たけうちさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

ほかげ(2023年製作の映画)

3.6

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『野火』『斬、』に続き戦争を描くが、主に『野火』と地続きになっていて、その復員兵の物語と捉えると理解しやすい。

戦争が終わったとしても、個々人の戦争が終わったとは限らない。
その爪痕というか、植え付
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.7

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初ケリー・ライカート作品で、作家性を理解しておらず、いつどちらが裏切るのかハラハラしておりました。
添い遂げるようなラストは驚きつつ、感涙。

ドーナツで掴めアメリカンドリーム!!
アメリカンドリーム
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斬、(2018年製作の映画)

3.6

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無機質な東京というイメージが強く(『野火』からジャングルだけど)、初時代劇という事だが、閉鎖された農村も似て非なるものがあり違和感なく。
ただ、元々舞台を大きく使うような作風ではないが、特に小ぢんまり
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野火(2014年製作の映画)

3.8

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作中通して日本兵が敵と対峙している瞬間が殆どない。
実際はここまでではなかったのだろうけど、終戦間際はまともに戦える状態ではなかった事が分かる。

味方を騙し、食糧を奪い取り、殺す。
戦争の真の恐ろし
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KOTOKO(2011年製作の映画)

3.7

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ゴア描写や直接的な暴力描写はなくとも、ずっと不安で緊張感が漂う。
描写的にもかなりキツく(特にリストカット)、塚本晋也作品では1番の嫌悪感。
統合失調症を人間が2人に見える事で表現しているが(実際の症
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HAZE ヘイズ(2005年製作の映画)

3.6

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何だこれは2。

生まれ変わり?

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.1

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よくネットで架空の子どもが社会の矛盾(風)を尋ねてきて、ハッとしました、みたいな投稿があるが、正にそれ。
大人の体を持ちながら、生まれたての脳を持つベラ(人造人間というのが上乗せされなお良い)を通じて
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ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

3.6

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原作を序盤で読まなくなり(つまらなかったとかではない)、うろ覚え。

アクションやバトルシーンは凝っていて、
ギャグシーンもちゃんと笑える(狙いすぎていない)ため、幅広い層が楽しめそう。

話題になっ
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サイレントラブ(2024年製作の映画)

3.2

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全く話題になっていないのも頷ける。
早速2024年ワースト候補。

階級(金持ち度)の違う者同士の恋という擦られ続けたテーマと障がいを合わせた設定がとことん中途半端。

目が不自由なミカと声が出せない
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ヴィタール(2004年製作の映画)

3.8

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記憶喪失の男が彼女の遺体を解剖しながら記憶を辿る。何食ったら思いつくんだタイプのそそられるしかない設定だが、主演は浅野忠信で正解。

蘇る記憶と現実との交錯の描き方がよく、こちらも全く彼女のことは知ら
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女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

4.0

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『哀れなるものたち』の予習。

勝手に何人かの侍女で争うものだと思ってたらタイマンでした。

エマ演じるアビゲイルは生来のキレ者なのか、環境とサラがそうさせたのか、豹変がスムーズ過ぎて、サラの視点を追
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六月の蛇(2002年製作の映画)

3.6

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塚本晋也×エロ。
これまでなかったわけではないが、全面的に押し出したのは初で、まあ上手い。
わざわざ6月にしたのは雨を降らせるため。最高出力で活用していた。

キモキモストーカーが眠っていた欲を解き放
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双生児 GEMINI(1999年製作の映画)

3.8

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江戸川乱歩原作ということで、原作は未読だが、よくできた設定。

医者として人を救っているものの、患者を選別している偽善を抱えた幸雄が、貧民窟を望むラストは震える。

りょう演じるリンの不気味さも際立っ
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BULLET BALLET バレット・バレエ(1999年製作の映画)

4.0

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拳の次は拳銃。

最愛の人を失い、拳銃に取り憑かれた男は、救世主だった。
刹那的に生きようとする若者ほど生きたいと思っていて、死を望む者ほど死ねない。
その皮肉を何と美しく描く。

就活しちゃったり、
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TOKYO FIST 東京フィスト(1995年製作の映画)

4.5

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謳い文句通り、まさに愛憎劇。
力でねじ伏せられた屈辱を力で晴らそうと努力する、痛快復讐劇…ではない。

歪な東京で出会ってしまった3人の三角関係はドロドロ通り越してネチャネチャ。
津田、ひづる、小島3
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枯れ葉(2023年製作の映画)

3.8

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老いらくの恋なんて言わせない。恋なんていつしても素敵なんだもの。(恋していない者より)

日雇い?で働く中年2人(内1人はアル中)の恋という設定は、こんなの画になるのかと疑心暗鬼になるが、なっちゃって
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.8

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原作駆け込み予習済み。

原作を生かしつつ、実写でも無理のないような演出になっていた。
特に、原作のBL感が大衆向けにチューニングされていた点が良かった。

コメディ多めになっているが、狙い過ぎな感じ
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ある閉ざされた雪の山荘で(2024年製作の映画)

3.1

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劇場版「名探偵津田」。だが捜査はしない。

冗談ではなくそう思っていて、2重目迄のシステムは同じ。
そこでおかしいのは誰も演技をしないこと。通報しないということはオーディションだと思ってるはずなのに、
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復讐者に憐れみを(2002年製作の映画)

