北の街に、活発な少女・ゲルダと優しい少年・カイが仲よく暮らしていた。ある夏の日、ゲルダとカイは家族とともに日光浴に行き、赤と白の野バラを見つけ、家に持ち帰って大事に育てる。そのとき、村の外から、美しい鐘の音が鳴り響く。その音は、ゲルダの父が戦死した知らせがきたときにも鳴っていたという。ゲルダは森の教会を見たくなり、カイや学校の友人たちと、入ることが禁じられていた森に忍び込むのだった…。
街に冬が訪れた。そんなある日、ゲルダの祖母・マティルデが忙しさのあまり、風邪で倒れてしまう。深夜、ゲルダは薬草を探しに、ひとり大雪の中へ飛びだして行く。しかし、薬草は厚い雪の下。どうしても見つからない。そのとき、空一面にオーロラが輝きだす。そして、部屋にいたカイもまた、そのオーロラを見ていた。オーロラのカーテンの向こうに、不思議な白い女性を見つけるカイ…。
ゲルダとカイは、スケートをして楽しんでいた。そのとき、カイの目にトロルたちの割った鏡のかけらが入ってしまい、突然、人が変わったようになってしまう。
カイがいなくなってしまった後、彼は氷の裂け目から落ちて湖の底に沈んでしまったのではないかといううわさが流れる。カールは冷たい湖に飛び込むが、カイは見つからない。数週間が過ぎたころ、カールはカイの葬式をすることに決める。しかしゲルダは、「オーロラの出た晩に、少年がきれいな女性と一緒に白い馬車に乗って行ったのを見た」という、酔っぱらいのうわさを耳にする…。
ゲルダは、固い決心を胸に峠を越える途中、雪に足をとられけがをしてしまう。そこへ風変わりな旅商人カスパが現れ、薬と包帯で治療し、銅貨5枚をせしめていく。そのうえ、ゲルダは手持ちのお金まで失くしてしまう。宿泊先に困っていたゲルダだが、宿屋に偶然居合わせたカスパが保証人になり宿泊することができた。しかし、次の朝、早起きしたゲルダは、カスパが泊まり客の貴重品を盗み出しているところに出くわすのだった…。
ある街にたどりついたゲルダは、親切な女性・アーニャの家に泊めてもらう。そこでは、病を抱えた幼い娘・リーネが、かわいらしくゲルダを歓迎する。しかしその病は重く、春まで持たないといわれていた。リーネは「春になったらスープから取り出して植えたえんどう豆が芽を出す」とうれしそうに話す。リーネにとって、春にえんどう豆の芽が出ることが、希望のすべてだった。ゲルダはリーネの希望をかなえようとするが…。
関所破りとして兵隊に追われるゲルダは、養蜂(ほう)家の美しい女性オリーネに助けられる。彼女と心を通わせていくうちに、関所を作った悪い王様は、かつては優しい王様であり、オリーネの大切な人であったということを知る。しかしある日、オリーネはゲルダを追ってきた兵隊に捕まってしまう。ゲルダはハチミツ売りを装って城へ侵入し、王様にオリーネを助けてほしいとかけ合うが、王様は怒り、2人を死刑にしようとする…。
川に沿って次の街を目指していたゲルダに、不思議な声が語りかけてくる。声に導かれゲルダがたどり着いたところは、花が咲き乱れる美しい家だった。そこには不思議なおばあさんが一人で住んでいて、ゲルダを優しくもてなしてくれる。しかし、そのおばあさんは魔女だった。ゲルダの髪をやさしくとかし、記憶をうばっていく。
魔女から記憶を消されたゲルダは、自分が誰かもわからないまま毎日を過ごしていた。そんなある日、ゲルダは花園にぽっかりと空いた場所を見つける。何が足りないのかしら…? ゲルダはそのことが気にかかる。あるときゲルダは、魔女の帽子の美しい刺しゅうを見て、花園になかったのはバラだったことに気がつく。その思いに応えるように、地中に隠されたバラがゲルダを呼ぶ。ゲルダはすべてを思い出すが…。
ゲルダは祭りの真っ最中の大きな街にたどり着いた。そこでクラウスという少年と友達になり、仕立て屋をしている彼の家へ招待される。その夜、大きな嵐がやってくる。水門を閉めなければ、運河があふれて大洪水になってしまう。ゲルダとクラウスの家族は力を合わせて、なんとか水門を閉めることに成功する。嵐の夜が明け、ゲルダが旅立つ朝、クラウスはゲルダに自分の夢をそっと教える。
ゲルダが出会った貧しく美しい少女カーレンは、「一度でいいから赤い靴を履いて踊ってみたい」と願いながら店先に飾られた靴を見つめていた。祖母の葬式の日、カーレンは、彼女を気に入ってくれた伯爵夫人からもらった赤い靴を履き、家族をおいて舞踏会に行ってしまう。美しく着飾ったカーレンは、まるでお姫様のように踊る。しかし、途中からカーレンの赤い靴は、彼女の意志とは無関係に踊り始めるのだった…。
