落ちるとこまで落ちたけど、落ちた世界でも逞しく生きてる姿になんかほっとしたというか。まあまあ強烈。
沙希がいい子すぎて自分が卑しく汚く見えて腹立つっていう気持ち、分かる。お互いの不器用さが苦しかった。
自分の利益しか考えない打算的な人ばかり登場するのに、なぜか誰も恨めないし。少し棘の残る感じがするけどそれも含めて心地が良くて好き。
鬱々しくてまるで救いがない、それでいて痛いほど現実的で。やるせなさしか残らないけどそれが良い、書籍とはまた違った良さ。
軽々と躊躇うことなく一線を超えていくから妙な清々しさまで感じた。お金で埋められる感情なんてたかが知れてるんだなと。
いつか終わりが来ることなんて分かってたはずなのに、つい感情移入してしまって苦しくなった。心地の良い絶望だった。