kahiko

インセプションのkahikoのネタバレレビュー・内容・結末

インセプション(2010年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

新聞で紹介されていて母が面白そうと言うので、レビューも良いしと借りてきてみました。が、ほとんど終わり頃になって「あれ?これ前に見たことない?」。つまり、まったく記憶に残ってない。
ちなみに自分は子供の後ろ姿と、最後のコマが止まらずに終わるシーンだけ、母は斉藤さんが死にかけで応戦するシーンだけ覚えていました(笑

難解と書いている人が多いですが、内容は特に難しくはありません。
それより問題点は、キャラクターに対してまったく感情移入できないところかと思います。
主人公は他人の夢に入り込み、アイデアを盗んだり考えを描き換えたりすることができます。しかし妻殺しの容疑で母国アメリカへ帰れず、幼い子供2人にもう二度と会えないと思っていたところ、盗もうとしていた相手から逆に仕事を頼まれ、成功すれば母国に帰れるよう手配すると言われたため手を貸します。
そのための仲間を集めますが、設計士の女子大生(専門学生?)や変装名人など最終的には全部で主要人物は7人…これが、まったくどんな人間なのかの情報がないままワラワラと動く。しかも、夢の階層ごとにその人数いる。実際は各階層に1人は残らないといけないので1人ずつ減ってはいくものの、それにしたって多い!
主人公と妻については話が進むにつれわかってきますし、これは他の映画でも同じようなことがあります(意図的に終盤まで謎を残す)が、他のキャラについては何故そんなに付き合いの浅い主人公に肩入れするのか?と思うようなキャラもいますし、何より相当クズなことやってるのに何故かラストは「良い事やったなぁ」みたいな感動話に持って行こうとしているように感じて、どうも入り込めませんでした。
しかも全部が全部、主人公の蒔いた種です。自分のせいで他人の命を巻き込んで大変なことになっているのに、平然とリーダー面。凄い図太さです。

また、感情移入云々は置いておいても、どの方向にも中途半端な印象。
全体的にテンポが悪いし、前置きが長すぎる。
そして、SFアクションとのことですがアクションシーンも大して派手なことはしておらず、場面もあっちこっちに飛ぶので、漸くアクションシーンが始まったと思ってもすぐに別のシーンに切り替わってしまいます。
夢の階層が深くなればなるほど時間が速く進むそうで、3階層目を映した後に1階層目のシーンを差し挟むと、時間のズレを表現するために1階層目のシーンが物凄くスロー。面白いと言えば面白いしわかりやすくもありますが、これがテンポを悪くしているようにも感じます。

難解だなと思った人は、よっぽど集中できなかったか(気持ちはわからないでもない)、もしくは過度に難しく考えすぎなのかなと思います。人数が多すぎて途中でどの階層のキャラかわからなくなっちゃったとか?
場面が飛ぶので複雑には感じるかもしれませんが、内容自体は難解ではありません。
設定に関してはほとんど主人公たちが話してくれたことが全てです。作中で口頭で親切に説明してくれていますし、今が夢なのか現実なのかはキャラクターがわざわざ確認しようとしてくれます。階層ごとに雰囲気も服も変わるので、だいぶ親切な作りだと思います。
小難しい映画はちょっと、と思っている人も、気にせず見てみては?
ただ、テンポの悪い映画が嫌いな人はこの上なくつまらないかも。

アクションなしで良ければ、「子供に関わるちょっと不思議な話」という共通項でいくなら個人的には『サード・パーソン』の方がよっぽどお勧めです。

映像技術と設定の面白さで☆2。
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