エピソード07
栄光の97式改

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あらすじ
旧式と化してしまった<97式パイソン改>で、レイバー犯罪に挑み続ける第1小隊。そんな彼らに、最新鋭のレイバーをほとんど無料で使ってもらいたい、という話が転がり込んできた。一も二もなく飛びつく福島課長。南雲も精鋭で構成されている自分の部隊が、あの第2小隊よりも劣る機体を使わされてきた悔しさがあるだけに、ようやく汚名を返上できるとご満悦。
そのレイバーの名は、トヨハタオート製の<SRX-70>。42mmオートカノンと20mmバルカン砲を装備し、軍用レイバーとすら渡り合えそうな機体である。搬入された実物を見て太田は興奮するが、他の第2小隊メンバーは、どことなくこの機体に好感を持てずにいた。特に遊馬は「トヨハタオートに、銃器装備のノウハウなんてあるのかなぁ」という野明の一言が心に残り、機体の背後に隠された思惑を調査し始めた。
その間にも<SRX-70>は出動するが、その機動性能は見事である。「この機体が、もっと早く来ていれば・・・」五味丘の呟きは、まさに第1小隊メンバーの想いを代弁するものだった。しかし、この試験導入には思わぬ裏が隠されていた。トヨハタオートはただの隠れ蓑で、実際の製作会社はシャフト・エンタープライズ・ファーイースト。軍需産業にも食い込んでいるシャフトは、第1小隊を利用して出動パターンのディスクコピーを集めようとしていたのだ。
後藤と遊馬からその話を聞かされ、課長室へ飛び込んでいく南雲。しかし福島は、どんな機械も使う者次第だ、といって取り合おうとしない。話しても無駄なことを悟った南雲は、次の出動には<SRX-70>の使用を拒否し、話を偶然立ち聞きしてしまった五味丘も<97式改>で事件に向かった。
数日後、メーカーへ回収されていく<SRX-70>。南雲は上層部をどう納得させたのか。「もし採用するならば、あれに太田を乗せます」と、告げたのだった。