倉科博文さんの映画レビュー・感想・評価

倉科博文

倉科博文

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帰ってきたヒトラー(2015年製作の映画)

3.5

プロットの読みやすいコメディという一面がありつつも、思わず引き込まれてしまうヒトラーの演説ぶりには感心させられてしまう

クリーニング店にて下着を洗わせようとする件やその後のシークエンスは誰でも分かる
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悪の法則(2013年製作の映画)

4.1

率直に言うと、構えていたー

見る前は、「一体どれだけ意味不明な映画なんだろう」とおっかなびっくりだった
「意味不明な映画」という声もあったし、「私は好きだ」という声があったとしても、それは『難解さを
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ジョン・ウィック(2014年製作の映画)

3.5


難しいアレやコレやは要らないー

タフな漢たちの紡ぐ『お約束』は、ロマンと呼ぶんだ



キアヌ・リーブスの演じる、『冴えない男』と『ヒーロー』の振れ幅に思わず惹き込まれる

本来は対価のみで動くは
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ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅(2016年製作の映画)

3.4

キュートな映画

CGによる魔法の描写方法や魔法生物のデザインも含めて映像は見事
特に魔法生物の絶妙に可愛く、微妙に気持ち悪い塩梅は流石だなぁ
設定の作り込みもしっかりしており、これはやはり長大なハリ
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真実の行方(1996年製作の映画)

3.9

「社会問題の玉手箱」

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小児性愛、性犯罪、殺人、冤罪、DV、司法的不正、政治的不正、背任など、ありったけの社会問題を重箱に詰め込んでお節(おせち)に仕立てた挙句、俳優の色も殺さず、それ
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ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

3.6

「”豊かさ”の正体」とアンチテーゼ

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物事の本質とはあまり関わりのない付加価値ー
これこそが現代の豊かさの正体だとも言えるが、これを敵に回すにはテイラー・ダーデンは、僕にとっては力不足
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ミスト(2007年製作の映画)

3.3

あるスジにおいて、あまりにも有名な作品

よく聞く煽り文句として「衝撃のラスト」というのがあるが、この映画よりも衝撃のラストというのもあまり無いのではないだろうか
良くも悪くもー

まさに「不条理」を
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老後の資金がありません!(2020年製作の映画)

2.3

この作品に好感を覚えた方は、以下の感想はご覧にならないことをお勧め致します

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ジャパニーズ・コメディ映画の典型のような駄作
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ウルフ・オブ・ウォールストリート(2013年製作の映画)

3.8

初っ端から下品、下劣、不謹慎のフルスピードでかっ飛ばすジョーダン・ベルフォードの回顧録

マーティン・スコセッシの作風の幅の広さはまさに圧巻だ
レオナルド・ディカプリオのぶっ飛んだ演技も!

一切受け
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ドラゴン・タトゥーの女(2011年製作の映画)

3.6

この映画は『リスベット』の物語だ

スティーグ・ラーセンの原作「ミレニアムシリーズ」は、スウェーデンにおけるミステリ小説として押しも押されぬ存在である
しかし監督のデヴィッド・フィンチャー自体は原作を
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IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(2017年製作の映画)

3.0

『エルム街の悪夢』×『スタンドバイミー』
と言った感じの映画
敵役の『ペニー・ワイズ』がもつ特徴、能力、弱点も、『フレディ・クルーガー』にクリソツである

直前に観た『ブライトバーン』と比べると
・ハ
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ブライトバーン/恐怖の拡散者(2019年製作の映画)

3.0

{エクソシスト+(スーパーマン×ヴィラン)}÷2

*「ヒートヴィジョン」と「クリプトナイト」もあるよ


That’s all…

前半部の風呂敷の拡げ方にはワクワクさせられたが、結末に向けての風呂
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時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)

4.0

多様性の賛歌か、政治思想への冷徹な観察か-

映画史的に見て重要な作品であることは理解できるし、心が動かされる映画ではあるが、個人的に構図や美的なセンスなどの点において抵抗があり、好きな作品では無い
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ソウ(2004年製作の映画)

3.5

-この映画の残り100分は
   ラスト3分のための前戯-

【ちょいネタバレあり】

あまりにも有名なラストシーンでありクライマックスでもある「あの」シーンを初めて見た時の衝撃は、『ユージュアルサス
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ワイルド・スピード(2001年製作の映画)

3.3

超長寿シリーズ『ワイルドスピード』の第一作目

ひたすら、『頭文字D』のようなカースタント作品かと思いきや、サブストーリー、ロマンス、ヴェンデッタなど娯楽要素てんこもりのアメリカ映画見本市

そして、
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見えない目撃者(2019年製作の映画)

3.1

吉岡里帆の演技が光る-

全盲の元警察官-
彼女は、少女の誘拐と思しきある事件に居合わせることとなるが、そのことが彼女本人と周囲の人々それぞれの過去や価値観などを巻き込み、思いもよらぬ惨劇の連鎖へ足を
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ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

3.8

「あなたは大事な人に裏切られても、その人を、そしてその現実を受け入れることができますか」

ひとは他者を受け入れることで成長することができる
たとえその結果、自分を傷つけることになっても

トランスジ
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LION ライオン 25年目のただいま(2015年製作の映画)

4.2

「あなたはどうなったら本当にひとに優しくなれますか」

この映画が僕に問いかけてきたものは、とても普遍的で、同時にとても難しい

貧しさの産む地獄-
無関心と排斥と欺瞞
そんな地獄を生き抜いた少年の実
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グリード ファストファッション帝国の真実(2019年製作の映画)

