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機動戦士ガンダム00 ファーストシーズンのKitMarkerのレビュー・感想・評価

4.4
脚本が最高級。

ガンダム主体のメインストーリーとはあまり関係のない沙慈とルイスという一般市民をサブストーリーとしてずっと描いていたことに、私は「これ必要か?」と疑問を抱いていたのだが、トリニティの介入でそういうことかと衝撃を受けた。目から鱗。
すなわち、武力介入とは犠牲を伴う行為であり、それをミクロな視点で描くために沙慈とルイスを描いていた。ガンダム視点ではどうしても人の命が軽くなる。人が蟻を踏み潰すように、失われた命に対して悲しみが尾を引かない。なぜなら実際に死体を目にしていないから。しかしながら、沙慈とルイスという一般市民のミクロな視点で見ることにより、その命の重さと失われた悲しみ・絶望がダイレクトに目に映る。そのための布石だったと考えると恐ろしい。

また、戦争根絶を目指すガンダムマイスター達が「俺はアイツのせいでこうなった。だからアイツは許さない」という戦争を引き起こす者の思考回路に陥っているのが、とても愚かで、かつ戦争は無くならないことを示唆していてなるほどと思った。
このシガラミを乗り越えた先に平和はあるのかもしれない。
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