しばいぬたろう

トイ・ストーリー4のしばいぬたろうのネタバレレビュー・内容・結末

トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

『トイ・ストーリー4』('19)
Toy Story 4 / アメリカ合衆国 / 英語


『トイ・ストーリー3』のラストが最高の終わり方だったため、何故四作目を作るのか理解できなかった。
しかし、昨今のしょうもない映画業界の中では、唯一ピクサーのことだけは信用しているので、変な作品は作らないだろうとは思っていた。
その結果、期待以上の作品に仕上がっていて、ラストは納得できないし寂しすぎるけれども、やはり感動した。
強いて言えば、本作は子供には難しすぎる気がすることが心配。
『トイ・ストーリー』を見て育った子供が成長して鑑賞する用に作られている気がする。


新しくボニーのおもちゃとして生きるウッディと仲間たち。
ボニーは幼稚園に入ることを不安に思いながら、フォーキーというゴミで作ったおもちゃに愛着を持つ。
ボニーのお気に入りに入れないウッディは、フォーキーの面倒を見ることで、自分の居場所を見出す。
ある日、ボニーとおもちゃたちは移動遊園地に遊びに行く。
ウッディはそこで昔別れた元おもちゃ仲間のボーと再会。
ボーは流浪のおもちゃとして、仲間たちと自由に生きていた。
そんな中、骨董品店にフォーキーが監禁され、そこの骨董人形からウッディの部品が狙われるようになる。


本作の印象としては、何よりもボーが逞しくなっちゃったな、ということ。
『トイ・ストーリー』の時のように、何も働かないけど、ウッディをメロメロにする貴婦人キャラが好きだったけど。
一体、七年間に何があったのか心配になって来る。
それでも、本作の彼女も結構好み。
そして、ケルベロス羊がウッディに名前を間違えられた時の表情は、「羊のショーン」で笑えた。

本作のマイナス点は登場人物が多すぎたことくらいかな。
特に的屋のヒヨコとウサギは、存在は面白かったのだが、彼らが登場した分、物語がダレた気がする。
「Yes, We Canada」には爆笑した。
完璧に「Yes, We Can」を馬鹿にしてるでしょ(笑)
そして、従来キャラの影が薄すぎる。
レックスなんかほとんど喋らないし、ミスター・ポテトヘッドなんて数えるほどしか登場しない。
ただでさえ、ボニーの昔からのおもちゃというキャラも増えているのに、本作からの新キャラ多すぎ。
また、本作は唯一悪役が救われる話だった点もあまり好みではないが、「いらない」と言われた瞬間の骨董人形が本気で可哀そうだったので、救われて良かった。

一番本作で気になったことは、ボニーのおもちゃからトトロが消えいていたことだろうか。
捨てられた???
本作ではメインキャラの一人になってしまうから、恐らくジブリの版権を得られなかったということにしておこう。

時期リーダーはバズになるかもしれないと思い、心配でたまらなかったが、ジェーンが担ってくれて本当に良かった。
位置的にはバズに違いないが、バズはやらかし要因なので、ウッディがジェーンに保安官バッチを渡したのを見て、ひとまず安心。
これで残されたボニー側も大丈夫だ。

ラストの「無限の彼方へ、さあ行くぞ」には鳥肌が立った。
ラストのこのセリフを聞いて、「あ、テキトーに続編作ったわけじゃないんだ」と確信した。
しっかり考えて作ってくれている。
「おもちゃを大切にしなきゃいけない」「おもちゃは友達」という教訓映画から、「おもちゃの無限の可能性を感じる作品」に進化したと思う。
それは「ゴミ」を「おもちゃ」に変身させた前半から、本作全体で共通するテーマだったのかもしれない。

ウッディは仲間たちといるものと思っていたから納得のいかない寂しいラストではあったが、本作に関しては本当に鑑賞できて良かったと思う。
しばいぬたろう

しばいぬたろう