3.2

「あなたにとって成功とは何か、そしてなぜ成功したいのか」

イギリス発祥のファストファッションブランドTOPSHOPなどを擁するアルカディアグループの創業者フィリップ・グリーンの人物史をモチーフにした
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ノーカントリー(2007年製作の映画)

3.4

洒落が効き、気の利いた作品ー
これが、見終わった直後の感想だった

しかし、ベル、モス、シガーの奏でるトリオ・アンサンブルは、それぞれが支点、力点、作用点の役割を担いつつ、社会変遷の暗喩やテーマ性など
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イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(2014年製作の映画)

3.8

エニグマ解読の史実は知っていたが、その裏にこんな人間臭さが息づいていたとは想像だにしなかった

数学に関して、飛び抜けた才能を持った者たちー
第二次世界大戦下、彼らは極秘裏に大きな任務についていたー
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アメリ(2001年製作の映画)

1.7

【高評価の方、ごめんなさい】

あらゆる思慮から逃げた作品

この監督は、恋と愛、そのそれぞれと向き合い、その違いについて考え悩んだことがあるのだろうか

「無邪気」を免罪符に他人の人生を引っ掻きまわ
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#生きている(2020年製作の映画)

3.1

『新感染』や『アイアムアヒーロー』などの傑作・佳作を筆頭に数多の作品が犇くこのジャンル

密室の体裁を取ることで製作費を抑えつつ、このクオリティを担保した手腕には拍手

しかし、特に斬新な要素や展開が
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CUBE(1997年製作の映画)

3.5

シチュエーションスリラーの先駆者にして、サイコホラーの代表作

この20年間で、3回ほど観ただろうか

謎の立方体ーキューブーに閉じ込められた男女たちー
キューブには命を奪う様々な罠と、6面それぞれに
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The Witch/魔女(2018年製作の映画)

3.7

『ク・ジャユン』がキャラクターとして魅力的すぎる

ストーリーとしては、そんなに変わり映えのするものでは無いが、この主人公を生み出せた時点で、この映画は成功だろう
でも、こんなに強いのに、こんなにハラ
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コンフィデンスマンJP プリンセス編(2020年製作の映画)

3.1

結構、評価高いんですね

この映画に、思い入れというか、愛着のある方は以下は読まないほうがいいと思いますー


竹内結子と三浦春馬の遺作という意味では重要な作品でしょう

純粋な作品としては、何という
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ブレイン・ゲーム(2014年製作の映画)

3.2

サーアンソニーホプキンスは、警察付きコンサルタントの役が多いな(笑

ただ、ハンニバル・レクターに比べると、キャラクターの厚みや複雑性は控えめで、普通にいいお爺ちゃん(超能力あり)

超能力を活かした
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おんなのこきらい(2014年製作の映画)

3.0

森川葵うまいな

この人の演技は、多少、物語に不自然なところがあっても、演技とキャラクターの力でそれをカバーできる力がある
あと、この作品ではそんなこと無かったけど、周りの演者の演技が酷くても、「作品
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アイアムアヒーロー(2015年製作の映画)

3.6

日本のゾンビ映画の現段階、最優秀作品か

パニックホラーにしては、ゾンビがコミカル過ぎて怖さに欠けるかなとも思ったけど、これも計算かも知れません
そう感じた理由は、以下に

うだつの上がらない漫画アシ
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MONSTERZ モンスターズ(2014年製作の映画)

1.9

中田秀夫って、あの中田秀夫?

どうしてこうなった!?
やはりホラーしか撮れないのか?
むしろ、『リング』ら辺が彼のキャリアの頂点だったのか

視界に入った人間を操ることの出来る能力を持つ男ー
しかし
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イーオン・フラックス(2005年製作の映画)

2.9

シャーリーズ・セロン、こういう役多いな
でもその中でも、あまり作品自体には特筆すべき点のない作品か

ある独裁政権に支配された未来ー
革命を目指す反政府組織による計画を遂行する美しい戦士の物語ー

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プロジェクト・パワー(2020年製作の映画)

3.0

マクガフィンものとして、スマートでストレートな王道アクション作品

突如として市中に出回り始めた新型ドラッグー
驚くべき効果と危険性を持つこの薬は、様々な理由でその出所を探し求める者たちと共に、犠牲と
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七人の侍(1954年製作の映画)

4.6

「土砂降りの中でのアクションシーン」や「スローモーションの使い方」など、映画史としても革新的な手法を使ったことでも知られる本作
やはり、この時代の映像作品の中でも、空気や情感を映像として表現しようとす
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ダークナイト(2008年製作の映画)

4.3

印象的と言うだけでは物足りない
衝撃的な登場人物ー

象徴的なアイコンを産み出した作品は、もはやそのストーリーや子細がどうであれ、佳作を超えたものになってしまう

ハンニバル・レクターしかり、ジャック
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サイコ(1960年製作の映画)

4.0

ヒッチコックの名作

ある事件から転がり始める物語は、それとは本質の異なる物語と絡み合い、人間の悲しくも深い闇に辿り着くー

現代から見ると、お世辞にも優れたカットや編集とは言えないが、物語の構成と根
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アミスタッド(1997年製作の映画)

4.0

やはり”この問題”を人々の胸に問いかけるのには、『それでも夜は明ける』のような牧歌的な印象を残す作風よりも、本作のような終始重々しく目を背けたくなるような作風の方が印象に残るように思う

クライマック
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