パスト・ライブス=前世というと大袈裟に聞こえるけど、FB や Skype の登場には、懐かしい再会を純粋に楽しむことができる無邪気さがあって、それは前世と今世が繋がってしまうような感覚だった。本作のス>>続きを読む
胸糞悪すぎる。高評価ばかりとは本当に憂いしかない。主人公の生活が美しい?憧れる?そんなに搾取されたいのか。清貧思想も行き過ぎだろう。
ルー・リードが「パーフェクト・デイ」で完璧な日と歌うのは明らかな皮>>続きを読む
唐突な暴力や死ほど肝が冷めるものはなく、そこに帯びる空疎さの描き方こそ北野映画の真骨頂だと思うのだけど、本作にはそれがない。ヒリヒリしなかった。なので、全体としては消化不良。
だけど、北野映画はいつも>>続きを読む
偉人のパーソナルな側面を描くという、この手の作品にはよくある内容。退屈なわけではないけど、わざわざ劇場で観るほどのものでもなかった。
『ハウス・オブ・グッチ』もそうだけど、リドリー・スコットの史実物は>>続きを読む
ポップコーン片手に大作が観たいけど、他に目ぼしいのがないからという消極的な理由で観たけど、ゴジラには何の思い入れもないし、それなりに楽しめた。けど、各人がゴジラと戦う動機には、あまり同調できない。
佐>>続きを読む
映画を観終わって、キリンジの名曲「まぶしがりや」の一節を思い出した。
洗いざらい
話せる日がくるかな
詮索しなくていいのさ
自由な選択が許されなかった時代に、本当の自分を隠しながら青年期を生きた人>>続きを読む
つまなかった。半分くらい寝てたかもしれない。近作のウェス・アンダーソン作品に漂う息苦しさだけが際立っている。ストーリーの軸もさっぱりわからない。フレンチ・ディスパッチが秀逸だっただけに、と思ったが、そ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
心が震えたし、泣いた。
似ている作品として思い浮かぶのは『千と千尋の神隠し』と『インターステラー』。涙する理由も同じで、時空を越えて約束を守り、受け継いだ思いを果たすところだ。インターステラーでは年老>>続きを読む
笑えるシーンもあったのだけど、そもそもバカバカしい映画を楽しめない性格なので、全然乗れなかった。エンタメなんて飽食者のものだからと割り切れればいいのだけど、テーマがテーマだけに看過できない。
親子や隣>>続きを読む
妻がコロナに罹患したため自宅で過ごした4連休。その最後の夜に鑑賞。不思議な魅力をもった作品だった。
この手の映画は薄ら寒くなりがちなのに、ギリギリでそうなることを回避していく。こそばゆい。だけじゃなく>>続きを読む
主軸となる物語は凡庸だけど、差し込まれる数々のエピソードは印象的。食を媒介として人間の本性を描こうとする企みがうかがえる。
でもどこまでも戦略的で表層的で、監督の出自が垣間見れる、鼻持ちならない作品。>>続きを読む
うーーーん、既視感がすごい。
テーマは『マトリックス』で展開は『X-MEN ファースト・ジェネレーション』。最後のシーンは『もののけ姫』という感じ。
全然悪くはないけど、クロエ・ジャオが好きなだけに、>>続きを読む
この題材であればもっと優れた作品になったのでは?と思ってしまう。おしなべて全員ろくでもないけど、深みがない。それなりに楽しめたけど、特筆すべきシーンが思いつかない。物足りなかった。
スパイダーマンにそれほど思い入れがないから、前評判ほどではなかった。このテーマなら、もっと単純なプロットで観たかったなという気持ちの方が強い。
ホランドってパッとしないと思っていて毛嫌いしていたスパイダーマン三部作をやっと見た。幼さが残るところが当たり役ともいえるだろう、すごくよかった。スパイダーマンの醍醐味である青春ものとして純粋に楽しめる>>続きを読む
主人公は怪我を負ったロデオライダー。これまでとは違う明日をどうやって生きていくかを決めていく。同じようなテーマを扱った作品に同監督『ノマドランド』や『サウンド・オブ・メタル』があるが、どれも身につまさ>>続きを読む
テンポにハマれなかった。この脚本はあまり評価できない。
小学生の頃から原作を幾度も読み返してせいで、もう原作のテンポが脳に染み付いてしまっている。だからか、試合シーンのテンポが、そこに挟まれる回想によ>>続きを読む
