トノモトショウさんの映画レビュー・感想・評価

トノモトショウ

トノモトショウ

日本の夜と霧(1960年製作の映画)

3.0

1カットの長回しによる舞台芸術的な緊張感は、60年安保闘争後の虚無感を露わにしていき、それがこの時代の総括として機能している。作品内で描かれる分裂が、そのまま10年後の結末を予見しているようで、大島の>>続きを読む

活きる(1994年製作の映画)

3.0

まさに時代に翻弄されるとはこのことで、国共内戦や文化大革命といった歴史背景がもたらす「うねり」に一家族は飲み込まれ、いくつかの悲劇を乗り越えて、それでも生きていく様を庶民の視線で温かく描いている。しか>>続きを読む

幸福(しあわせ)(1964年製作の映画)

3.0

坦々と幸福な一家庭を描く作品なのかと思いきや、二人の女を愛した男の身勝手な幸福をテーマにした胸糞映画であることが徐々にわかってくる。衝撃的な事件が起こるが、幸福の分量はラストまであまり変わらず、そこに>>続きを読む

ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

3.0

ストーリーはエクソシストものとしては平凡ではあるが、ラッセル・クロウならどんな悪魔でもパワーで捩じ伏せそうな気がするし、実在の人物がモデルであることも加えるならホラーの文脈以上に差し迫った現実味を感じ>>続きを読む

ターミネーター ニュー・フェイト(2019年製作の映画)

2.0

リンダ・ハミルトンの再登場は恐ろしく格好良いが、シュワちゃんのキャラクターが物語の根幹を揺るがすほどの立ち位置であるため、以降の展開にまったく身が入らなかった。マッケンジー・デイヴィスの美しいアクショ>>続きを読む

ターミネーター:新起動/ジェニシス(2015年製作の映画)

2.0

1作目のリメイクかと思いきや、自分の知ってる過去ではないタイム・パラドックスが発生したリブート作品であることがわかる序盤はドキドキした。しかし物語においては禁じ手のような敵役や、並行世界の概念の不備な>>続きを読む

ターミネーター4(2009年製作の映画)

3.0

SF味が強まり過ぎて、本来の『ターミネーター』色が薄くなってはいるが、設定は忠実なままハードな路線への転換が悪いとは思わないし、クリスチャン・ベールとの相性も良い。バイク型・魚型・トランスフォーマー型>>続きを読む

ターミネーター3(2003年製作の映画)

2.0

破茶滅茶なカーチェイスや、女ターミネーターの造形など、面白い部分もあるのだが、やはり蛇足的な物語に思えてしまう。SF設定に矛盾が生じ始めているが、それを押し切るほどの説得力もなく、ラストも納得がいかな>>続きを読む

ターミネーター2(1991年製作の映画)

3.0

前作では脅威でしかなかったターミネーターが今作では味方として登場する。やはりシュワちゃんはヒーローの方がよく似合う。新たな敵役として現れるのが液体金属のサイボーグというアイデアと、それをちゃんとヴィジ>>続きを読む

ターミネーター(1984年製作の映画)

3.0

シュワちゃんの鍛え上げられた肉体と、無表情で銃をぶっ放す非人間感が、ターミネーターというSFキャラクターに説得力を与えている。終盤のデザインも格好良い。アクションはやや粗雑さがあり、あまり迫力がないの>>続きを読む

逆噴射家族(1984年製作の映画)

3.0

テンポ感のある撮影・編集が、狂気を発露していく家庭の様子を軽快に描いている。荒唐無稽な話ではあるのだが、より良い家族の形を追い求める父親像自体はリアルで、それが極端な形で逆噴射する可能性は誰にだってあ>>続きを読む

さよなら、人類(2014年製作の映画)

1.0

やりたいことは分からなくもないが、じゃあ映画としてそれに見合った物語なのかというと、なかなか評価が難しい。詩人が書いた小説や画家が描いたコミックのような、上手いのかもしれないが面白くない、まったく焦点>>続きを読む

ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

3.0

楽曲の素晴らしさは言うまでもないとして、原作に基づいたキャストや、そのテーマ性などは61年版より色濃く表れている。ダンスのキレも良く、ミュージカルとしての楽しさは充分にあるが、主役2人があまり魅力的に>>続きを読む

午後の遺言状(1995年製作の映画)

3.0

老いや死を描く上で、杉村春子を主演に据え、正面ショットや独特な台詞回しで、どうしても小津風に偏った演出を感じる。老人達の会話にはコミカルさと共に悲哀も同時に滲み出ていて、これぞ長く生きる者だからこそ表>>続きを読む

ホーム・アローン2(1992年製作の映画)

3.0

シチュエーション勝負の作品の続編でありながら、アイデア溢れる脚本によって、無理なく似たような状況を作り上げた手腕に拍手を送りたい。相変わらず泥棒たちがタフ過ぎるのも面白く、思いもよらない仕掛けの数々に>>続きを読む

ホーム・アローン(1990年製作の映画)

4.0

マコーレーの可愛らしさと、知恵を絞って大人に立ち向かうギミックが素晴らしい。物語構成も巧みで、クリスマスらしいハートフルなものを付加させることも忘れていない。頭を焼かれるジョー・ペシのコメディアンっぷ>>続きを読む

バンデットQ(1981年製作の映画)

1.0

小人と少年による時間旅行はファンタジーらしさもあるが悪趣味でもある。色々と趣向は凝らしているものの、脈略のない物語になかなか入り込めなかった。クセの強い演出ばかりで面白味がなく、衝撃のラストにも意味を>>続きを読む

マジカル・ガール(2014年製作の映画)

3.0

悲劇の始まりとなるのが日本の魔法少女アニメで、ラストでそれが皮肉的に帰結するまで、ひたすら鬱展開を見せていく。物語にパワーがあるのだから、もうちょっとシンプルな作劇で押し切っても良かったと思うが、その>>続きを読む

メイド・イン・USA(1967年製作の映画)

2.0

案の定、観念的な台詞回しで難解さはあるが、ハードボイルドな物語として一本の筋道を示しているし、彼の主張ともリンクした構成がある。色彩やサウンドは挑戦的で、アメリカ映画へのパロディとしての皮肉さはあるも>>続きを読む

PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR(2020年製作の映画)

2.0

3期からのテコ入れで加わった新キャラに思い入れもなく、物語に没入するほどの魅力もない。シラットやパルクールを活かしたアクション描写には胸躍るが、複雑になり過ぎたシステム設定よりもそちらの方が楽しめるよ>>続きを読む

ランブルフィッシュ(1983年製作の映画)

3.0

青春真っ只中のディロンと、青春を過ぎたロークの対比を、独特なテンポとモノクロの撮影で懐古的に描いている。いわばシニカルに人生を達観するホッパーの視線だろう。とにかく全員クールで、その姿が堕落であろうと>>続きを読む

トレーニング デイ(2001年製作の映画)

2.0

知的なイメージのデンゼルだが、序盤から悪辣さの溢れた演技を見せつけられ、その徹底した悪役ぶりが素晴らしい。バディ刑事モノとして新しい切り口はあるが、正義と悪を対比させるにしては、わかりきったストーリー>>続きを読む

死刑にいたる病(2022年製作の映画)

2.0

阿部サダヲの怪演は素晴らしいが、主人公の終始ボソボソと囁くような下手糞な演技にイラつかされた。ディテールが雑過ぎてコントのように見える瞬間がいくつもあって、せっかくの猟奇的な事件に説得力を持ち得ない。

籠の中の乙女(2009年製作の映画)

3.0

よくもまあ、こんなにも気色の悪い物語を思い付くものだと関心してしまう。いわゆる「躾」というものを先鋭的に描く上で、ルール設定の奇抜さと断片的なショットのセンスは随一。ブラックコメディとして捉えるにはあ>>続きを読む

ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

3.0

割とダラダラと物語が進んでいき、ブランシェット登場のあたりで少し盛り上がりはあるものの、全体的に面白味に欠ける展開。ラストでようやくクーパーの演技力もあって急激に温度が上がっていくが、テーマとなるもの>>続きを読む

記憶にございません!(2019年製作の映画)

3.0

くだらないアイデアではあるのだが、これが諷刺として成り立つ現状の日本の政治体制こそコメディなのかもしれない。三谷らしいギャグが散りばめられてはいるが、脚本の精緻さはあまり感じられず、無意味なキャラ設定>>続きを読む

テオレマ(1968年製作の映画)

3.0

極端に寓話的な物語だが、単にブルジョワジー批判と捉えるよりは、どちらかというと欲望を解放した末に訪れる虚無感を描いているように思える。そういう意味では、訪問者である男は神や悪魔という宗教的な存在なので>>続きを読む

Summer of 85(2020年製作の映画)

2.0

青春時代における恋と死の鮮烈さを、ボーイズ・ラブな関係性によって瑞々しくも痛々しい物語として描いたオゾンの感性は認めるが、どこかチャンネルが合わなかったのか、グッとくるものがあまりなかった。墓の上で踊>>続きを読む

白い巨塔(1966年製作の映画)

3.0

登場人物が多く、それぞれの思惑が複雑に絡まって物語が進むが、俳優陣の印象深い演技によって難解さを感じないまま面白く観られる。実際の開腹手術を使用したシーンはモノクロの映像でマイルドにされているが、そん>>続きを読む

ダイ・ハード/ラスト・デイ(2012年製作の映画)

3.0

なんでも一人でこなすマクレーンが、唯一息子だけは対等に背中を預けているのが、なかなか熱い。なぜかロシアを舞台にした変テコな物語だが、派手なアクションは充分楽しめるものになっている。

ダイ・ハード4.0(2007年製作の映画)

3.0

アメリカ全土を巻き込むサイバーテロに対して、身体のタフさだけで相手を追い込むアナクロ刑事の代表的存在のマクレーンを配置したのが面白い。パルクール的アクションも今ドキ感があり、それを知恵と暴力で何とかし>>続きを読む

ダイ・ハード3(1995年製作の映画)

3.0

テロリストに振り回される刑事役にマクレーンというキャラクターは最適で、今作で相棒となるサミュエルの名演技も合わせて、コミカルかつバイオレンスな物語を楽しめる。犯人側のなぞなぞのしょうもなさや、大胆な作>>続きを読む

ダイ・ハード2(1990年製作の映画)

3.0

前作よりスケールが大きくなり、迫力のある爆破シーンなどには爽快感があるが、荒唐無稽な設定も多く現実味がない。また、マクレーン刑事の孤軍奮闘では解決し得ない規模の事件ゆえに、本来の醍醐味が失われているの>>続きを読む

ダイ・ハード(1988年製作の映画)

3.0

ハリウッド的アクションのド派手さもありながら、各キャラクターの造形や、細かく伏線を張った脚本の巧さがあって、物語そのものの面白さが単なるエンタメの枠組を超えて人々に愛される所以だろう。

狼/男たちの挽歌・最終章(1989年製作の映画)

4.0

ブロマンス的な男同士の友情物語に、これぞガン・アクションの最適解とも言えるジョン・ウーの演出が映える。シンメトリーな構図で銃を向き合わせる姿のタフさ、それに対比するかのように鳩が象徴する悲哀も滲み出て>>続きを読む

緑の光線(1986年製作の映画)

2.0

孤独は嫌だけど、周りと歩調を合わせないせいで、より孤独に打ちひしがれる女がとにかく面倒臭く、何一つ共感性を持ち得なかった。しかし「緑の光線」という自然現象が彼女にわずかな希望を与えるまでの展開は洒落て>>続きを読む

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