MitsuhiroTaniさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

30年後の同窓会(2017年製作の映画)

4.3

つい先日、あるきっかけで30年ぶりの同期会を開いた。
早々に会社を辞めて家業を継いだもの。会社生活の多くを海外で過ごしたもの。横並びで仕事をしていた訳ではないから、仲間を結びつけるのは30年前の記憶。
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アルゼンチン1985 ~歴史を変えた裁判~(2022年製作の映画)

5.0

昔、サッチャー政権を勉強をしていた頃、フォークランド紛争関連でアルゼンチンの軍政に辿り着いたことがある。
ただ、こんな恐ろしいことが、比較的最近にまで起きていたとは知らなかった。
民主主義の力を学ぶ教
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アナザーラウンド(2020年製作の映画)

4.7

血中アルコール濃度0.05%。そんな話、毎晩あちこちの居酒屋で誰かが語っている話。そして今夜も、何処で誰かが豪気な過ちを犯し、家族に見捨てられている。

重い空気と緊張感ある時間が過ぎ、シャンパンにビ
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偽りなき者(2012年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

身近で受け入れ難い出来事に遭った時、戸惑った人々は、異端を見つけ出すことで、自分自身や、自分を取り巻く穏やかで平静な状態だった環境を肯定する。
本作の少女の嘘はきっかけに過ぎず、主題はそこにない。
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とんび(2022年製作の映画)

5.0

日本から日本らしさが失われていった平成の時代。
最近のSNS上で起こる問題は、ある意味、人との繋がり方を誤った平成の残骸が引き起こしているものだと思う。本作は、昭和から令和に繋がる物語。
冬の夜、海辺
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キングメーカー 大統領を作った男(2021年製作の映画)

4.3

キム ウンボムとソ チャンデの恋愛映画。
ソ チャンデが日陰の身である愛人。
最初は自分の欲の為にキム ウンボムに近付いたけど、眩しいまでに正しく政道を行くキム ウンボムに徐々に惚れてしまい、政治家と
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7BOX [セブンボックス](2012年製作の映画)

3.6

確かにパラグアイの映画を観るのは初めてな気がするが、非常に良くできた作品だと感心した。
もちろん、ストーリーや脚本はシンプルであり、決して高尚な内容では無いが、小気味良く展開させていく演出は、日本の中
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モスル~ある SWAT 部隊の戦い~(2019年製作の映画)

3.9

西欧諸国との対立ではなく、イラク国内なSWATとISとの闘いであることや、ある種Saving Private Ryanのようでありながら、もっと私的な動機でもある点が、極めてモダンなストーリー。
あま
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キングダム2 遥かなる大地へ(2022年製作の映画)

4.2

前作に比べ、若い俳優の熱量がやや下がった第二作目だが、必見はベテラン俳優の大盤振る舞い。前回に続き大沢たかおと髙嶋政宏。豊川悦司、加藤雅也、小澤征悦、玉木宏、平山祐介、要潤、高橋努、満島真之介、渋川清>>続きを読む

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

4.1

麻倉未稀のヒーローの使い方。
サントラが素晴らしかった。
あと、サンドラブロックの無駄遣いが、素晴らしい。
あまり好きなジャンルではないけど、これだけきめ細かく雑な映画を作ると、楽しめるもんだなあ。

still dark(2019年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

プロとして、一人の見習いを甘やかすことなく、突き放すことなく。
卑下することなく、自棄になることなく。
たった三人なのに、三人それぞれから学ぶことが非常に多い傑作。
健太の人柄を褒める気持ちも分かる。
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茜色に焼かれる(2021年製作の映画)

5.0

尾野真千子最高、和田庵最高、片山友希最高。人間って捨てたもんじゃないな、と思った。

ダイブ(2022年製作の映画)

3.9

こうやって観ると、メキシコの俳優の魅力と実力には感嘆する。
なかなかシリアスで闇の深い話だったが、非常にクオリティの高い演出だった。
この品質はAmazon Prime Video だからなのかな。

ある人質 生還までの398日(2019年製作の映画)

4.2

日曜日の夜だから、食後に映画を観ようとしたのが失敗。背中がガチガチになるくらい緊張感のある作品だった。
米英に対するテロがあった頃、英国で暮らし、報道を通じて駆り立てられた憎悪と疑念が何をもたらすかや
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

4.1

荒涼としたアイスランドの山間。そこにいるのは多数の飼い慣らされた牧羊のみ。
もちろんテレビもあるし、街に出ることもあるだろう。ただ、羊の群れと牧羊犬にのみ囲まれて暮らす羊飼いの夫婦に見える風景は、僕ら
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RUN/ラン(2020年製作の映画)

4.3

いやあ、よく出来た映画だな。
波風の少ない展開なのに、釘付けになった。血飛沫も無く、殺人鬼のバイオレンスもない片田舎の町が舞台なのに、何故、ハラハラドキドキするんだろう。それは、母親の娘を想う歪んだ気
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大怪獣のあとしまつ(2022年製作の映画)

4.5

すみません。低品質の映画ですが、私には面白かった。

グッバイ・クルエル・ワールド(2022年製作の映画)

