ・ノット・イナフ(1999年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

シリーズ初、007がメインのボンドウーマンを殺す展開を迎える作品。ストックホルム症候群かと思いきや根っからの悪女だったというパターンで、まんまと手玉に取られた痛覚無し男が悲しい。そんな悲壮感漂うレナー>>続きを読む

007/トゥモロー・ネバー・ダイ(1997年製作の映画)

3.4

ブロスナン2作目。メディア王という今までに無かったパターンの敵が登場。マスメディアによる情報操作によってボンドが追い詰められていくという、現代的で滅茶苦茶面白そうな展開を迎えるが、それもすぐに終わって>>続きを読む

007/ゴールデンアイ(1995年製作の映画)

3.3

ピアース・ブロスナン1作目にして、冷戦終結後初となるボンド作品。中盤まではシリアス路線でポリティカルフィクション要素が強く、イギリスの黒歴史と言えるリエンツコサックの血を引いた男が敵になっている。個人>>続きを読む

007/消されたライセンス(1989年製作の映画)

2.8

ジョン・グレン監督の最後のボンド作品。過去最高に自分好みのボンドウーマン(パムのことだがタリサも良い)が出てきたという点以外あまり好きになれない作品。とにかくボンドが乱暴過ぎて、その結果中国の工作員が>>続きを読む

007/リビング・デイライツ(1987年製作の映画)

3.3

記念すべきティモシー・ダルトンの007デビュー作。前作と同じくジョン・グレン監督だが、一気にシリアス路線に舵を切った印象。女性との絡みも少なくなった。

個人的にティモシー・ダルトンのボンドは血気盛ん
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007/美しき獲物たち(1985年製作の映画)

3.7

ロジャー・ムーア最後のボンド作品。正直タイトルの意味はよく分からない。とにかくクリストファー・ウォーケンが印象的で、過去に類を見ない冷酷さと残忍さを持った悪役として登場。シリーズ最狂かもしれない。用心>>続きを読む

007/オクトパシー(1983年製作の映画)

3.6

ジョン・グレン監督2作目。オープニングで銃を手に横たわる女性の裸体を「007」の文字が這っていくシーンが印象的。女性がそれを見ながらニコッとする所も何故かよく覚えている。

冷戦も終わりが近づき、本作
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007/ユア・アイズ・オンリー(1981年製作の映画)

3.6

5作品連続登板となるジョン・グレン監督の1作目。開始早々ブロフェルドが呆気なく最期を迎える超展開からのスタートだが、今でもテレサを想うボンドにはしみじみ。吹き替えだとブロフェルドが「待ってくれ!お惣菜>>続きを読む

007/ムーンレイカー(1979年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

世間的には低評価なのだろうが、個人的にはシリーズでもかなり好き作品。確かにオープニングからその後の展開までかなり前作に似ており、使い回し感があるのは事実。しかしそれでも自分が本作を愛して止まないのはや>>続きを読む

007/私を愛したスパイ(1977年製作の映画)

4.2

前作の失敗を経て生まれた傑作。ガイ・ハミルトン監督ではなくなったお陰で女性蔑視も無くなり、XXXの自立していて自分の意思をしっかり持っており、ボンドと互角に関わる芯のある女性像はその後のボンドウーマン>>続きを読む

007/黄金銃を持つ男(1974年製作の映画)

2.3

ガイ・ハミルトン監督最後のボンド映画にして、あまりの出来の悪さから興行的に失敗してしまい、ロジャー・ムーア降板も検討された厄介な作品。とにかく全編通してコミカル路線過ぎて、せっかくのクリストファー・リ>>続きを読む

007/死ぬのは奴らだ(1973年製作の映画)

2.7

ロジャー・ムーアの007、記念すべき第1作。葬儀の列を装った殺し屋集団のシーンなど、印象的なオープニングからの「Live And Let Die」でテンションが上がるものの、その後は今一つ面白くない。>>続きを読む

007/ダイヤモンドは永遠に(1971年製作の映画)

2.8

コネリーボンドの(公式シリーズでは)最後の作品。本作から3作連続でガイ・ハミルトンがお粗末な作品を量産することになる。あまりに呆気ないブロフェルドの最期から始まり、そもそもまた整形したブロフェルドが全>>続きを読む

女王陛下の007(1969年製作の映画)

3.8

ジョージ・レーゼンビー唯一の007。正直評価の内の2.0ぐらいはオープニングシークエンスとそこから始まる主題歌の素晴らしさでポイントが入っている。シリーズでジョン・バリーが作曲した曲の中でも「Caps>>続きを読む

007は二度死ぬ(1967年製作の映画)

3.4

冒頭から宇宙船が飲み込まれるインパクトあるシーンで始まり、一気に引き込まれる。ここで流れる「Capsule in space」という曲はジョン・バリー作曲の中でも屈指の名曲だと思う。かなり突拍子もない>>続きを読む

007/サンダーボール作戦(1965年製作の映画)

3.6

公開順に見ていたので、始まった瞬間から「画面が大きい!スタンダード・サイズになった!」と勝手に大興奮。予算も潤沢で核ミサイル強奪とスケールも大きい。スペクターの会合シーンや00要因総動員の作戦会議シー>>続きを読む

007/ゴールドフィンガー(1964年製作の映画)

3.5

言わずと知れた主題歌がまず素晴らしい。ストーリーは前作と比較するとコメディ路線に入ったが、他のガイ・ハミルトン作品と比べるとしっかり見れるのは、役者陣と美術やギミックのお陰かな。

全体的にゆったりし
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007 ロシアより愛をこめて/007 危機一発(1963年製作の映画)

3.9

最高傑作と呼ばれることも多いそうだが、その名声に恥じぬ良作。前作を踏まえた物語でより現実味のあるスパイ映画になっており、当時のイスタンブールの情勢も踏まえていてポリティカルフィクション的な要素もある。>>続きを読む

007 ドクター・ノオ/007は殺しの番号(1962年製作の映画)

3.8

記念すべきシリーズ第1作。ショーン・コネリーのボンドはスーツ姿と振る舞いが素晴らしい。「自分の葬式をやったのさ」などの台詞も決まっていて、唯一無二の魅力がある。話自体もそこまで恍惚無形ではなく、全体的>>続きを読む

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