3.9

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復讐の先には…。

臓器売買に手を出してしまった事から始まる負の連鎖。
韓国ノワールらしく、終始嫌な雰囲気だが、これみよがしにグロ描写を舐め回すような事はない。でも不快、凄い。
少女が溺死するまでのシ
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鉄男 II BODY HAMMER(1992年製作の映画)

3.8

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前作より分かりやすいストーリー、しかし相変わらずのカオス。

映像は引き続き癖になる。

謎の鉄人兵団良かった。全員で筋トレしてるのは狙ってるのか狙ってないのか。

前作の方が好み。

ヒルコ 妖怪ハンター(1991年製作の映画)

3.8

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シリアスな『学校の怪談』。

妖怪の造形は最高で、一人称視点の這い寄る画は工夫が感じられた。

ストーリーから解決まで終始よく分からなかったが、雰囲気でいけた。

ハッピーエンドで終われないくらい人死
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バイオハザード II アポカリプス(2004年製作の映画)

3.6

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アリスが覚醒し、超人アクションはここから。
ネメシスとの戦いは見応えあり。
タイマンさせられた理由はよく分からないけど。

あまりアンデッドは出てこないんだな。

ジル・バレンタインいいね。名前も。

プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

3.7

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私が男だからと言われればそれまでだが、そこまでカタルシスはなかった。
復讐劇という触れ込みでみたため、肩透かしをくらった。そういう話ではない。

世直し的な行動をする立場なのかな。
少なくとも当たり屋
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バイオハザード(2002年製作の映画)

3.8

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金ローで死ぬほどみていたけど、改めてみても、多少CGのチープさは気になるものの、ワクワクできる。
まだまだ、秘密の巨大地下研究所がキラキラして見える。ガキです。

元祖サイコロステーキは当時トラウマだ
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ニモーナ(2023年製作の映画)

3.5

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現代よりも文明は進んでいる風?少なくとも科学は上なのに、1000年も見たこともないモンスターを盲信し、騎士団を継続し、壁の外に行こうと誰も思わないのは流石に無理があるのでは?
車は浮いてるのに壁の向こ
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アキレスと亀(2008年製作の映画)

4.5

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アートに明るくないが、北野武が皮肉ってくれるから説得力があり、笑える。
何の価値もない絵を買わされている富豪、小学生の絵を売る画商、大森南朋の背景にある真知寿のと何ら変わらない絵画の数々…芸術とは。
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大病人(1993年製作の映画)

4.1

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伊丹十三流解釈による余命もの。

邦画でも洋画でも擦られ続けた題材だが、新鮮な切り取り方。

特に、親身になって看病してくれる妻を差し置いて、不倫相手を連れ込む所は人間的だと感じた。
人間、死を感じた
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パーフェクト ワールド(1993年製作の映画)

3.8

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脱獄囚と誘拐された少年との関係は最初はのれなかったが、ケヴィン・コスナーがイケすぎているのと2人が生い立ちを打ち明け合ったことで徐々に惹かれていった。

母親が襲われている時に立ちすくんでいたフィリッ
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幼い依頼人(2019年製作の映画)

3.8

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邦画でも児童虐待を描いた作品はあるが、韓国映画らしく、ドラマ性とメッセージ性を両立させた良作だった。

事件を調べると、弁護士の部分や録画ゴリラ辺りは脚色されているものの、虐待に関しては抑えられていて
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ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

3.7

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こういうブラックジョークというか不謹慎笑いに寛容なフランスっていい国だとしみじみ。

ヴィーガンを徹底的に馬鹿にして描いているのが最高。
監督の恣意的な解釈、それでいい。

サクサク殺していく展開をも
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アルゴ(2012年製作の映画)

3.8

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なんともアメリカらしい、ユーモアに富んだ作戦だが、実話というから恐ろしい。

冒頭の大使館占拠とラストの脱出は緊迫感があるが、中弛みしている。

映画を立ち上げる過程はクライム物っぽくワクワク。

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ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

3.7

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無難なファンタジーコメディ。

体術、魔法のルールがあまり分からないが、(ギリ)気にならない。

質問ゾンビ、デブドラゴンなど笑いのセンスが良い。

ラストはハッピーエンドなのか?

ミッシェル・ロド
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特捜部Q 檻の中の女(2013年製作の映画)

3.7

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テンポ良く展開されるため見やすい。
バディ物としては楽しめるが、サスペンスとしては目を瞑らなくてはいけない部分も。

誰視点か分からないシーンが気になる。

『キャスト・アウェイ』がチラつく歯抜き。
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サニーサイド(1919年製作の映画)

4.0

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チャールズ・チャップリン祭にて、『キッド』との抱き合わせ上映。(お得すぎ)

何より朝食。
『モダンタイムス』でも少しあったが、長尺版。
ティファニーの朝食とはこういう事なんですね。

まさかの夢オチ
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キッド(1921年製作の映画)

3.9

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チャールズ・チャップリン祭にて劇場鑑賞。

最後までハートウォーミングで皮肉みたいなのが少なく(気づけなかっただけかも)みやすいと感じた。
終盤の天使のシーンは何事かと思った。
浮くところは『サーカス
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