5lothさんの映画レビュー・感想・評価 - 11ページ目

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舟を編む(2013年製作の映画)

2.5

映像的な興奮はなかったです。辞書を作るということと、映画の親和性は悪いんじゃなかろうか。言葉で説明することと、映像の連続で見せること。登場人物たちのやってることには好感を持ったので、嫌いではないです。

ペタル ダンス(2012年製作の映画)

3.0

曇り空の水際に女子を立たせる芸。不自然で自然な会話の間。びっくりした。風しか映っていなかった。そりゃあ風を心地よく感じたり、その中に何かを感じ取ったりすることはある。

図書館戦争(2013年製作の映画)

3.0

この映画には歴史を語ろうとする意志があったので、よかった気がする。本1冊には随分といろんなものが託されているが、それがあったので拡がりがありました。

意志があったのであって、上手に出来ていたのかは分
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リンカーン(2012年製作の映画)

3.0

えーと難しかったです。アメリカの礎となった期間に、アメリカが凝縮されていたということでしょうか。それが綺麗事ばかりじゃないのがよかった。戦争終結を長引かせていたとか。あと最後の大統領の後ろ姿がやけに力>>続きを読む

クロユリ団地(2013年製作の映画)

2.5

僕たちが当たり前にしている論理が破壊されたり、その論理を軽々と飛び越えてしまう存在、そのことが起きる瞬間こそが恐怖なのであって、初めからよく分からないものとして登場したのは大して恐くないんだよなあ。と>>続きを読む

はじまりのみち(2013年製作の映画)

3.0

よかった。大半の映画がモンタージュで済ませてしまうような道行を撮り続ける。正直地味な絵面にも強度が宿るのは生きて帰りし物語の構造があるからか。自然と立ちのぼってくる映画を見る理由と、撮る理由にぐっとく>>続きを読む

インポッシブル(2012年製作の映画)

3.0

津波とその後の描写が容赦なくて、きっつい。でもよかった。言葉にしようとすると、陳腐なものしか出てこないけどよかった。一番怖いのは一人でいること。怖くて眠れない時は楽しいことを考える。当たり前のことが前>>続きを読む

箱入り息子の恋(2013年製作の映画)

1.5

別に35歳から恋が始まってもいいんだけど、高校生のそれとは違うでしょ。どこが違うの?こじらせただけ純粋になるなんてことはないし、ツッコミ不在で滑稽にもならない。

雨と蛙のモチーフは映画的ではあったけ
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レ・ミゼラブル(2012年製作の映画)

3.0

生々流転。クラシックな物語は流石によく出来てる。変わっていくバルジャンと、変わらないジャベール。対比のさせ方とか、時代の重ね方とか。原罪、自己犠牲、若さ、色々。

ハングオーバー!!! 最後の反省会(2013年製作の映画)

3.0

お酒呑んでないじゃん!なんか内容的にも酔いが醒めていく朝方のような、そういう季節の話なのかなと思った。ナイーブ過ぎる感性が世界と対峙する時のギャップと、その境界を飛び越えてしまうことがこのシリーズの笑>>続きを読む

10人の泥棒たち(2012年製作の映画)

3.0

楽しかった。けど、良くも悪くも軽い。男女の情も、人の死も、駆け引きも。トッピング全部乗せみたいな。こういうエンタメが作れる韓国に嫉妬しちゃうなー。チョン・ジヒョンは年齢でなく、かわいらしい人だなー、と>>続きを読む

建築学概論(2012年製作の映画)

3.5

過去と未来が反復し合っているような構成がよかった。開けられる空き家の扉、野外での食事、寝てる間のキス、そしてCDの貸し借り。地図に引いた線は赤い糸に見えた。

嘆きのピエタ(2012年製作の映画)

3.0

怖い。気味悪い。美しい。暴力と死と母性と愛と復讐と。キム・ギドクには人間はあらかじめ壊れたものとして見えてるのかもしれない。それがさらに壊れていくさまよ。

華麗なるギャツビー(2013年製作の映画)

3.0

クラシックな形式に華美な装飾を施して、中身は空虚なまま。だから、それがいつか終わるのは自明のこと。でも、その中に「希望を見いだす力」というような何かを見つける映画。映像もストーリーもキャラクターもそう>>続きを読む

エンド・オブ・ザ・ワールド(2012年製作の映画)

3.0

画面の中に独特の時間の流れがあると思った。大声をあげて泣き叫んだり、怒ったりしなくても彼と彼女のの考えていることが見える。世界週末を設定して手にいれたのは、なんとも奇妙な静寂か。

ワールド・ウォーZ(2013年製作の映画)

3.3

世界の終わりに、静寂っていうのは何故寄り添うように、付きまとうようにあるものなのか。というようなことを考えてみていた。狂騒の中にあって、ふと訪れる静寂の深みよ。Zが音に反応するって設定も、それを生かし>>続きを読む

ローン・レンジャー(2013年製作の映画)

