あゆたさんの映画レビュー・感想・評価

あゆた

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生き残るヤツ(1971年製作の映画)

4.0

ドラッグの売人が、周りに流されてのらりくらりしているだけで、追い込まれていく話。

自動車のシーンが全て良い。黄色い車の立駐でのカーチェイスがあまりにも簡潔で、それでいてかっこよかった。

中身がから
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白鍵と黒鍵の間に(2023年製作の映画)

4.0

南博のエッセイをもとにした、池松壮亮が、同じジャズピアニストの違う時代を一晩の物語の中に一人二役で演じるシュールな青春劇。

予告編から受けるジャズでっせー昭和でっせー感からは、だいぶ違った。リアリズ
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Pearl パール(2022年製作の映画)

4.0

前作で大活躍のサイコキラー=パールの若き日を描く。ホラー映画のクリシェを使いながら、若さへの渇望を気持ち悪く描いた前作に続いて、トンマナをがらっとカラフルに総天然色!て感じに変えながら、スペイン風邪の>>続きを読む

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

インディーとその友人の娘である豪傑な盗人がヨーロッパの冒険に出る。

CGによる若返ったインディーによる冒頭20分は、アイデアに満ちた楽しさとあまりに多い繰り返しにぼんやりする反復横跳び。

フィービ
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

4.0

スーパーマリオブラザーズという名の通り、マリオ兄弟が皆が知っている兄弟になるまでのオリジンもの。

マリオのアクションは移動は自由だが肉体は弱く、アイテムやルールの裏をかくなど、同じことを繰り返す中で
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スペンサー ダイアナの決意(2021年製作の映画)

4.0

ダイアナ妃が王室の伝統的なクリスマスの三日間を過ごす。

予告編も見ていなかったので、こういう内容なの?!と驚きながら、観る。

「燃ゆる女の肖像」の撮影監督・クレアマトンによるクリステンスチュワート
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.0

死んでも成功してやる、てアツさ。
とにかく必死。

台風の中の見えるか見えないか、のぎりぎりな映像含め、
IMAXフィルム撮影のナチュラルな広い空間に対するぎちぎちな後処理がめっちゃ気合入ってるので、
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Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

4.0

ベターコールソウルも終わり、ボブオデンカーク主演作ということで観る。
悔しさと沸点の軽さを眉間の寄せ方と口のひしゃげ方で演じるところを、こちらでも見れて嬉しい。

めちゃくちゃ短くて面白かった。

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ブラック・フォン(2022年製作の映画)

4.0

スコットデリクソンがドクターストレンジ2をやめて、撮ったホラー映画。
本作で監督のことを好きになった。
驚くほどウェルメイド。
主人公たちの説明を淡々と伝えるオープニングがわかりやすく、つらく、物語を
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ティーンスピリット(2018年製作の映画)

4.0

オーディション番組でアイドルを目指すエルファニング。詳しくないけれどリアリティーショーや若者の鬱といった複雑系の現実を思うと、少々しんぱいになるほどにあらゆるツイストを排したプロットはエルファニングを>>続きを読む

マッド・ガンズ(2014年製作の映画)

4.0

水不足が深刻な近未来を彷徨うニコラスホルトのおかげでFURY ROADがちらつき、邦題は『マッドガンズ』となった。情報公開時点では違う邦題がついていた気がするけれど思い出せない。

プロダクションデザ
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SOMEWHERE(2010年製作の映画)

4.0

『オンザロック』を観ていない今、ソフィアコッポラの中で一番好き。

親子の視線のずれと遠さを埋めるエルファニングのスケート。

テンポも何もない編集や無駄に情緒的なカメラワークが、外の世界が広がっても
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幸福なラザロ(2018年製作の映画)

4.0

いつの時代かわからないイタリアの田舎のタバコ農園でのわちゃわちゃを観ていると、シュールな展開でドキドキし始め、ショックと切なさで胸いっぱいになってしまう。
純粋無垢なラザロの優しさ、光を目一杯に取り込
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1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

4.0

1917年の西部戦線を舞台にしているが、ストーリーはあってないようなもの。最初の10分でゲームのつまらないムービーを見せられている気分になる展開(と音!)。けれども、長回しというだけで興奮してしまう性>>続きを読む

スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃(2002年製作の映画)

4.5

ドゥークー伯爵の存在によってシスとジェダイの師弟関係に妄想が止まらなくなる。

暗黒街の弾痕(1937年製作の映画)

4.0

出所した元銀行強盗は待ち続けた婚約者と結婚して引っ越すも、不幸にどんどん引き摺り落とされる。

ミスリードを誘って観客が主人公を信じられない状態を作っておいて、ひっくり返した後に"人を信じること"を
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逃亡者(1947年製作の映画)

