エピソード03
こちら特車二課

拍手:5回
あらすじ
東京の中心に位置し、ウォーターフロントに面しているといえば聞こえは良いが、実際に特車二課が置かれている場所は、野犬が群れる人跡未踏の埋立地。そのため24時間待機を続ける特車二課の日常は、食料を確保するため、過酷な戦いを繰り広げている。
中でも、保存の効かないタンパク質の確保は大変で、二課の要員たちが苦労の果てにたどりついた結論は、目前に広がる東京湾から自らの手で魚を補充するというものであった。しかし岸壁から釣り糸を垂れるだけでは量が少なすぎる。そこで皆は、整備班が所有する高速艇を漁船として活用、一気に食糧難を解決するという方法を編み出していた。
話を聞いて、唖然とする野明。だが彼女が赴任して早々に、事件が勃発した。なんと高速艇が、漁の帰りに目前の岸壁で座礁してしまったのだ。遊馬はシゲの要請を受けて<イングラム3号>機を出動、この救難にあたらせるが、太田が操縦をミスして二重遭難してしまう。もし、こんな事態を職人気質の整備班長・榊に見つかれば、朝までドヤされるに違いない。そんなことする暇がありゃ、整備の腕を磨けと言わんばかりに。たまたま榊が非番で帰宅していたのをいいことに、一同はホッと胸を撫で下ろす。
しかしその時、見張りに立っていた整備班員が、こちらに向かう1台の車を発見。まさかそんな・・・いや、榊の車に違いない! 皆は手分けして何事も無かったかのように偽装、なんとか榊を送り返すが、その様子を不自然に感じ取った榊は、再び二課へ引き返してきた。尾行班からその情報を受けた一同は、時間を稼いで事態を隠ぺいすべく行動を開始する。
榊の車の進行上で取締を開始、渋滞を起こさせる遊馬。その間に野明と香貫花は残った
<イングラム>で、高速艇と3号機を引き揚げようと試みる。しかし、そんな短時間で、事態を完全に取り繕うのは無理である。榊はハンガーに入り、機体から海水が滴り落ちていることから一部始終を察知したのだが、知らぬ存ぜぬを決め込むのであった。