印象は一作目と変わらないばかりか陵駕する勢い。
名匠ドゥニ・ヴィルヌーヴ作品にハズレなしということを再確認できた作品だ。
衝撃作「灼熱の魂」(2010年)以来、彼の作品はいずれも期待を大きく上回る>>続きを読む
ヴィム・ヴェンダースの作品を劇場で観るのは「リスボン物語」(‘94)以来、実に約30年ぶりだ。
あいかわらず、描かれる登場人物たちには彼の温かい眼差しが感じられる。
大きなドラマチックな展開はない>>続きを読む
終始、画面を彩る色彩は抑制的。ナポレオンの人物造形には過剰な演出が感じられず、ホアキンの存在感と演技によって、彼こそがナポレオンと思わせる納得感がある。
リドリー作品だけあって戦闘を描写する、そのス>>続きを読む
舞台を太平洋戦争末期から終戦直後に設定した着想は見事。
どうしても「シン・ゴジラ」と比較される運命にあるが、この設定によって庵野版とは全く異なる山崎版としての新基軸を打ち出している。
GHQ本部が>>続きを読む
AI(アンドロイド) と人類との葛藤、それを通して人間とは一体何者なのか、を描く本作。
テーマとしては決して新しいものではなく、これまでも数多くの作品でも語られたテーマだ。
人類とAI、双方の関係>>続きを読む
ついにシリーズ完結。
ハッキリ言えばまさにマンガなのだが、いわゆるB級作品には終わらないのはキアヌの存在による。
もう笑ってしまうくらいの殺戮シーンの連続にも関わらず、単調には感じさせない斬新なア>>続きを読む
「空母いぶき」(2019)が期待はずれだったことで本作にはそれほど期待せずに鑑賞したが、杞憂に終わったと言っていいかも。
VFXには見劣りするシーンはほぼなく、その意味で相応の見応えはあり。
主演>>続きを読む
前2作と比べても悪役たちの殺され方が更に痛々しいのは確か。
世界的に人気の観光地であるアマルフィ海岸の美しい情景を背後に、血吹雪が飛び散る残酷さはより際立ち、印象的。
悪党による悪行が卑劣なほど、>>続きを読む
シャマランの前作「オールド」には明確なメッセージが感じられたのだが、その点、本作はかなり薄く、期待していた驚きもなかった。
物語はまさに「トロッコ問題」そのものであり、世界の滅亡はない以上(あえて描>>続きを読む
本作も庵野監督らしさがキャストや演出に溢れている。
子供のころにテレビやショーで見てきて、数十年経って映画館で「再会」しても十分に大人の鑑賞に堪えうる作品だ。
子供であればなぜ昆虫型の仮面を被った>>続きを読む
一瞬のスキなく、すべてを見落とさないようにと思っても初見ではそもそも無理だ。でもこの激しい展開に身を任せてしまった方がいい。
最近はやりのマルチバースものなのだが、過去の同種の作品と比べても明らかに>>続きを読む
人ではない。これは超人たちの物語。まさにアベンジャーズに匹敵するスーパーマン2人の友情と対決、そして恋愛、さらに善と悪、とにかく、すべてがブチ込まれたエンタメムービーだ。
あまりのご都合主義にもかか>>続きを読む
セリフは最低限で、BGMすら限りなく抑制的。効果音を使って恐怖を引き起こそうとする他のホラーやスリラーとは対極的で余計なものが極限まで削ぎ落とされた作品だ。
ギリシャ神話をモチーフにしたかのような本>>続きを読む
カラフルでサイケデリック。
古風とサブカルが同居したかのような、なんちゃって日本を舞台に殺し屋たちが入り乱れ、駆け引きを繰り広げる。まるでテーマパークのような作品。
ただ、キャラの相関関係が2時間>>続きを読む
荒唐無稽で奇想天外。
と言ってしまえばそれまでなのだが、冒頭のチンパンジー登場から、まるで西部劇かのようなラストシーンまで破綻がない。
しかもそれだけではなく目が離せない展開が続き、まんまと罠にで>>続きを読む
ひとことで言えばアメコミ・ヒーロー・ムービーのパロディ。
終始一貫して、くだらないギャグや、下ネタなど品のないドタバタコメディに仕上がっている。
ここまで徹底的に吹っ切れていると気持ちいいくらいで>>続きを読む
007、ミッション•インポッシブル、ボーンシリーズなど、言わずと知れたスパイアクション大作。本作はそれらをも凌ぐ程の重量感。
主演のライアン、刺客を演じるクリス・エヴァンス(であることに気づかない怪>>続きを読む
斡旋される赤子を中心として、次第に赤子の母、ブローカーらに少しずつ、そして期せずしてまるで擬似家族のような関係性が生まれてくる。
その関係性のわずかな、だが確実な変化を静かであたたかい眼差しで登場人>>続きを読む
