otomさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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クリエイション・ストーリーズ 世界の音楽シーンを塗り替えた男(2021年製作の映画)

4.2

とにかく出てくる連中がことごとく似てない。で、ユエン・ブレムナーってのもあるかと思うけれども、2020年代に『トレインスポッティング』的なやつをまたやる感じで映画的にはいまいち。とは言え、アラン・マッ>>続きを読む

ショーガール(1995年製作の映画)

4.3

初期ポール・ヴァーホーヴェン的な直接的汚物感はないものの、序盤の謎嘔吐から始まり『人生はゲロ、クソ運』とハリウッド的に可能な限りは出してる模様。'95年のラジー賞総ナメと云いつつ、ショービズ界の下剋上>>続きを読む

(1953年製作の映画)

4.8

すったもんだがあって戻る日常ループがより重くなってる、ままならなくなってるのが林芙美子らしい印象。ひたすら何かをつまみ食いし、歯をほじくり、適当な家事をこなす超ガサツな高峰三枝子が実に良い。それに対し>>続きを読む

鞄を持った女(1961年製作の映画)

4.4

キラキラした瞳でガン見するジャック・ぺランのチェリーボーイっぷりが良い。に対して絶妙なスレ加減のクラウディア・カルディナーレで、善とチョイ悪な心が混じり合った大人風子供ってな具合。仔犬の様な真っ直ぐな>>続きを読む

パプリカ(2006年製作の映画)

5.0

15年振りくらい。スパイス過多な不思議の国のパプリカちゃんって事で、『妄想代理人』からこの頃の今敏+マッドハウス+平沢進に筒井康隆原作で言う事ないくらいに完成度が高い。公開前にお膝元で試写会映写できた>>続きを読む

プーサン(1953年製作の映画)

4.6

スーパー天使時代の八千草薫が見たくて。ナース役って事でこの世のものとは思えないレベル。特需景気時代の世相を反映したあれやこれって事で、これでもかと色々盛り込まれてる。キャベツを頭に乗っけるくらいに正気>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

4.4

実話なくらいに見えるケイト・ブランシェットの演技力とイケメンっぷり。ベルリン・フィルで職権濫用ほかのやらかしをしたらしっぺ返しも世界最高峰レベルが待っていたでござるな具合。映画的にはいささかフェミニズ>>続きを読む

ヘカテ デジタルリマスター版(1982年製作の映画)

4.8

北アフリカな迷宮具合に、時間の外にいるみたい女の組み合わせって事で、見事にMPを吸い取られまくってあらぬ方向へ迷走する主人公がロケーションとマッチしてる。で、異国にて迷いまくる図としては、後の『シェル>>続きを読む

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

5.0

ビミョーな気まずいあれやこれを付いてくるのが毎度上手いシニシズム全開なリューベン・オストルンド。H&Mネタから始まり、飯代云々のジャブみたいなとこから最後は明確な殺意まで、人間の保身なんかから成る浅ま>>続きを読む

知りすぎた少女(1963年製作の映画)

4.0

解決してるのに色々モヤモヤする。10年前の〜って事で虚言風に追い込むのは良いけれども、ちょっいとヌルい感じもしなくはない。ナレーションなんかも要らん感じ。推理ものってよりは、推理したい素人のドジっ子っ>>続きを読む

トゥルー・ヒストリー・オブ・ザ・ケリー・ギャング(2019年製作の映画)

5.0

植民地時代のグレート・ブリテンあるあるな具合で、流刑地先でも恨みを買いまくるの図。アイリッシュ絡みの根が深いやつで、史実ベースに実にアナーキーな仕上がり。各種犯罪に加えて甲冑武装で、宗主国側から見ると>>続きを読む

夜の騎士道(1955年製作の映画)

4.3

夜の〜なスケベっぽい邦題はともかくとして、身から出た錆状態で騎士道のカケラもない感じなジェラール・フィリップ。当時の花形のチャラい&しょーもないところが沢山出てくる。お初カラーなルネ・クレール作品って>>続きを読む

群盗荒野を裂く(1966年製作の映画)

