だいこんおろし

サンダカン八番娼館 望郷のだいこんおろしのネタバレレビュー・内容・結末

サンダカン八番娼館 望郷(1974年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

からゆきさんと呼ばれた女性の半生。
田中絹代。虫の這い出るあばら家で一人野良猫と暮らす小柄な老婆。彼女の矜持。毎朝丘の上から祈るのだ。苛酷な人生を経て、寒村の隅でひっそりと暮らす孤独と諦観。浅黒く日焼けした細い身体から発する声、眼差し、微笑みは慈愛に満ちていた。
高橋洋子。あどけなさの残る少女が何も知らず口減らしに出された異国の地。娼館から必死に仕送りを続けて帰国を果たすが、彼女を待っていたのは冷たい視線だった。酒を浴びて狂い踊る姿は、撒き散らした指輪の主たち、夢みた祖国の人たちにどのように届いていたのだろうか。
山崎朋子原作、熊井啓監督1974年作品。
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