なチャ

チェンソーマンのなチャのレビュー・感想・評価

チェンソーマン(2022年製作のアニメ)
4.5

視点ショットと陰影の使い方・色補正が他のアニメ作品と違う!と思った。

①視点ショットの一般的な使われ方とは逆の順番で、人物の視点ショット→客観的な状況提示ショットの順番になっている。(8話・姫野先輩がデンジを家に連れ込むシーン、12話・ドア越しにデンジとポチタが再会する夢)そして視点ショットの手振れが実写と比べても強調されている。この二点によって観客には、これから何が起こる?という不安感が生まれ、次のショットがより強く印象付けられる。心情的にも。だから、この順番の視点ショットはストーリーにおいて、夢見続けた初めての性体験、亡き親友との再会という、デンジにとって憧憬を感じるシーンで使われているのだと思う。

②平面的・クリーンな画面の印象を受けるアニメが多い中で、チェンソーマンは奥行きを感じる写実的なショットが多い。その理由は、キャラ以外の要素の構図内における配置と、繊細なライティング・フィルム調の色補正だと思う。特に陰影は手前と奥で異なる光量・柔らかさが繊細に表現されていて、惹き込まれる写真のようなリアリズムを生んでいる。(リアリズムの使い方合ってるか分からない笑)8話・姫野先輩が冷蔵庫の前で座りながらビールを飲むショットでは、カーテン越しに撮ることで奥行きが生まれ、それを実写では不可能なほど綺麗な入射光によってより際立たせていると思った。
なチャ

なチャ