4.3

その金でパンを買うんじゃない、ダイナマイトを買えと、マカロニながらメキシコ魂を感じる。作り物っぽいサボテンなんかも気にならないほどに民衆のショボくれ具合もイイ味出してる。極力理由を明かさないのが仇とな>>続きを読む

黄昏(1981年製作の映画)

4.8

人生の黄昏時のあれやこれに美しい黄金色の湖とで良く出来てる。実の父娘のオランウータン面が並ぶといささかキツいものがあるものの、ボケ散らかしながら虚勢と恐怖の入り混じった老人の演じ切り遺作となったヘンリ>>続きを読む

双頭の鷲(1947年製作の映画)

4.5

追い詰められた者同士で燃えまくる。自分に似た者との対峙を予感させる最初のこだまのフラグ等々、上手いところ満載なんだけど何故か眠くなる。ものの、窓から闖入以降の緊迫感と、最後のツンでグサり→気合いの権威>>続きを読む

遺産相続(1990年製作の映画)

4.4

台東区だけどオリエント工業ではない。同時期な伊丹十三っぽい雰囲気を狙ってる風だけれども、超えられない壁がある模様。と云うか、降旗康男の強みは別のとこにあると思われる。バブル期を舞台に人間として生きるか>>続きを読む

スキャンダル(1976年製作の映画)

4.7

ナチ進行前夜のフランスのイタリア映画って事で、表で展開する世間の混乱関係なく家庭内が大変な事になってる。常に生ハムサンド食ってる番頭フランコ・ネロとリザ・ガストーニのドSとドMのプレイからして面白いん>>続きを読む

男はつらいよ 寅次郎恋やつれ(1974年製作の映画)

4.8

13作で久々。寝過ごして国府台から矢切の渡しで引き返してくるOPからしてイイ。島根県はマドンナ以外の脇役に失恋+さくらとタコ社長同伴の旅って事でなかなか珍しい形。で、歌子ちゃんこと吉永小百合登場でさく>>続きを読む

殺人捜査(1970年製作の映画)

5.0

権力を有して腐りまくる図で、この上ない不条理劇。警察を、組織を舐めるなってとこから始まり、あの手この手でギリギリのとこをスリリングに突きまくる。有無を言わせぬ佇まいに、他を圧倒するトーク力とで法サイド>>続きを読む

麦秋(1951年製作の映画)

5.0

30年振りくらい。実りの秋って事で、菅井一郎と東山千栄子の一幕「今が一番良い時だ」、「今日は良い日曜日だった」からの飛んでく風船に集約されてる具合。今は特に沁みてしょーがない。戦時中に失ったものや厳し>>続きを読む

マウス・オブ・マッドネス(1994年製作の映画)

4.8

不条理悪夢系。リンチとクローネンバーグを混ぜ合わせた具合なんだけど、スティーブン・キングより売れてる設定って事で分かりやすく作ってあるあたりがまた流石。この手の映画ならサム・ニールなのは勿論の事、ツイ>>続きを読む

赤い天使(1966年製作の映画)

5.0

壮絶。手を血で染めた天使こと若尾文子の従軍看護婦っぷりが敵なしな具合。あの手この手でおもちゃにされた末に男物の軍服コスの「靴!」でSとM等々ごった煮なプレイが網羅されてて頭がクラクラする。このレベルの>>続きを読む

モーガンズ・クリークの奇跡(1944年製作の映画)

4.7

あらかじめ親父の予言があるのはさておき、力技な感じのオチ。高位に生まれる者云々のシェイクスピアの言葉通りって事で、神から愛されてるタイプの文字通り奇跡な具合。雪だるま式に問題が積み上がる中、クールな妹>>続きを読む

恋ひとすじに(1958年製作の映画)

4.2

序盤は男女の頭が沸いてる感じのやり取りなんだけども、段々と荒れてきて面白い。ヨーゼフ・ロート的オーストリア=ハンガリー帝国の決闘ありきな雰囲気はかなり好きなので、それなりに楽しめた。この時代の軍隊の花>>続きを読む

北(ノルテ)―歴史の終わり(2013年製作の映画)

