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バグダッド・カフェ<ニュー・ディレクターズ・カット版>のWILDatHEARTのレビュー・感想・評価

3.3
『寓話的マジック・リアリズム』


マジック・アワー(色彩豊かな薄暮)に流れる「Calling You」の幻惑的なコード感は我々の住む世界の直ぐ隣にある魔術的現実(マジック・リアリズム)への入り口をプロットするが如く、これから起こる魔法を否が応にも予感させる。

ジャスミンが手品(MAGIC)の遣い手であることは勿論この小さなコミュニティに魔法(MAGIC)をもたらす者であることの暗喩となっているのだろう。
つまり、この物語は一種の寓話である。

人生は不思議なところだ。
何かを受け取るには、先ずは自分が投げ掛けねばならない。
投げたものが還ってくるなんて、まるで魔法だ。
まさしくあのブーメランが語るように・・・



「(魔法の声が)聞こえないのかしら?
 ずっとずっと呼び掛けているのに...」


「Calling You」が内包するミステリアスな問い掛けは、我々が現実と呼ぶ世界と実は地続きに存在している魔術的な現実へと誘なう呪文の如く、幽玄な響きを伴って今も胸に木霊している。



何度聴いたことだろう。自分的にこの曲のベスト・カバーであるジョージ・マイケルのバージョン☆ R.I.P.
↓Calling You / George Michael 
https://youtu.be/P2OcP9G1_gY
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