3.0

西部劇であるからして、クラシックであるような、黒澤明を連想させるような画面があって震えた。そこから冒険活劇を経由して、大乱戦スペクタクルアクションに突入するというバランスの無茶苦茶な映画だったが楽しか>>続きを読む

青の祓魔師(エクソシスト) 劇場版(2012年製作の映画)

3.0

作品のテーマへの別アプローチ。子供時代の同じ憧憬を持つ者の方法論の違い。その折衝点の揺らめきに、人間と悪魔の種族の違いを、此岸と彼岸を、忘却の曖昧さを重ねて行きつ戻りつする。だったら、でかい方のやつの>>続きを読む

劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(2013年製作の映画)

2.5

改めて、誰かを見つけることと、誰かに見つけてもらうことの喜びの物語なんだと思った。が、音楽と構成が絶望的によくなかった。なんでTVシリーズにあった強い物語を捨てて、マイナスへ遡る、視点の定まらないこと>>続きを読む

夏の終り(2012年製作の映画)

3.5

すんげえよかった。近藤龍人撮影はいつもいいけど、これが最高傑作じゃなかろうか。とても好きな感じだ。満島ひかりはあんなにカメラに愛されてるのに、それを受け入れない違和感もあって。自由で我儘なひとなのに、>>続きを読む

脳男(2013年製作の映画)

3.0

瀧本智行は影を映す作家。陰影のついた画面とは裏腹に、物語が進むほど影を浮かび上がらせるのに必要なリアリティがどんどん無くなっていくと思った。どちらかといえばくどい役者達も脚本もアクションも、それとはバ>>続きを読む

テッド(2012年製作の映画)

3.0

あんまりノれなかった。オーソドックスなストーリーで、忘れられた者たちの悲しみと、自ら選び取る人生のこと。そういったものよりも所謂、下ネタの刺激の方が強すぎて、それが隠れてしまう。そういうのなんか苦手。

さよならドビュッシー(2013年製作の映画)

3.0

隙間というか、空間のことを思った。広い屋敷の余った隙間。人と人との距離。音符の間。その隙間を悲しみや恐怖や悪意が埋めていて。そこへ音楽が流れ込んで全てを吹き飛ばすカタルシス。

サイド・エフェクト(2013年製作の映画)

3.0

嘘と真実が曖昧になる。ひいては現実の、世界の、境界の曖昧さを思った。背景をぼかしたフォーカスも相まって、こっちの世界までクラクラする。人物に寄り添いすぎず、事象を冷徹に見つめて、映っている何か。

スタードライバー THE MOVIE(2013年製作の映画)

3.0

これはこれでいいんですけどね。映画的な表現を持った映像を集めたら、映画になるわけでもないんだなー。OPが一番あがったわ。奇妙な設定に置き換えても、溢れてくるくらい青春そのもののことだったなー。

ゼロ・ダーク・サーティ(2012年製作の映画)

3.0

うおお。通低するのは諦観なんかよりもずっと重たい絶望感。ノーカタルシス。

マン・オブ・スティール(2013年製作の映画)

3.0

これは僕たちの物語ではない。クラーク・ケントに対して人間が、人間に対して彼が距離を保つこと、詰めることで分かたれるもの、生まれるもの。世界と可能性の象徴。その可能性の帰結が命を奪うことなのだとしたら悲>>続きを読む

共喰い(2013年製作の映画)

3.3

これを表する言葉が僕の中にない。川や水、鰻など性のイメージ。地方の風景が映画の強度を持つこと。クレジットで荒井晴彦の脚本だと知って少し納得した。父、母、息子の3人が同じ画面に映ることがないというのがポ>>続きを読む

小鳥遊六花・改 劇場版 中二病でも恋がしたい!(2013年製作の映画)

3.0

中二病は世界の捉え方の一つ、という解釈。だからこそ現実も想像も世界は細やかなところまで美しく描かれなくてはならない。上から落ちてくる立花を受け止める運動。4回あった。許容することの書き換えの表現。全然>>続きを読む

エージェント・マロリー(2011年製作の映画)

3.0

ソダーバーグのこの乾いてる感じはなんなんだろうか。色温度が低いのか。人間関係のベタつきが一切ないのか。かといって絶望してるわけでもないのか。すれ違っていくのか。マロリーの蹴りが腰の入ってる本気の蹴りで>>続きを読む

凶悪(2013年製作の映画)

3.5

ぐう。恐ろしい。記者が取材対象に同化してしまう話はいくつか見た記憶があるが、見せ方がよいと思いました。ガラス越しの対話の果てに、考え方が反転してしまう。ラストのガラスに写った山田孝之の顔な。

この事
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クロニクル(2012年製作の映画)

3.0

手法としてカメラの存在を意識させてくるので、逆にフィクションであることを強く意識してしまってのれなかった。そこにカメラがある必然性みたいなことをずっと思ってしまった。ただ、親密さみたいなものも濃厚に映>>続きを読む