4.5

フィリピンを舞台に冤罪の方を膨らませる等で脚色しつつも、なかなか『罪と罰』してはいる。原作にあるナポレオン理論は上手い具合に現代の政治事情に置き換えられてコトに及ぶ訳だけども、たった一件でガクブル状態>>続きを読む

クレイジー・ママ(1975年製作の映画)

4.4

初期ジョナサン・デミ×ロジャー・コーマンって事で、そんな感じの匂いはある。'30年代にアーカンソーの農場を差し押さえられて、'50年代終わりに逆『怒りの葡萄』状態で舞い戻る大枠はとても良い。銀行ほかの>>続きを読む

美しき小さな浜辺(1948年製作の映画)

4.6

訳ありで濡れそぼった仔犬みたいな目をしたジャラール・フィリップがハマってる。孤児と大人の厳しい関係性でも小さな浜辺はいつまでも美しい。辛い記憶でも足が向いてしまう迷走感にメンタル共にズブ濡れ状態で重い>>続きを読む

娼婦ケティ(1976年製作の映画)

5.0

序盤の変態率と汚物感が凄い。特に帽子屋の影絵。19世紀オランダのどん底貧民の図って事で悲惨な感じなのにケティの描写のせいか全然暗くないのが良い。成り上がりの分岐点でちょいちょい登場する自由の女神モチー>>続きを読む

ドリームチャイルド(1985年製作の映画)

5.0

ジェーン・アッシャーを愛でようと思いきや、いかんせん劣化具合が酷い。そのかわりにアリス(小)がとんでもない可愛さで、それだけで満点上げる。全方向から「このロリコンがー」って突っ込まれそうなルイス・キャ>>続きを読む

恋も忘れて(1937年製作の映画)

4.5

都会な清水宏は初かもしれない。大人の世界は勿論の事、子供の世界も残酷だわな。不遇の母子で名誉は守りつつも、まぁ不幸。で、大人目線で子供を見た時の悲しいシーンの詰め合わせな状態。シングルマザー的実態は似>>続きを読む

イップ・マン 完結(2019年製作の映画)

4.4

フラワームーブメント全盛期のシスコに降り立ち、JKのハートを鷲掴みでまんざらでもなさそうな葉問師匠。今回の敵は米国と移民問題って事で、よその国で華僑の側からのあれやこれで更に説得力が薄い仕上がり。おま>>続きを読む

愛人ジュリエット(1950年製作の映画)

5.0

あー、もう寝るって気持ちが分かる。夢と妄想の現実逃避映画でクオリティ高過ぎ。夢部分へのスイッチングからして素晴らしいのは勿論の事、現実からの影響と主観あれこれとがごた混ぜになったモヤっと感がまぁリアル>>続きを読む

イップ・マン 継承(2015年製作の映画)

4.6

地域貢献する葉問師匠。敵の規模が国レベルじゃなくなってきたとこから始まり、今回はマイク・タイソンが出てくる。重いパンチ一発で動けなくなりそうなのはともかくとして、相変わらずアクションシーンが良く出来て>>続きを読む

イップ・マン 葉問(2010年製作の映画)

4.6

香港に行ってからの葉問師匠って事で、前半はサモ・ハンとの管理職対決みたいな感じ。互いにシンパシーを感じ合う後半は完全に『ロッキー4』みたいな具合で、敵国設定が日本から再統治の英国となる。冷戦時代の東西>>続きを読む

愛しのタチアナ(1994年製作の映画)

5.0

15年振りくらい。不器用系男子で親近感湧く。色気のない長い試走を淡々と描きつつも、人生観が変わりまくるとこまでテンション変えずに持ってくからまた凄い。ロックなエクストリーム入店→スタンドがキュ〜っとく>>続きを読む

イップ・マン 序章(2008年製作の映画)

4.7

ABボタンを連打してる感があって気持ちイイ。温厚な達人を怒らすべく、序盤からあの手この手を使う。で、旧日本軍の所業で爆発炸裂する葉問師匠。飲茶屋兄弟とか伊武雅人みたいな道場破り達の締めがなんとなく中途>>続きを読む