takkmasさんの映画レビュー・感想・評価

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異人たち(2023年製作の映画)

3.3

心の柔らかい部分をそのまま受け入れる器は他人の中には存在していない。お互いの手ですくい上げる歩み寄りがあるだけ。

悪は存在しない(2023年製作の映画)

3.1

無理矢理解釈しようとするならば、バランスを押し付けてくるエゴだった。忘れたかのように見える感情の点と点、外から覗いても揺蕩うものは薄氷に覆われている。

アイアンクロー(2023年製作の映画)

4.3

対価としてしか与えられない愛。息苦しい輪の中で酸素不足になっていく。家父長制が助長した社会の中で逃げ場を見出せなくなる。

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.2

演出の音と緊迫する頭の中。精神性に対して過分な力だと改めて感じる。抑止力では収まらない。アンサーは出さないといけない。

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.6

伝承に縋るほどの苛酷さは何によって齎されるのだろうか。背負う側の重圧も想像できない。

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

4.7

同じ土俵で闘ってもらえない世界にはセーフティゾーンは存在しない。価値観が違う民族や団体、もしかしたら家族までもが領域侵犯してくる。護るのが困難な状況に立たされるかもしれない。理解してほしい多くにはきっ>>続きを読む

ナイブズ・アウト:グラス・オニオン(2022年製作の映画)

3.2

近く人の心はガラスのように見透せてると思っても、皮をめくった先のコアは本人も思ってもない色かもしれない。

ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

3.0

スクリーンの内側も外側も皆が徐々に慣れていく。他人の領域に侵入してからが腐りの始まり。

笑いのカイブツ(2023年製作の映画)

3.8

理想とする世界に自身の脚で立とうにも、社会にはそんな世界は存在すらしていない。地獄。カルトヒーローに到るには何が欠落してる。

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.1

老い先短き人が生を啜るのとは違う。脅威に挑み未来を作り次に託すために生に縋る。
見て何も感じずにぶら下がる人生なら、恥ずかしくて続けられない。そんな人はこの国にはもういない。

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

3.4

Kid Aが無垢かどうかもわからない。正義は立場によって色を変え、事実は誰にも見つけられない。心が変わらなければ何も解決しない。そしてしていない。それぞれの境界線はとても曖昧だ。Everything >>続きを読む

ロスト・キング 500年越しの運命(2022年製作の映画)

3.2

権威を持つ者の責任は大きい。欲に惑わされず正当に物事を評価しなければならない。
他人の名声で着飾り嘘で化粧をしたあなたはとても醜い。着実に人のためとなる一歩を刻む貴方こそが美しい。

Pearl パール(2022年製作の映画)

3.6

欠落しているのは何か、見つけられないまま豚は腐っていく。SNSで羨望が加速させられた現代の人々はそれを持っているのだろうか。今までで最も印象的なエンドロール。

X エックス(2022年製作の映画)

3.3

最初のアスペクト比が印象的。芸術性の要否には赤いライトでこたえる。乾いた手で渇きをみたす想いは誰しもに平等に訪れる。

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.7

絶対的な存在が完璧な均衡を作り出しているわけではない。罪なき無垢な人間などいないのだから世界を作れるなどと驕ってはいけない。日々の決断と抱えられる大切なもので身体を満たせば良い。籠は壊して解放し、砦は>>続きを読む

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

3.5

知的好奇心をくすぐられた時のワクワクは記憶に深く刻まれる。そのときの前のめり感には抗うことはできない。凪との両獲りができたら幸せな人生。

ライダーズ・オブ・ジャスティス(2020年製作の映画)

3.6

疑問を投げかける。魅惑的なストーリーに、先進技術に、ホモソーシャルに。自分が今踏みしめた一歩に先人の息づかいを感じるか。何かのせいにしたい正義。

怪物(2023年製作の映画)

4.6

人間はどこまで行っても殆どが未熟だ。受け止めるだけの器を形成できない。ただ向き合い、尊重するだけで良いのに。遺伝子に組み込まれない限り永遠に繰り返す。次の世代に期待しようとも改良なされない。

犬王(2021年製作の映画)