悪い脚本ではないと思う。但し、チャドウィック・ボーズマンを亡くしたことで(本当に悲しい)物語を軌道修正する意味合いが色濃く、ストーリーとしては停滞している。なので、スピンオフとして捉えた方がいいかもし>>続きを読む
村上春樹の訳した原作は未読。だが、飼い猫が姿を消したことをきっかけに主人公がトラブルに巻き込まれていく展開に、村上作品を思い出さないわけにはいかない。
主人公は悪事や腐敗に接近しつつも、それを暴いたり>>続きを読む
緊縮財政によって必要とする人々に社会保障が行き届かなくなる。新自由主義によって行政が効率化重視のサービス業へと成り下がる。そんなイギリスの今を舞台にした映画だ。
勤労で堅実な人生を送ってきたダニエルは>>続きを読む
ザ・アメリカン・ニューシネマ。権力や既存概念への反抗と、しかし結局最後には取り込まれてしまう無力感が描かれる。銀行支店長の権威失墜に男性優位時代の終わりを垣間見れる。
ご都合主義的な展開も多いけど、ハッとさせられるショットが続く。登場人物に感情移入はできないけど、矜持に感情を刺激させられる。映画は虚構であり、整合性など不要なのかもしれない。
待望のピール新作。レーザーGTで観た。ポスタービジュアルにもある通り、空を見上げるシーンが多い本作では、画面の上下が広いレーザーGTの特性が活かされ、実際に見上げている感覚になった。体験したことのない>>続きを読む
ジャンプでリアルタイムで読んでいた者としては、これは流石に脚本がいかがなものかと思ってしまう。各人の背景を悉く端折るなら、もっと潔く登場人物とエピソードをカットしちゃってよかったのでは?という感じ。
ボビー・ギレスピーは自伝の中で、マルクス兄弟の映画から教えられたことを次のように記している。「この世界がひとつの巨大な精神病院で、俺たちもみんなその患者で、でもほとんどの人間が、自分は他の誰かが監督し>>続きを読む
盗聴を生業にするが故に孤独な生活を自身に強いる主人公。盗聴を解析する場面で、ホームレスの老人についての会話の部分が繰り返されるのも、主人公の明るくない未来への暗示を感じさせ、孤独への恐怖心が強調される>>続きを読む
主人公含め、傲慢で利己的な人間が何人か登場する。彼/彼女らは人のことを見下したり、消費社会を批判したりするが、そういった否定的な態度は若さ故であり、確固たる自己が成熟していないことの裏返しである。特に>>続きを読む
アメリカン・ニューシネマといえば『タクシードライバー』と『カッコーの巣の上で』しか見たことがなく、知識としても本作がそれとは知らなかったので、最後の展開で、あーニューシネマだったのかこれとなった。
主>>続きを読む
尾道旅行の予習として。
細田守版よりも、湿度が高いというか、セクシャリティ(特に女性への)の視座が強い。実際、生理という言葉も劇中で用いられるが、体と心の変化の大きい思春期の体験を、タイムリープという>>続きを読む
幽霊を情念が土地に定着するものと定義するところはおもしろいし(京極夏彦の小説でも同じようなテーマのものがあった気がする)、そのテーマも好みだけど、ちょっと説明過多な気がする点が惜しい。時間も短めだし、>>続きを読む
ディザスタームービーでも観るかということで。20年以上前の映画だけど、津波のシーンなどは、全く古さを感じさせない。というか、311のことを思い起してしまうほどリアリティがあった。怖って感じ。
話の展開>>続きを読む
90年代を感じさせるスタンダード・サイズで撮られたザラザラした質感のオープンニングに心躍る。そしてそれが最後まで続く奇跡!
スト2のTシャツを着た少年が兄の部屋でヒップホップを見つけることからストーリ>>続きを読む
1900年代のアメリカを舞台に、旧態依然とした価値観の中でマイノリティが生きていく過酷さを描くという点で『パワー・オブ・ザ・ドッグ』とよく似ている本作。
トラウマに囚われて不器用に生きることしかできな>>続きを読む
最も感動的なのは終盤のシーン。
ロサンゼルス、ニューヨーク、ニューオリンズの地を巡り、多くの時間を一緒に過ごしたジェーンと甥っ子のジェシーの二人。ジェーンがジェシーに向かってこんなことを言う。
「いず>>続きを読む