天師継承者の選抜大会である「羅天大ショウ(らてんたいしょう)」を盛り上げようと、十老の一人――陸謹(りくきん)が所持する八の秘技の一つである「通天ロク(つうてんろく)」を懸賞とした。一方、張楚嵐(ちょうそらん)は羅天大ショウに参加するために、馮宝宝(ふうほうほう)と猛特訓。同じ時期に、異人に関わる事件の数が急激に増加し、その理由はどうやら「全性(ぜんせい)」という異人組織が関わっているようだ。また、武当派の王也(おうや)、諸葛家の諸葛青(しょかつせい)をはじめ、各異人が羅天大ショウの会場である龍虎山(りゅうこさん)へと向かう――。
羅天大ショウ(らてんたいしょう)の開催地である龍虎山(りゅうこさん)に辿り着いた張楚嵐たち「速達」の一行。武当派の王也(おうや)や諸葛孔明の子孫、諸葛青(しょかつせい)等、各地から集まった異人たちと顔を合わせる。そこで、老天師は張楚嵐に、祖父張錫林(ちょうしゃくりん)の事を知りたければ羅天大ショウ(らてんたいしょう)で勝ち残り、天師の継承権を得よと言い放つ。そして選抜大会が開幕した――。
羅天大ショウ(らてんたいしょう)の選抜大会に出場した楚嵐の初戦が始まる。八つの秘技の一つであるキ体源流(きたいげんりゅう)の継承者として、異人界でその名を轟かせていた楚嵐に対し、対戦相手の異人たちは手を組んで戦いを挑んでくる。その一方、古来より伝わる占術・奇門遁甲(きもんとんこう)の使い手である諸葛青は圧倒的な力で初戦を勝ち抜いていた――。
選抜大会の一次予選が終わり、32名の異人が勝ち残った。その晩、楚嵐は皆の尊敬を集める老天師の弟子・張霊玉(ちょうれいぎょく)が、自分にだけ辛く当たる理由を弟子たちから聞いてショックを受ける。一方、馮宝宝と対戦した王二犬(おうにけん)は宝宝の普通の人間とは異なった、ある特徴に気付く――。
楚嵐の対戦相手は、試合の開始時間になっても現れず、楚嵐はすっかり卑怯者としての評判がたってしまう。十老の一人である陸瑾(りくきん)と彼が信頼している若い異人たちは、胡傑(こけつ)が悪の組織「全性」に操られている事に気づく。その頃楚嵐は、十老の王藹(おうあい)と呂慈(ろじ)に呼び出されて、キ体源流(きたいげんりゅう)を差し出せと迫られるが――。
炎の使い手・洪斌(こう ひん)は、諸葛青が試合に本気を出さない事で苛ついていた。シン気(しんき)の使い手・蕭霄(しょうしょう)は、魂を鍛えた全真派の黄明(こうめい)に苦戦する。一方張楚嵐は、陸謹から異人たちを羅天大ショウに集めた本当の目的を聞かされる――。
十老の王藹から祖父の張錫林が「全性」の一員であったと聞かされ、ショックを受ける楚嵐に、老天師と陸瑾は張錫林の身に何があったかを語る。その帰り、楚嵐は陸瑾のひ孫・陸玲瓏(りくりんろん)たちから宴に誘われて……。
若い異人たちとすっかり打ち解けた楚嵐だったが、次の対戦相手は祖父の死因と関係する唐門(とうもん)の武芸者だった。今までのような小細工が通用する相手では無く、ついに楚嵐は秘めていた真の実力を発揮する。一方、宝宝は蕭霄を相手に苦戦していた。その戦いを見ていた老天師と陸瑾は、宝宝がただの異人とは違う何かに気づき始める……。
蕭霄に苦戦する宝宝は王二犬の言葉を思い出し、反撃に打って出る。続く王也と諸葛青の試合。諸葛青は王也が自分と同じ奇門遁甲の術士であると見抜いていた。そんな中、王也はこれ以上試合を続けるのを止め、諸葛青自ら敗北を認めるよう促すが……。
たとえ惨敗になる結末が自分を待っていると分かっても、真実だけはどうしても知りたい諸葛青は「奇門顕像心法」で王也の技を見破ろうとした。次に始まる風沙燕と賈正亮の試合だが、二人とも宝宝と対戦するために勝ち進みたい一心。一方、観客席で観戦している楚嵐の携帯に謎のメッセージが届いた……。
風星潼とトウ有福の対戦は、「口寄せの術」の使い手同士の対決となる。一方、楚嵐の頼みによって宝宝に埋められそうになっていた王也は、棄権扱いになる寸前で試合会場に到着。だが、その王也から楚嵐に、とある意外な提案が出された…。
楚嵐は真相を追求し続けることを決意した。王也は彼の選択を尊重し、試合を放棄。こうして、二人の試合には勝負がついた。次の風沙燕と宝宝の試合で、風沙燕の棄権により、宝宝の準決勝への進出が決まった。そして、風星潼と十老の一人である王藹のひ孫―王並の試合では、2人とも「拘霊遣将」を使っていた。風家の人間しか知らないはずの八つの秘技の一つである「拘霊遣将」をなぜ王並が…。
