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戦火のナージャのWILDatHEARTのレビュー・感想・評価

戦火のナージャ(2010年製作の映画)
3.8
「太陽に灼かれて」の続編で三部作の真ん中にあたる。

前作「太陽に灼かれて」が製作された1994年はソ連崩壊からわずか3年後であり、その当時のロシア人が感じていたであろう挫折と悲哀がかつてのスターリン独裁体制の無情を振り返る物語の作風と見事にマッチしたことで独特のノスタルジーが漂う傑作映画へと結びついた。

その続編となる本作「戦火のナージャ」が創られたのはその16年後の2010年、大統領はメドベージェフであったが時代は既に現在も続くプーチン体制の真っ只中である。
民族的な自信を取り戻したかのような活力が無駄に全編にみなぎっており、巨費を投じて戦争スペクタクル・アクション・コメディ・悲劇・グロをジャンルミックスした何とも破茶滅茶なスケールのでかいドタバタ映画を打ち上げてしまったようである。


特に、ドイツ軍戦闘機シュトゥーカの乗組員であるドイツ兵がソ連の赤十字船に向かって上空から汚ケツ丸出しにてウ○コ爆弾をひり出して投下したところ、ウ○コが命中した赤十字船の甲板に乗り込んでいたロシア人負傷兵が激昂して照明弾を発射、これが見事にケツ出しウ○コちびりドイツ兵に命中して即死、激怒したドイツ軍戦闘機によって赤十字船が一艦丸ごと撃沈されるくだり等、本気か冗談か分からない凄絶極まる変態的人間ドラマが最後まで次々と展開する寓話的作品となっておりとても興味深い。

ロシア的な(?)馬鹿馬鹿しくやんちゃな人間臭さに溢れる見逃せぬ隠れた逸品であると言えよう。


瀕死の重傷を負って死ぬ間際にナージャにオッパ○を拝ませて欲しいとせがむ少年兵にはだけて見せるナージャの立派に成長した生オッ○イにかつての天使の如き美少女だったナージャを思い返して何とも言えぬ感慨を覚えたのだった。

完結編「遥かなる勝利へ」へと続く。
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