しばいぬたろう

フライトプランのしばいぬたろうのネタバレレビュー・内容・結末

フライトプラン(2005年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

『フライトプラン』('05)
Flightplan / アメリカ合衆国 / 英語、ドイツ語

個人的には結構楽しめました。
ヒッチコックの映画『バルカン超特急』と似ている物語と聞いていたため、あまり期待していなかったが、しっかり見せ場と映像的工夫も凝らしていて、しっかり面白く仕上げていたと思います。
なんというか、『バルカン超特急』と『バニー・レークは行方不明』を混ぜたような物語。
『バニー・レークは行方不明』を楽しんだ方は、本作も楽しめるのではないだろうか。

確かに「娘から目を離すことが悪い」という論理は成り立つのだが、しかし「飛行機で起こる誘拐事件」という凡そあり得ない設定であり、そのあり得ないからこそ「目を離した」ということに違和感は感じない。
そして、そんなあり得ない状態でパニックになる主人公の母親が気の毒になるし、その母親のために一時は全面協力した機長の英断は良かったと思う。
しかし、その後の、主人公が逃げ出して乗客を墜落パニックに陥れるシーンはドン引き。
それに、わざわざ最後に犯人ごと爆破する必要性があったのかも謎。
自分だったら、最後はあの場所に閉じ込めておいて、FBIに引き渡すと思うけど。
娘は帰って来たわけだし、一応犯人がいないと、自分が悪者にされそうだし。

個人的に一番気になったのは、途中で犯人扱いしていたアラブ人の存在。
主人公の娘の部屋を覗いていたという怪しい人物がいたらしいが、結局誰と見間違えたのだろう。
このアラブ人を犯人扱いするシーンがあるのなら、それ相応の伏線回収が欲しかった。

結局、飛行機を降りたら監視カメラ映像などで娘の存在は明らかになるわけで、そのために主人公の母親を殺そうとしていた犯人の判断は正解。
しかし、この犯人の計画が割と稚拙。
それこそ、「人は他人に無関心」という前提が成り立っていないと通じない物語。
カイルの座席の近くに人間観察が趣味の人がいたら、この計画は成り立たない。
 
全体的に突っ込みどころは満載だが、映画自体は面白かった。
前述のとおり、『バニー・レークは行方不明』が好きな方は、本作も楽しめると思います。
しばいぬたろう

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