スギノイチさんの映画レビュー・感想・評価

スギノイチ

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浅草キッド(2021年製作の映画)

3.2

序盤、柳楽優弥の演技が“たけしのモノマネする松村のモノマネ“みたいで笑ってしまったけど、最後にはまんざらでもなくなってくる。
会話相手と目を合わさず一点見つめながら話すのとかめっちゃ似てる。

火口のふたり(2019年製作の映画)

3.0

いかに荒井晴彦が老害しぐさを発揮してるか確認したろーてな下世話な理由で鑑賞。
結構ちゃんとエロかった。俺も老人寄りの感覚になってきたのかもしれない。

思えば昭和のロマンポルノやピンク映画を無数に観た
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寝ても覚めても(2018年製作の映画)

3.5

『時代屋の女房』の男女逆版みたいな話かと思いきや終盤はニューロティックホラーの域に。
東出昌大は好青年役よりこういう人外じみた役だと輝くな。
特に犯罪行為を犯してるわけじゃないのに、倫理や社会規範の全
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ジャッキー・ブラウン(1997年製作の映画)

3.5

特に好きでも嫌いでもなかった映画だったはずだけど、久々に観たらパム・グリアがゼクスプロイテーション時代よりずっと良い女に見えた。
若い頃より色気ではちきれそう。

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.0

インテリ崩れの初老が自己投影してそう、とか思ってしまった。
アート系海外作家が現代のTokyoを撮る…て2000年前後によくあった手法だけど、ヴェンダース御大が撮るとありがたみがおますなあ。
あくまで
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.0

作中のルールとリアリティラインが最後まで掴みきれなかったので、あのミミズとか神猫とかが出てくるたびに我慢タイムとなった。

良かったのは、実写以上に田舎の良さが伝わる映像。
観光映画としてSF要素なし
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

3.1

『ドライブ・マイ・カー』が全然ダメだった俺としては冒頭の延々続く森の画で「うわーやっぱコレ系か〜」などと身構えてしまったが、最終的には悪くなかった。短いし。

あの東京から来た社員の男がいい味出してる
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BAD LANDS バッド・ランズ(2023年製作の映画)

2.8

一時期は毒にも薬にもならない大作を連発してた監督だけど、最近は昔みたいなケレンある映画が多くなってきたな。
でも韓国映画のモノマネ見てるみたい。
全体的にはリアル調なのに、マンガじみたキャラが混在して
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正欲(2023年製作の映画)

3.0

生き辛さ寄り添い映画。
マイノリティとしての疎外感と周囲へ嫌な態度を取ることを混同している、この手の映画によくあるタイプの主人公たち。

性的指向にしろ趣味嗜好にしろ、この主人公たちのように他人と共有
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狂武蔵(2020年製作の映画)

2.5

実験としては面白いと思うし、やってる方はさぞ大変だったろうが、観てる側としてはかなり早めに飽きる。

それに、時代劇の殺陣ってこういうことじゃないだろう。
短尺でへっぴり越しでも、ボロボロになって闘う
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愛にイナズマ(2023年製作の映画)

3.5

前半、この監督お得意の胸糞人間博覧会が始まったので「まーた“生き辛さ映画”かよ」と白けかけたが、それもそこそこ面白く、後半になると主演級かつ芸達者な若手俳優が揃い踏みしてもっと面白かった。

やたら二
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MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

3.5

テレ東の佐久間が褒めてるってことはアレだろ、ダウ90000的なアレだろとか舐めてたけど面白かった。
主演女優の仏頂面OLっぷりが良い。

充電ケーブルで投げ縄とか、ああいうのはいらんかったかな。

帰ってきた女必殺拳(1975年製作の映画)

3.0

失踪した香港娘とは誰ぞと思ったらただの川崎あかねでワロタ。
ストーリーは幼稚極まるが、ちゃんとエログロは差し込まれる東映スタイル。
今回の倉田保昭は美味しい役。

両手足を踏ん張って壁をよじ登る志穂美
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旅するパオジャンフー(1995年製作の映画)

3.0

良質なドキュメンタリーとおもうけど、これだけの力量を持つこの監督には、もう少し正統な劇映画を撮ってて欲しかったと思う。

イン・ザ・ハイツ(2021年製作の映画)

3.3

陽キャなテンション一点張り映画かと思いきや、移民差別に多くの尺が割かれて意外にヘビー。
ただ、それも宝くじの件から尻上がりにハッピーな展開に。
どっちつかずだなと思わなくもないが、”緑のカニ”の正体に
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日本の悪霊(1970年製作の映画)

3.0

ドッペルゲンガーのように似た刑事とヤクザが互いに入れ替わる。
この設定だけならかなりエンタメだが、中身はこれでもかと前衛映画。
そしてスノッブぶってる割にはおっぱいシーンが多い。

若い頃の岡林信康っ
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青春PART II(1979年製作の映画)

2.7

この監督では珍しい非ロマンポルノ。
自転車レースもので結構熱血な話のはずだが、南条弘二が持ち前の辛気臭さを遺憾無く発揮し、よくある鬱屈系ATGに。

師匠を中年になった舟木一夫が演じていて、意外に渋く
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

2.7

よくわかんねーよ。
しかもマザコンでロリコンて、大林宣彦じゃあるまいし…

江戸川乱歩の 陰獣(1977年製作の映画)

3.2

セミが鳴き始めたこのぐらいの季節に再見したい映画。
内容をほぼ忘れてる状態で見始めたが、香山美子の顔見ただけで全部思い出してしまった。
あおい輝彦だの若山富三郎だの引っ張り出して市川金田一を露骨に意識
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痴人の愛(1960年製作の映画)