3.5

異形で片付けると存在を認められず評価の土俵にもあげないことになる。生まれながらの腕の長さはギフトだ。異形ではなく異能もしくは才能の括りはどこからだろう。科属種さえ同じなら他は才能としたい。我らはここに>>続きを読む

アナザーラウンド(2020年製作の映画)

3.4

人間の血中アルコール濃度は0.05%に保たれているのが理想。踊るように自分を指揮する。気にしないくらいがちょうど良い、嫌われる勇気。
逃げ道の先は酒ではなくて仲間が良い。

TAR/ター(2022年製作の映画)

3.2

創り上げられる作品に罪は無い。
とはいえ人格がチラつくと台無しにはなる。キャンセルカルチャーを食らわないためには下げたポジショニングとするか、人格で売らないか。ただし人を蔑ろにすることだけは絶対にして
>>続きを読む

ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

3.5

少しズレた場所は心地良く響くかもしれない。全ては幻想だとしても自分の中心には大事なものを抱えておきたい。

フィールド・オブ・ドリームス(1989年製作の映画)

3.4

熱量は内側から沸き上がる。小さな声にも耳を傾けよう。他人を突き動かすものは熱い想い。

生きる LIVING(2022年製作の映画)

3.7

規律の中で無機質に佇みながらも他人をよく見て未来を適切に紡いでいく。内側には無かった火を、熱量を、焚べられてやっと進み出す。自分が満足なら軌跡は残らなくても良い。

いつかの君にもわかること(2020年製作の映画)

3.6

進む時間、窓の中、他人の方針と息子の表現。正解など見えてこない決断を迫られる。どの選択も間違いでは無いと思いたい。あなたの愛さえ伝われば。

エクス・マキナ(2015年製作の映画)

3.5

それぞれが引いたラインを半歩ずつ塗り替えていく。AIと人間の境界線はどこ、どこからが外に繋がるんだろうか。自分のその欲は何から生まれている。

街の灯(1931年製作の映画)

4.5

僕の心は汚れてしまった。かなぐり捨ててこんなに真っ直ぐに進むことができるのか。教科書なく人にどう見えるかをここまで昇華するのか。たくさんの笑いと温かい涙で溢れる。

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.5

どんな可能性も存在する、夢想するのは自由だ、ただ輝かしい時が刹那しか訪れなくとも大切にしたいのは今この瞬間。天馬行空であったのはメタにいる作り手で、中の人はベーグルより優しく必死に生きていた。

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.3

命を燃やして生きているか。毎日を走り抜けているか。突きつけられ辛い思いをすることもあれば背中を押されることもある。
美しすぎて泥臭さが足りない気もする。でもどちらも凄く青く燃えている。

RRR(2022年製作の映画)

3.9

漢にツッコミなんて野暮だ。火と上半身、水と下半身が共に躍動し、誇りを取り戻す。お前が護りたいものは何だ。

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.0

完璧な五分なんて存在しない。あなたにとっては突然だから理不尽に感じる。争いの根底にあるものは消えていかない。どこかで誰かが折り合いをつけている。

LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.9

欠けた箇所は奪って埋めようとも埋まらない、新たな欠けた球体を産むだけだから。他者を軽んじるエゴを顧みなければならない。1/2ではなく3/4でも感情は宿る、それすらも偏見で見下した考え方だ。

アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

3.5

身体と心の結びつき、生物学的な絆と過ごした時間、見た目の違いか志の違いか。重心をどこに置くかで寄り添う人々が変わってくる。逃げずに、その居場所で何と戦うのか。

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

4.6

美しい湿地と無垢に見える人柄が重なる。ただし深淵は光が届かず、内包する何かを全て見透かすことはできない。自然に善悪は無い。

MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

3.3

単為生殖する嫌悪感。進撃する男性の有害さ。恐れはここまで大きいものなのだと、自覚しない者の網膜に焼き付けるべき作品。

レディ・バード(2017年製作の映画)

3.6

注意を払い、寛容に受け止めることを愛として示す。
世界の全てだと思い込んでいた小さな社会。旅立ってから輝き出す馴染みある景色。

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