4.0

"とある国"でカトリック排斥から逃げる司祭。


ガブリエル・フィゲロアによる撮影のコントラストの高さ。
オープニングタイトルにも使われる港町の路地を1人で来て、頼る子どもと帰っていくヘンリーフォンダ
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旅のおわり世界のはじまり(2019年製作の映画)

4.0

前田敦子がウズベキスタンで珍獣リポート。

それぞれ仕事しているだけで、仕方のない悪意/悪意のない悲劇。
動線の量(とすごい撮影!)が物語上の事件に頼らずテンポを上げていく。
恋人とLINEするだけな
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M(1931年製作の映画)

4.0

サイコスリラーをテンポよく見せる前半と、後半の暗さ。

近所で見つけて、観た。
ずっと楽しい、から最後怖い。
暗闇の中で懐中電灯、次は電球とつけていくだけで映像の立体感がぐわあ、てなって、怖さが沸き立
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かくも長き不在(1960年製作の映画)

4.0

カフェの女店主が浮浪者を呼び止める話。

gyaoで知り、観る。
本来聞こえないはずの足音が鳴り、本来見えてないはずの顔が映る、といった撮影や編集によって女店主の緊張が伝わる。
顔の大写しの迫力も、
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ザ・バニシング-消失-(1988年製作の映画)

4.0

彼女と自転車乗ろうとフランスに向かう車旅行の途中サービスエリアで彼女が失踪する。サイコサスペンス。

シネマテークで知って、観た。
サイコが出てくる映画は、他者がサイコを見る映像とサイコ目線の映像のギ
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教授とわたし、そして映画(2010年製作の映画)

4.0

映画監督と妻と映画学の教授が出てくる。


アマゾンプライムに追加されてて、観た。
画面上でいくら登場人物同士が近づいても観客からしたら既にその関係はヘンテコ。だから、この話では恋愛と性欲が区別される
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欲望のあいまいな対象(1977年製作の映画)

5.0

クソジジイが綺麗な女のケツ追っかけるだけの話を、当のクソジジイと電車で乗り合わせてしまったので、聞くしかない。まいったなあ。

ルイスブニュエルの遺作。
真っ赤な性欲を文字通り吹き飛ばしてくれる。
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ムーンライト(2016年製作の映画)

4.0

少年が疑似家族を作るも青年になって離散をくらって若者になってilovemyselfと笑う。

疎外感の中でも母に感謝して自信を持とうという簡潔なテーマは、オープニングで流れるケンドリックラマーのTo
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デンジャラス・デイズ/メイキング・オブ・ブレードランナー(2007年製作の映画)

4.0

ブレードランナーのメイキング。

NHKプレミアムで知り、観る。
何本かメイキングでも観るかー、と観た。
ハリソンフォードの「たかが映画だ。悩むのは監督に任せとけば良い。」て言葉が良い。
映像への執着
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マイ・ライフ・ディレクテッド・バイ・ニコラス・ウィンディング・レフン(2014年製作の映画)

4.0

オンリーゴッド」の撮影期間、レフンが悩んでたのを見た奥さんも悩んだ、てお話。

YouTubeで知って、観た。
メイキングでもたまには観るか、て感覚で観たが、ゴズリングとレフンの子どもの絡みは最高。
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ブルーに生まれついて(2015年製作の映画)

4.0

ドラッグに溺れたジャズマンの人生描く系映画と言ったら「バード」や「ラウンドミッドナイト」といった有名作がパッとクラシックとして浮かぶが、たぶんもっと適切なタイトルだけで2桁はあるんだろう。
それに仲間
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少女ムシェット(1967年製作の映画)

4.0

悲劇に転がり落ちる映画。
白い目で見られる/見ている人が不可逆的な物語の進行に乗せられるブレッソンらしいストーリーがシンプル且つ強烈。

amazonで安くなってるのを知り、観た。
幸福なゴーカートの
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ワンダーストラック(2017年製作の映画)

4.0

1927年、1977年それぞれのニューヨークを難聴の子どもがフラつく。
音がシリアスになり過ぎる前半と緩ませる瞬間のポップ(ドア!)!!


アマゾンプライムで知り、観る。
トッドヘインズが、憧れへの
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囚われの美女(1983年製作の映画)

4.0

縛られ路上に放置された女性を助けることから始まり、謎のパーティー、バイク乗りの女など様々なモチーフの数珠繋ぎ。
絵画を映像に内面化させる試みの極点的な海と額縁。
監督の以前の作品から続く数珠繋ぎが具象
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快楽の漸進的横滑り(1974年製作の映画)

4.0

殺人の嫌疑をかけられた女がエロの世界を彷徨う話。
絵と女性(エロとして)に同等の憧れを持つといったモチーフの連続。
それを、監督の意識なのか編集と撮影のプロフェッショナルなのか、視線できっちりと数珠繋
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