3.9

確かにタランティーノを意識したようだが、少し勘違いをしているようにも見える。タランティーノは空間の使い方に個性があるが、本作にはそれが感じられない。
猥雑を狙うのも分かるが、園子温のようでもない。
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金の亡者たち(2018年製作の映画)

4.1

単純なストーリーながら無駄なシーンも少なく、失走感があって面白かった。
貧しい人が不幸になるような展開もないから安心して見ていられる。
裏で暗躍しているブローカー、ボノピョの存在感が痺れた。

ハード・ヒット 発信制限(2021年製作の映画)

4.0

2015スペイン映画“暴走車ランウェイカー”、2018ドイツ映画“タイムリミット見知らぬ影”、そして2021韓国映画“ハードヒット発信制限”タイトルはいずれもイマイチだが、ストーリーが面白いリメイク作>>続きを読む

355(2022年製作の映画)

3.9

何処で観たような映画で笑った。
そこそこの俳優を集め、何処で観たようなプロット、撮影技術でカバーするとなかなかの作品が出来上がる。
単純に面白かったけど、どんな客層を狙ったんだろう?それだけが疑問。

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.9

様々な要素の集合体が全体を表すという考えを信じ、個々の要素に磨きをかけることに徹すれば、最高の作品が生まれるという信念に揺らぎの無いトムクルーズの快作であり、トップガンをリアルタイムで観た世代の素晴ら>>続きを読む

死刑にいたる病(2022年製作の映画)

4.2

原作を読んでいないから分からないが、何故このようなシリアルキラーが生まれたのか前日譚が欲しい作品だった。
阿部サダヲの演技力が相変わらず素晴らしく、彼の演技力が邪魔した作品でもあった。クリーピーで怪演
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シューテム・アップ(2007年製作の映画)

3.9

クライブ オーウェン、モニカ ベルッチ。
一流の実力がありながら、B級映画を破壊力を持って仕上げる演技力。
バイオレンスアクションを見せつけながら、アクションの合間では滑稽さを照れることなく演じること
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最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

4.7

誰が真実を語り、誰が嘘をついたのか分からない“真実は藪の中”と言うものではなく、主人公三人それぞれの、そうありたい記憶を描写したものなんだろう。そういう意味で、クライマックスまでの本作は、芥川の作品よ>>続きを読む

バーニング・ダウン 爆発都市(2020年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

アンディラウの安定感。どんなアクション映画も香港風に見えてしまう。
全体的に安定した面白さがあったけど、核爆弾だけが違和感。
あの場所であの爆発は、テロ成功じゃないの?

モロッコ、彼女たちの朝(2019年製作の映画)

4.4

イスラム教国モロッコ、カサブランカを舞台にした作品でありながらある種の違和感が終始付き纏った。
恐らくそれは、彼女らが二人の聖母に見えたからだろう。
原題はアダム。生まれてきた子供の名前。
ユダヤ教、
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ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

4.7

当時世界中で話題になったグッチ家の醜聞を、主人公パトリツィアが、腕と才覚で成り上がるマフィア映画に仕立てたことが本作の魅力。
そして、さすが巨匠リドリースコット。
スターや名優達の個性を、良い意味でこ
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SEOBOK/ソボク(2021年製作の映画)

3.5

ドラマとしてらストーリーも悪くないし、主人公二人も悪くない。アクションや演出もなかなか迫力があったのに、何が魅力を低下させたかというと、悪役二人だろう。
殺しにくる組織も生かそうとする組織も率いるボス
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余命10年(2022年製作の映画)

4.1

若い主人公二人の魅力に奇跡のハッピーエンドを何度も期待したけれど、そうはいかなかったなあ。
映画的には、この手のドラマが闘病に付き添うシーンが多くなりがちなところ、その部分があっさりしていた点は、好き
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ブラック・フォン(2022年製作の映画)

4.5

面白くてびっくりした。
70年代後半のアメリカの匂いと、スプラッタームービーを感じさせるザラついた映像。超自然現象とサイコスリラーの絶妙なバランス。
悪魔のいけにえ、羊たちの沈黙。映画のジャンルは違う
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エヴェレスト 神々の山嶺(2016年製作の映画)

3.2

岡田くんは青臭いけどまあ良いとして、尾野真千子が演技開眼する前なのかなあ。
真面目な演出と、登山なのに縦に広がりの無いカメラワークが残念。
聳え立つのはエベレストだと思っていたら、阿部寛だった。

黒い司法 0%からの奇跡(2019年製作の映画)

3.9

男前で正義感と情熱。デンゼル ワシントン以来の知性派イケメン。
しかし、こんな馬鹿げたことが最近まで続いていた、いや、まだ続いていることに恐怖を感じる。だからアメリカって、ナンバー1なのに、いまいち馬
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生きててよかった(2022年製作の映画)

4.8

自分のことを見向きもしない父が唯一くれたメッセージ。誰の為でもなく、何者でもない自分、アイデンティティのぼやけた自分が唯一手に入れたもの。それが”闘う”ことならば、それを全うすることが”生きる”という>>続きを読む

パラダイス・ナウ(2005年製作の映画)

4.1

本作は秀作“オマールの壁”と合わせて観ることをお勧めする。
我々の知らないパレスチナの日常と非日常の狭間を覗き見るような作品。
意外に心に響いたのは、早朝夜明け前の街、そして、アレがキャンセル可能なこ
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