エピソード27
闇に呼ぶ声

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あらすじ
老朽化した建造物内でのレイバー作業。そのデータを得るため、今にも崩れそうなビルへとやってきた第2小隊。特殊な状況下での市街戦の訓練も兼ね、瓦礫の撤去など災害救助の参考になるとの狙いもあった。
夜間の作業に入ると、野明と太田は誰かに見られているような薄気味悪さを感じた。このあたりは、4年前の東京湾中部大地震で多大の被害を受けた地域。幽霊など何が出てもおかしくはない。野明たちは、そこはかとない嫌な感じを募らせていった。その頃後藤は、建物の一室で日本刀を持った帝国軍人の幽霊に襲われそうになるという、怪異現象に見舞われていた。
進士が集めてきた情報によると、この建物は近所でも有名な幽霊屋敷だという。大地震の被害の他にも戦時には爆弾の直撃を受け、江戸時代には、藩主御乱心により、家臣数人が無礼討ちにされた火浦藩の屋敷跡だったとも判明。そんな話に花を咲かせる一同を、熊耳は必要以上に叱責する。実は彼女は怪談が大の苦手なのだ。
その後、太田らと模擬戦をしている野明のモニターが突然故障した。憮然としてハッチを開ける野明が、そこで床の一部を指さす少年を目撃する。しかし少年は、わずかの間に消えてしまっていた。さすがに気になる後藤の指示で、少年の指さした辺りを掘り返してみると、出るわ、出るわ、無数の人骨!
その後の調査で、江戸時代の御乱心事件の際、多数の死体を地下牢に隠して埋めていたことが判明。大地震の被害にあった成仏できない霊が、その原因である大本の怨念を鎮めてほしい、と現れたらしい。
200年前の犯罪を暴いてしまった第2小隊は、人の怨念の恐ろしさと同時に、怪談が大の苦手という熊耳の弱点を知り、笑いを噛みしめながら帰っていった。