REDksk89

HUNTER×HUNTERのREDksk89のレビュー・感想・評価

HUNTER×HUNTER(2011年製作のアニメ)
5.0
昔漫画を読んだがアニメ版で再履修。最後まで楽しみながら完走できた。
ゴンがあまりにも純粋無垢ど直球であるが故に、周囲のキャラ立ちが相対的に成立するような構図が上手い。
キルア→その生い立ちや本性が見え隠れする度に常に闇堕ち一歩手前のようなスリリングさがある(イルミの針が抜ける場面でその示唆とは線が切れるのだけど。そこも上手い)。クラピカ→復讐者として一途な信念があり、念能力の誓約と制約のルールにおいて強力な存在感を持つ(念というネーミングからして信念に繋がるし上手い)。
レオリオ→常識者。視聴者サイドの代弁者的な立ち位置。常に正しいことしか言わず冒険心はない。多少馬鹿っぽく描かれているのも、わざと皮肉として設定されていると思う。

また、それぞれが信念とする道(復讐、医者修行、家族との時間、など)が明確に設定されているため、物語のパートごとに登場させる/させないのバランス感覚が絶妙。新キャラもいいバランスで噛み込んでくる。(ONE PIECEは毎回仲間全員+新キャラが登場するので必ず10vs10など煩雑になりがち)

6期終盤、アルカ(ナニカ)を救い出すシーンでは思わず涙してしまった。漫画にはなかった間の作り方と時間速度で感動した。キメラアント編が終わり、ゴンの修復のために必要とされるアルカ/ナニカ。何かを壊すお願いをすると恐ろしいおねだりが返ってくる仕組みだが、何かを治すお願いについてはおねだりの要求がないという優しいルール。
本当は誰よりも優しい妹なのに、家族からも道具扱いされて監禁されていたアルカ。キルアの優しさとイルミの非道さが対照的で今後の展開を仄めかしている。続編が待ち遠しい...
REDksk89

REDksk89