ぴっつぁ

Vivy -Fluorite Eyeʼs Song-のぴっつぁのレビュー・感想・評価

Vivy -Fluorite Eyeʼs Song-(2021年製作のアニメ)
4.1
この作画レベルで毎週放送されてたの凄いな。。
厚塗りで重厚感のあるしっかりとした作画に加えて、陰影の表現がとても丁寧。特に寄りの画は一体何色使ってるのか全く分からない美しさで圧倒された。
ぬるぬる動くハイスピードアクションは流石はWIT STUDIOといったところ。溜めるところはしっかりと溜めることで力強さも感じられ、全体を通して映像はハイクオリティ。全く不満点がない。

そして肝心のストーリーも見事な出来栄え。
100年後AIが人間を殲滅する最悪の未来を回避するため、過去にタイムトラベルをして未来を変える、王道だからこそ面白くないわけがない設定。
さらにこの作品だからこその良さが、AIがシンギュラリティに達した要因の多様性、そしてそれを回避するために100年の歳月をかけて行う長期作戦であるところだ。

ただ誰かを始末、あるいは守れば済むような単純な話ではなく、AIが人権を持つ法案の可決やAIと人間の結婚など、AIが人に近づくきっかけを無くすために主人公たちは奮闘する。AIが進化するにつれ人との境目が曖昧になっていくのは、何もフィクションだけの話ではなく、現実世界でもいずれ直面する問題である気がして考えさせられた。

また主人公である歌姫AIのヴィヴィが100年をかけた作戦を実行していく中で、様々なAIや人と触れ合い、彼女なりのAIと人との在り方、そして彼女の使命である心を込めて歌うとは何なのか、その答えを探し成長する姿に最後は涙ぐんでしまった。

AIやタイムトラベルものが好きな人は一見の価値ありの作品だ。
ぴっつぁ

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