ぴっつぁ

さくら荘のペットな彼女のぴっつぁのネタバレレビュー・内容・結末

さくら荘のペットな彼女(2012年製作のアニメ)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

最初はよくあるドタバタラブコメかと思っていたがとんでもない。
予想の遥か上を行って宇宙に飛び出すほどの、笑って泣ける青春ラブコメの大傑作だった。

さくら荘の仲間たちとの友情についても語りたいところだが、仲良しこよしだけではない、根底にある天才と凡人の対比こそ一番の"青春"だろう。
天才に近づこうと凡人がいくら努力したところで、それが実るとは限らない。本人の実力不足か、もしくは理不尽な時の運か。
しかし天才は凡人が苦悩する壁を易々と超えていく。
そんなどうしようもない差を目の前で見せつけられても、それでも諦めずに前に進む彼らを見て胸が熱くなった。

そしてもちろんラブコメとしての完成度も高い。
はちゃめちゃなギャグとツッコミの応酬はとても軽快で面白い。
また天才ゆえ浮世離れした少女に、普通の少女としての想いが芽吹く過程にはつい頬が緩む。他にも、想いが伝わらない、伝えられない、そんな簡単には片付けられない恋愛が多く胸に刺さった。

夢にせよ恋愛にせよ。前に進む怖さ、挫折、苦悩。大なり小なり誰しも経験したことのあるだろう壁にぶつかる彼らに共感し、そしてそんな彼らを見て、自分も前に踏みだそう、そんな勇気をくれる作品だった。
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