王並(おうへい)の使う食霊(しょくれい)によって、風星潼(ふうしんとん)は自分の大切な精霊である王子仲(おうしちゅう)を奪われようとしていた。風星潼は苦渋の決断で、自らの手で王子仲を成仏させ、王並に敗北する。こうして、張楚嵐、馮宝宝、張霊玉、王並の四名が準決勝へと駒を進め、大会は大詰めを迎える……。
羅天大ショウの決勝戦は張楚嵐と張霊玉の組み合わせとなった。諸葛青や王也といった大会で敗れた者たちは、一足先に龍虎山を降りて帰路につき始める。そして決勝戦当日、師匠の老天師や兄弟弟子たちから激励を受ける霊玉。一方、馮宝宝から羅天大ショウで優勝して欲しいと願いを聞かされる楚嵐。自分と宝宝の抱えた真実を知るために楚嵐は霊玉との決勝戦へと臨む……。
一進一退の攻防が続く張楚嵐と張霊玉の決勝戦。戦いは楚嵐が持つ陽の力・陽五雷(ようごらい)と、霊玉が持つ陰の力・陰五雷(いんごらい)のぶつかり合いとなっていた。しかし、陰五雷の真の力である水臓雷(すいぞうらい)を解き放った霊玉の前に、苦戦する楚嵐。水臓雷に飲み込まれてしまった楚嵐は、幼い頃に祖父・張錫林から聞かされたある話を思い出す……。
張楚嵐は奥の手で張霊玉を直撃し、勝負はあったかに思えた。しかし、霊玉は立ち上がり、敗北を覚悟する楚嵐。その時、霊玉の体に異変が起き始め……。一方、陸瑾(りくきん)の指示を受けた枳瑾花(つーきんか)と陸玲瓏(りくりんろん)は対立する組織である全性(ぜんせい)の襲撃に備え、龍虎山の警備を続けていた。しかし、全性は一向に姿を見せる気配が無く……。
羅天大ショウで優勝した張楚嵐に天師の後継者の証である天師の法(てんしのほう)が老天師から授けられようとしていた。そんな中、ついに全性(ぜんせい)が龍虎山に現れ、天師府を強襲する。全性の圧倒的な数の前に苦戦する天師府の道士たち。張霊玉は全性の幹部である苑陶(えんとう)たちに囲まれてしまう。その時、陸瑾や羅天大醮で共に戦ってきた仲間たちが駆け付ける……。
錬器師(れんきし)の苑陶(えんとう)に苦戦する張霊玉は、絶体絶命の窮地を陸瑾によって救われる。霊玉では苑陶に敵わないと見た陸瑾は、秘めていた力を解き放ち、自らが苑陶と戦い始める。一方、部屋の中で天師法を受けている最中のはずの楚嵐が宝宝の前に現れ、森の中へと消えていく。宝宝は楚嵐を追いかけ、森に入るが、次々と全性の刺客が襲い掛かって来る……。
龍虎山が危機に陥り、老天師がついに動き出した。一方、本来優勢に立っていた陸瑾と張霊玉は全性の四妖人の登場により形勢を逆転され、窮地に追い込まれた陸瑾が自分の怒りを限界まで増幅させて暴走してしまった。龍虎山勢と全性の全面戦争が勃発!
暴走した陸瑾に正気を取り戻させようと、老天師は捨て身のつもりで陸瑾に立ち向かう。一方、楚嵐は宝宝を探している最中に、命の危機に瀕する陸玲瓏と枳瑾花を目撃した。大勢の全性メンバーに囲まれた彼女らを救出するか?だが、一刻も早く宝宝を見つけ出さなければ!楚嵐は一体どんな行動に出るのか……?
楚嵐は陸玲瓏と枳瑾花を救出するために初めて、人を殺めてしまった。これによって、彼は改めて命の重さを思い知る。一方、全性の実力者であるバロンと夏柳清は、楚嵐を探しに来た宝宝の前に立ち塞がる。彼らの目的は……?
天師府や速達の奮闘により全性は撃退された。しかしながら、この戦いによって多くの負傷者が出てしまう。蕭霄と希も泣き屋との戦いで深い傷を負ってしまった。一方、本来は田晋中(でんしんちゅう)の世話をしているはずの栄山(えいざん)が老天師と楚嵐のところに現れた……。
老天師たちの小間使い・羽(はね)の正体は全性の当主・キョウケイだった。彼は田晋中が甲申の乱にまつわる重要な秘密を握っていると推測していた。そして、正体を隠し田晋中に近づいたのも、今回の襲撃を計画したのも、全てはその秘密を狙ってのものだったと明かす。しかし、頑なに口を割ろうとしない田晋中に、キョウケイは明魂術(めいこんじゅつ)の使い手である呂良を呼び寄せ、田晋中の記憶を奪い取ろうとする……。
田晋中の死によって、悲しみに明け暮れる張楚嵐や天師府の道士たち。一夜明け、天師府が全性の襲撃を受けたという知らせは異人界にまたたく間に知れ渡った。一方その頃、武当派から破門されてしまった王也は、故郷である北京へとひとり向かっていた。そんな王也をつけ狙う怪しい影。そして、武当派の総本山・武当山でも何やら暗雲が立ち込めている様子……。