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Dr.HOUSE/ドクター・ハウス シーズン1のEikeのレビュー・感想・評価

3.3
全米屈指の「名医」Dr.グレゴリーハウスと彼のチームが難病・奇病により命の危機にさらされた患者たちを持前の観察力と医学知識で救う感動のハートフルドラマ!

等と紹介されたりしていたら、それは嘘です(笑)。
本作はそんな単純なドラマではありません。
ただ、表面的には上の紹介文通りで、毎回運び込まれる医学的に診断が困難な患者たちがハウスの直感によって命の危機を救われるというワンパターンがほとんどです。
ERのようなメロドラマ的要素は薄く、医学ミステリーと言ってもかなり特殊なケースがほとんどなので謎解きされたところではっきり言ってよく分らない。

にも関わらずこのドラマは非常〜に面白い。
なぜか?それはDr.ハウスという人物、その人の魅力が圧倒的であるから。
ERが典型でしたが最近の「本格」ドラマは基本的に「群像劇」がほとんどなのですが、本作は徹頭徹尾Dr.ハウスを中心に据えたドラマになっております。
運び込まれる患者をめぐるドラマすらハウスという人物を描くための手段に過ぎないといっても過言ではないのです。
ここまで一人の人物にスポットを当てた作品というのも最近では余り例がない気もします。
したがってこの人物に興味が持てなければ本シリーズははっきり言って面白くないでしょうね。でも一旦ハウスの魅力に惹かれたら中毒的にハマるのは確実です。

ハウス医師を演じるヒュー・ローリーは英国人でどちらかといえばコメディ畑の人だと思うのだがとにかく巧い。
人間不信で皮肉屋で頑固で根性の曲がった下司野郎(笑)を絶妙なニュアンスとユーモアで演じきっております。
この第一シーズンはやはり若干堅い感じがありますが後半に行くにしたがって徐々にキャラクターに味が出てきて弾みがついてきます。
とにかくこのドラマの魅力は言葉ではなかなか伝えにくいものであることは確かで、スケールが大きいとか金がかかっているとか、
そういった次元ではなくドラマを作る「気概と冒険心」みたいなものをまざまざと見せつけられる作品になっています。
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