しばいぬたろう

ジョンQ 最後の決断のしばいぬたろうのネタバレレビュー・内容・結末

ジョンQ 最後の決断(2002年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

『ジョンQ 最後の決断』('02)
John Q / アメリカ合衆国 / 英語

子供の余命が短く、移植手術をしなければ助からない。
しかし低所得者であるため、手術費が用意できず、適合者を探すリストにも載せられない。
追い詰められた父親は病院を占拠し、患者と医師を盾にしてリストに載せるよう病院側に迫る。

病院を舞台にした子供を守る父親系の作品で、アクションを鑑賞したければ『絶体×絶命』を、社会派を鑑賞したければ本作『ジョンQ 最後の決断』を鑑賞してください、というところ。
どちらも子供のためとはいえ犯罪を犯す父親に共感できないモヤモヤがあるが、悪役の演技が良かったことやアクションや見どころがあったため、個人的には『絶体×絶命』の方が良かった。

本作は父親に対してイライラが先行し、世間の父親をヒーロー扱いする展開についていけない。
この病院占拠中に救急搬送で間に合わずに亡くなった方もいるかもしれないので、無条件で父親を応援するのもどうかと思う。
しかも、ラストが唯一の適合者だったことで"誰も悪くない感"を演出しているが、他に適合者がいる状況だったら、今度はそっちの方が余命が長いだ裕福だで、自分の子供に当てろと脅しをかけそうな気がする。
そうすると暴力で何でも解決する世の中の完成。
それにこんな問題を起こした父親の息子の気持ちはどうだろう。
自分だったら、親が自分のために強盗まがいのことをしたらとても誇れない。
社会派ということでそこまで考えるわけだが、そうするとやはり父親がやったことは子供のためとはいえ褒められるべきことではない。
結論、共感できないし、面白くなかった。

途中で主人公にボコボコにされたスナイパーが気の毒過ぎる。

自分だったら、本作の主人公を妊婦さんかその旦那さんに設定し、本作の主人公を悪役にする。
それで最後に悪役は死ぬが、息子の適合者であったため、その息子に心臓が移植される、という展開にする。
医療制度のせいでこのような哀しい悪役が生まれたということで、この展開にしても問題提起にはなると思う。

デンゼル・ワシントンは良い演技をしていました。
共感はできないが。
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