3.3

増村版の強さはないが、こちらも大映ビジュアルが最も良い時期(1960年前後)が堪能できて良い。
同監督の似たような過去作『牝犬』の重さと見比べても面白い。
船越英二の変態路線(盲獣、蚊喰鳥など)はここ
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愛河(1958年製作の映画)

3.0

『永すぎた春』の語り直しのような作品だが、若尾文子&川口浩のコンビがより息があっているように思えた。
この時期は川口浩の友人Aみたいな役が多い駆け出し時代の田宮二郎だが、今回は色悪を好演。
こういう役
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危険旅行(1959年製作の映画)

3.0

人気女流作家が正体を隠してお忍び旅。
行きずりの男と同行する羽目になるが、実はそいつは記者で…
往年のハリウッドロマコメを踏襲したような筋だが、話運びはまったり。
夏の旅行気分には良い。
線路を歩く二
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わが恋の旅路(1961年製作の映画)

3.0

記憶喪失ネタってベタ中のベタだけど、昔の日本映画ではあるようであんまないな。
この時期は怪しい男ばかり演じてた川津祐介だけど、今回は記憶喪失になった恋人のために奔走する青年役。
ただ、岩下志麻の記憶に
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フレンジー(1972年製作の映画)

3.2

そうか、この年にはもうニューシネマも『時計じかけのオレンジ』もあって映画のコードは大幅に更新され、アルジェントもデパルマも頭角を現し始めてる時期。
ヒッチコック映画もこういう直接的なエログロを取り入れ
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怪物(2023年製作の映画)

3.7

今さら羅生門方式…しかも安藤サクラや瑛太がこれでもかと「家父長制」「男らしさ」の権化でございみたいな言動を振りまいたり、クラスの女子だけがイジメに加担しない等、いかにもテーマ先行リベラル映画の不自然さ>>続きを読む

そろばんずく(1986年製作の映画)

2.3

泉じゅんと沢田和美の名前があったので「お、『愛獣』の共演じゃん」とテンションあがるも、どっちもカメオ出演程度だった。

とんねるず全盛期もバブルも体感してない俺としては全く感覚の違う馬鹿騒ぎを見ている
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沙耶のいる透視図(1986年製作の映画)

2.8

なんだか観念的な会話が上滑りしていて、石井隆モノの中ではハズレの部類。
土屋昌巳がデヴィット・ボウイ意識してるのも丸出しで気恥ずかしい。
近親相姦ママに加賀まりこ起用は少し驚きだが、考えてみれば80年
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百恵の唇 愛獣(1981年製作の映画)

3.0

『レイプ・ショット 百恵の唇』同様、百恵ちゃんとはなんの関係もないが、”百恵の唇”とは要するに芸能界の暗部を表すスラングなんだろう。
「レコード大賞は3ヶ月前から決まってる」なんて番組名を名指した台詞
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愛獣 熱く凌す(1984年製作の映画)

2.9

輪姦され自殺した母親、自身も輪姦された姉、レイプにより生まれた妹。
えらい受難な設定だが、お話自体は姉が疾走した妹を探すというよくあるもの。
黒人専用娼婦になってるかと思われた妹がそれなりに幸せそうで
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愛獣 猟る!(1983年製作の映画)

2.5

加藤彰&泉じゅんのコンビから上垣保朗&沢田和美に切り替わったこの『愛獣』シリーズ。
ここにノワール要素は皆無。単なる黒人フェチの現代版パンパンみたいな少女たちの話になってて、あっけらかんとしている。
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愛獣 赤い唇(1981年製作の映画)

3.5

元コールガールの泉じゅんが5年ぶりに出所。
当初は出迎えてくれた周囲も、やがてイザコザが起き出し…
女侠客ものや”東映ピンキーバイオレンス”というより、遡って鶴田浩二の任侠映画に近い導入。

ヤクザの
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(1976年製作の映画)

3.7

当時流行の家系ホラーの中では出色。
不気味な屋敷に住み着いた父親が子供に殺意を向けるようになるってのは『シャイニング』の雛形っぽいが、あちらと違い残りの家族全員おかしくなるので手がつけられず。
しかも
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ガンファイターの最後(1969年製作の映画)

3.3

『追跡者』や『許されざる者』など暴力保安官を扱った西部劇はいくつかあるが、いずれも敵役だった。
本作のように、主人公がそれというのは初めて見る。

60年代末に作られただけありカタルシスは皆無。
終始
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荒野のガンマン/致命的な仲間(1961年製作の映画)

3.2

首吊り損ないの中年ガンマン、頭には皮を剥がされかけた痕。
こんなのをデビュー作の主人公に選ぶところがペキンパーらしい。

荒くれた世界観の中で、往年の名女優モーリン・オハラは終始強姦まがいの扱いばかり
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青い珊瑚礁(1980年製作の映画)

3.2

無人島に流された幼いイトコ同士が成長し、やがて子供を作るまで…
この監督の中では今のところ唯一面白い。
内容は『流されて…』だとか『ひきしお』の数番煎じだし、ブルック・シールズが可愛いだけとの向きもあ
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殺意の夏(1983年製作の映画)

3.6

かつて母親を輪姦した鬼畜たち。
その一人の息子に嫁入りし、内部から郎党もろとも復讐せんとするイザベル・アジャーニ。
イザベル側も夫側も双方のモノローグが流れっぱなしなので「駆け引きもクソもないじゃん」
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