WILDatHEART

赤い闇 スターリンの冷たい大地でのWILDatHEARTのレビュー・感想・評価

4.0
『映画に潜まされたグローバリズム』


2月24日ロシアはウクライナに軍事侵攻を開始した。

日本のメディア上では「狂人プーチンの突然の暴発により、ロシア軍によるウクライナへの侵攻が始まった」という単純な論調しか見られない。
しかし、本当にそんな単純な戦争なのだろうか?

何故今般の(2014年以降の)ウクライナ危機の背後に米英の所謂DS(ディープステート=国際金融資本・軍産複合体)が関わっていることを指摘する声が聞かれないのだろう。
NATOの東進(東方への拡大)によって追い詰められた民族主義者(ナショナリスト)プーチンが国家・国民を守る為に軍事的に反発することは僕には当然のことのように思われる。

今回の戦争にはウクライナを対ロシア戦争の前線基地化しようと企むDS(及びその軍事実行部門であるネオコン)の策謀が潜んでいると合理的に類推出来る。
しかし、今まで一貫してそうであったようにメディアは当然米英に潜むグローバリストの思惑を一切報道しないので大衆の目にはプーチンが極悪非道の狂人に見えるという訳である。

そして、ウクライナが歴史的にロシア(ソ連)によって如何に酷い目に遭わされてきたかを喧伝する為に本作「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」(2019)も最近メディアによって盛んに利用される動きが見られた。


この映画を観ると歴史上共産主義がどれほど多くの罪のない人民の命を奪ってきたかが解る。
そして重要なことは、この映画には描かれていないが共産主義とは実はメディアが大好きなグローバリズムの一種であるという視点である。
この映画の中で主人公の記者ガレス・ジョーンズが、空疎な平等主義が悲惨な現実を産み出す諸悪の根源であることを作家ジョージ・オーウェルに説諭する場面があるのだが、まさに慧眼(けいがん)であったと言うべきであろう。
そのジョージ・オーウェルが著した「1984」や「動物農場」が描くディストピアはグローバリズムが完成した暗黒の未来であり、まさしく我々が今後体験することになる暗澹たる現実を予見する内容であったことも注目に値する。


僕は映画が大好きである。
しかし、ハリウッド映画がユダヤ人が創り始めた文化である以上(メジャー映画スタジオは全てユダヤ系の資本で占められている)、グローバリズムを世界に浸透させ、また予告するためのメディア戦略の一環であるという側面も忘れてはならないだろう。

自戒も込めて。
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