和歌山市・日都ヵ島に伝わる伝承。島に蔓延る影の病、その正体はもう一人の自分であり、影を見てしまった者は数日内に死ぬ。幼なじみ潮が亡くなる直前、彼女は彼女の影に出会っていた。
タイムリープ系サスペンス×能力バトル。初期の路線は、『ひぐらしのなく頃に』のような、謎が謎を呼ぶ硬派なサスペンスを演出。物語の途中からは、明確に味方サイドと敵サイドが分かれた能力バトルものに。賛否が分かれそうな書きぶりだが、最初から最後まで展開が熱いので問題なし。
騙し合い、裏の取り合い。裏の裏の裏をかくような展開がずっと続いていくので、ワクワクしながら観ていられる。辻褄合わせにやや無理あるところもなくはないが、なかなか緻密な構成でしっかりと面白い。
魅力的なキャラクター多し。みんなに活躍の場を与えているのも、一つそう感じさせる要因だが、物語の中で色んな表情を見せてくれているからだと感じる。特に複雑な設定が盛り込まれている主人公・網代と潮は良かったなあ、と。
サスペンスとしての面白さを保ったまま、能力バトルものとしても楽しめてしまうお得感。締めくくり方も素晴らしい。