シネマスカイウォーカー

ドラゴンボールGTのシネマスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

ドラゴンボールGT(1996年製作のアニメ)
4.4
GTの由来が「ゴメン鳥山」とも言われる通りの鳥山明が制作に入らずに作ったシリーズ。こういった原作者の手を離れたシリーズは基本的に失敗することが多いが本作はとても完成度が高い。

インフレし過ぎたドラゴンボールの世界観を再びドラゴンボールを集める物語へと原点回帰させることで初期のシリーズの楽しさを取り入れつつ、舞台を宇宙へとスケールアップさせることでリメイクにはならないような工夫もされている。

そして何より素晴らしいのは「ドラゴンボール」という作品の行く末としっかり向き合っていること。ドラゴンボールを集めることが主であった本シリーズはいつしか戦闘中に死亡した人物を復活させる便利ツールに成り下がってしまった。頼りきり、酷使し過ぎたそのドラゴンボールこそが本シリーズのラスボスへと変化していくというストーリーを考えた人は天才としか言いようがない。
そして皆が頼りきっていたドラゴンボールとの落とし前を悟空が自らの命で付けるといったラストもとてつもなくよく出来ていると思う。神の上の神の上の神みたいな階層をただ上げるだけのインフレした最近のドラゴンボールよりかよっぽどよく出来た続編と言えるだろう。

そしてオープニング曲も神