スランプに陥った学者崩れのロマンス小説家がまるで自らが描く作品よろしく冒険の旅に巻き込まれるコメディなのだが、展開は予定調和で驚きは感じられない。
繰り広げられるギャグは思ったよりも数は少なく、破壊>>続きを読む
ロシアの反体制活動家を追ったドキュメンタリー作品なのだが、予想を超える展開に圧倒される。
ナワリヌイ本人と調査集団べリングキャットが暗殺未遂事件の真相に迫る過程は生半可なスパイ映画など寄せ付けず、鳥>>続きを読む
文字通り、手に汗握るシーンが続き疲れてしまうほどのド迫力。
懐かしいアイスマン演じるヴァルやヒロインにジェニファー・コネリーを登場させるなど前作を当時見た世代にはうれしいところ。
ただ、冷静になっ>>続きを読む
冒頭から数々の「禍威獣」を矢継ぎ早に繰り出す、怒涛の展開で一気呵成に庵野ワールドに飲み込まれる。
「シン・ゴジラ」と同様、お子様向けのオリジナルに徹底してリアリティを加え、大人の鑑賞に耐え得る娯楽S>>続きを読む
世界(ヨーロッパ限定)の危機を回避するために活躍するボディガード、殺し屋、そしてその妻。
ロケーション、俳優陣、アクション、いずれを取ってもスケール感は申し分ない。
その豪華さを承知の上で、思いっ>>続きを読む
ダークでありながら耽美な世界観の中で一人の男の成功と転落を描く。
ギレルモ・デル・トロの前作「シェイプ・オブ・ウォーター」の様な異形のモンスターは登場はしない。
本作ではちっぽけな人間が欲望に抗え>>続きを読む
ベネディクト・カンバーバッチ演じるフィルを軸に彼と弟、弟の妻、そして妻の連れ子との緊張感ある関係性。
それが閉鎖的な空間で同性愛やアルコール依存などといったテーマと共に描かれ、いつか破滅的な破綻を迎>>続きを読む
モノクロで監督の幼少期を少年の眼を通して描いた作品という成り立ちからアルフォンソ・キュアロンの「ROMA/ローマ」(2018)のような作品かと考えていた。
ただ、それとはテイストがかなり異なる。北ア>>続きを読む
暗殺者が無双の活躍を繰り広げる作品は数多いが、女殺し屋が一人ならず、これだけ束になって男どもをなぎ倒す様はとにかく痛快のひと言。
アメコミをそのまま実写化したかの様なカラフルでポップな舞台や衣装は見>>続きを読む
ノーランによるダークナイト・トリロジーに続くリブート作品だが、本作はトリロジーより更にリアリティを追求した演出に見える。
かつてのスーパーヒーロームービーの色彩はより薄まり、まるで濃密なサスペンス・>>続きを読む
名探偵、密室空間、三角関係がもつれる男女、次々起こる殺人事件。
まったくもって新鮮味はないのだが、そこを魅せるか否かは監督ら製作陣の腕前次第。
高慢で頭脳明晰、しかも容赦なく誰彼構わぬ強い口調で揺>>続きを読む
対話によって登場人物たちそれぞれが求めている“答え”が期せずして明らかにされていく。
相手に向かって語りかけたつもりの言葉は、逆に自分に突きつけられ、皮肉にも自身の心の中をえぐる役割を果たしてしまう>>続きを読む
面食らった。松竹と東映合作のVFXを駆使したSF大作かと思っていたのだが、どうやらコメディの様だった。
“様だった"というのは本作がシリアスなディザースタームービーとコミカルなギャグがごった煮された>>続きを読む
作品を観終わった時、思い出したのが「陽のあたる教室」(1995 アメリカ)と「リトル・ダンサー」(2000 イギリス)の2作品だ。
歌、作曲、バレエと扱うテーマは違えども、いずれも家族との葛藤に悩み>>続きを読む
本作を観てまず感じることは20年程前の3作品がいかに先進的で、エポックメイキングな映像作品だったか、ということだ。
過去作に比べると本作には驚きは少なく、ともすればやや物足りなさを感じてしまうかも。>>続きを読む
アメリカ映画としては特異な作品。キャストは全員、イラクもしくはアラブ世界にルーツを持ち、全編アラビア語で撮影。これまで同種の作品ではアメリカ人の目から見た中東でしかなかったが、本作はそれとは明確に一線>>続きを読む
ドゥニ・ヴィルヌーヴ作品にハズレなし。
10年前に観た衝撃作「灼熱の魂」に始まり、エミリー・ブラント主演でメキシコ麻薬戦争を描いた「ボーダーライン」、SF大作「メッセージ」「ブレードランナー2049>>続きを読む
ついにダニエル・クレイグのボンドも本作が見納めに。彼がボンド役になると決まった当初には相応しくないとの様々なクレームが渦巻いていたのも懐かしい。
善悪が区別しにくい混沌とした現実社会の中でボンドのよ>>続きを読む