映画ケーン

Angel Beats!の映画ケーンのレビュー・感想・評価

Angel Beats!(2010年製作のアニメ)
3.7
面白い!

明らかに死ぬ様な事が身に起きても死なない、という設定により超勢いの良過ぎるイカれたギャグも成立する。

ただ、出オチ感は否めない。

あの天使が敵じゃなくて、あの世界が成仏する為の場所だと分かった瞬間から「うわ、説教臭っ」って思ってしまった。まぁ、そもそも「死後の世界」って時点でその要素はあった訳だけど。
『ジェイコブス・ラダー』みたいな話なんだけど、仏教だからか知らんけど説教臭い。

途中の主人公の記憶回復シーン、ラストの卒業式はいわば泣けるシーンがあるんだけど、そこよりもテスト偽装作戦のくだりの方が印象に残ってる。

「心臓を刺した時に心臓が無かった」って言うけど、おかしくない?
ユリは生前寝たきりだったけど、死後は歩ける。それなのに主人公だけ心臓が無いまま。
更に、この世界では肉体破壊された場合は現実と同じ痛みを感じ、動けなくなる。でも、時間が経てば治るから普通に暮らせる。それが、音無だけ心臓が無いまま暮らしてるのは明らかにおかしい。
しかも音無は電車の事故後、迎えが来る直前に死んでるんだから心臓がある時に死んでるハズなのに。
ラストの音無っぽい人が奏っぽい人に話し掛けようとするのも良く分かんない。なぜ同じ見た目の人が現実世界に居るのか。そういう設定だとして、「声を掛ける」ってのはちょっと理由としては感情的過ぎて感動は出来ない。

登場人物が消える時の静かに、と言うべきかいつの間にかと言うべきか、スッと居なくなってる、って分かる演出は良かった。
喪失感と「これでいいんだ」って感じがあって。

でもやっぱり出オチ感があって、特別歴史を変える様な驚きがある訳でも無く、心に残るストーリーもある訳でも無い。
映画ケーン

映画ケーン