しばいぬたろう

ファーゴのしばいぬたろうのネタバレレビュー・内容・結末

ファーゴ(1996年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

『ファーゴ』('96)
Fargo / アメリカ合衆国、イギリス / 英語

個人的には結構「滅茶苦茶な映画」という印象を受けた。
冒頭に「実話を基にした映画。犠牲者の名前は希望によって変えている」というテロップが流れるが、どうもこれは演出で、本作自体は完全なフィクションと後で知った。
このテロップの必要性が更にわからなくなったし、演出でこういうことをするなんて最低な人間性だと思った。


ジェリーは妻の父親から融資を受けられないことで、妻を誘拐してもらってその身代金を犯人と分ける狂言誘拐を悪党二人組に依頼する。
しかし、父親から投資を受けられることになりそうになり、妻の誘拐の必要性がなくなるものの、悪党二人組は計画通り妻を誘拐する。
その後、誘拐した後に成り行きで三人を殺した悪党二人組は、身代金全てを渡すようにジェリーを脅迫する。
事件は複雑化していき、地元の警察署長の女性が捜査に乗り出す。


途中登場した日系人の必要性が全く意味がわからず、調べてみたところ「ミネソタ・ナイス」を表しているといういことらしいが、自分は「いや、そんなの知らねーし」というところ。
ミネソタ系の人やアメリカ民俗に興味のある人しか、理解できないのではないだろうか。

必要性のわからない大人向けのシーンや、残酷な殺し方のせいでR15+。
また、タイトルが「ファーゴ」である理由もわからない。
ファーゴは地名だが、最初に狂言誘拐を依頼した場所はノースダコタ州ファーゴだったが、それ以外はミネソタ州が舞台。
なぜ「ファーゴ」?
また、埋めた現金は一体どうなるのやら。

ランドガード夫妻の一人息子スコッティを演じた俳優が、ティモシー・シャラメに似ていた。
ブシュミとストーメアはいつも通りだが、『アルマゲドン』としては逆のキャラかな。
メイシーは珍しく悪役ではあるものの、いつも通りではある。

結局フィクションなら、主人公の妊婦がその設定を利用して、犯人を追い詰めていく過程などで鑑賞者に緊張感を与えることができたはずなのに。
とにかく本作全体的には、必要性のわからないシーンや設定が多すぎて、間延びした物語に感じた。

個人的には、前評判で期待していた分、がっかりした作品ではあった。
何より、「演出で「実話を基にした映画」と謳うなんて最低」としか思わない。
「冬」「連続殺人」といった作品では『フローズン・グラウンド』の方が、よっぽどしっかりしていたと思う。
しばいぬたろう

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