ゲルダは、ボタンを集めている少年ペーターと出会う。彼に連れられて家に行ってみると、狭い部屋の中にたくさんの子どもと子犬がひしめき合いながら暮らしていた。家の前には枯れかけた一本の梨の木。子どもたちは、いつかその木に食べきれないほどの梨が実ると信じていた。しかし、強い雨と風のせいで、梨の木が倒れてしまう。落ち込む子どもたちのために、養父ダニエルは、倒れた木を材料に梨の実のオモチャを作るのだった。
北へ旅をしているゲルダの前に、雪化粧をした大きな山が現れる。休憩をしているゲルダの前に、突然小さなサルが現れ、リュックからカイのルーペを奪って逃げてしまう。ゲルダがサルを追いかけていくと、その先には、なんとラギがいた。久しぶりの再会に、ゲルダとラギは一緒に食事をとる。その時2人は、「山の猟師小屋で空をかける白い馬車を見た」という猟師の話を耳にする…。
ゲルダたちが北へ向かう旅を続けていると、丘の上から大きな鳥のような人力飛行機が落ちてきた。乗っていたのは、自称俳優で発明家であり、いつか鳥のように大空を飛びたいという夢をもっている、ハンスという青年であった。ハンスは、飛行機をつくる資金を得るため、ゲルダを妹と偽り声高に演説を始める。そこへ村の長老がやってきて、この男は大ホラ吹きだと告げる…。
ゲルダたちが北へ向かう旅を続けていると、丘の上から大きな鳥のような人力飛行機が落ちてくる。乗っていたのは、自称俳優で発明家でもあり、いつか鳥のように大空を飛びたいという夢を持つ、ハンスという青年。ハンスは、飛行機を作る資金を得るため、ゲルダを妹と偽り声高に演説を始める。そこへ村の長老がやってきて、この男は大ホラ吹きだと告げる。その長老の言葉を聞き、村人は皆興味を失ったように去っていく…。
ゲルダとラギは、食事をしに行った店で、炭坑夫の親方・ヴィロックと出会う。ヴィロックの口から、ラギの驚くべき過去が明かされる。ラギはかつて軍隊の隊長を務めていた。ある北の戦いで、彼の隊は敵に囲まれ敗走し、雪山で30人の部下が凍死、生き残ったのはラギのみだったのだ。ヴィロックは、そのとき死んだ兵士の父親であり、行き場のない憎しみや悲しみをラギにぶつける。
ゲルダは、旅のために少しでもお金を稼ごうと、街の洗濯場に働きに行く。そこで、酒を飲みながら猛然と働いているヘレーネと出会う。その夜、宿を探していたゲルダは、ヘレーネの幼い息子ラスムスと知り合い、彼の家に行くことになるが、そこに母ヘレーネの姿はなかった。なんとラスムスに家事を全部まかせ、酒場に行っているという…。
北へ向かう途中、ゲルダとラギは、同じ方向を目指す貨物船に乗せてもらう。船長のルービンは優しく、船員からも厚い信頼を受けていた。ゲルダは、ルービンと話しているうちに、幼いころ死別した父親を思い出していた。そんなルービンが突然進路を変更する。船の向かう先は、これまで多くの船が遭難し、生きて帰った人はいないという「死神海峡」…。
大みそかの夜、ゲルダはマッチを売っているかわいらしくて不思議な少女・マリアに出会う。ゲルダはほかのマッチ売りの少年たちにからまれているマリアを助け、お礼に彼女の家に案内してもらう。そこは、屋根や窓ガラスに穴があき、すきま風が吹き込む部屋。マリアは、両親を早くに亡くし、最近亡くなったおばあちゃんが残したマッチを売ることで、なんとか暮らしていた…。
雪の女王について行ったカイへあてて、ゲルダが届くことのない手紙を書く。これまでの旅で出会った人々の思い出や、カイへのあふれる思いをしたためる、第1話からの総集編。
春のお祭りをやっている村へたどり着いたゲルダとラギ。そこでゲルダは、少年・バーテルと少女・クリスティーネと出会い、友達になる。バーテルは気さくで優しい少年だが、クリスティーネは少し気難しい女の子。3人は祭りを抜け出し、森へ木いちごを探しに行く。そこでゲルダたちは、不思議なお婆(ばあ)さんに出会い、一つだけ願いをかなえてくれる魔法のクルミを一つずつもらう…。
ゲルダたちがたどり着いた街に、サーカスがきていた。そのサーカスの名は「フレディ&アメリア」一座。「今回の公演が最後」と、団長のフレディは言う。その日、宿泊のためラギが向かった宿屋の名も「フレディ&アメリア」。なんと、サーカスの看板に載っていた女性アメリアと息子フレディが出迎える。そこでゲルダは、フレディとアメリアが、かつてサーカスのパートナーであったことを知る…。
月が輝く晩、北の大地に妖(あや)しい風が吹いた。その風は化身の形となり、カイの眠るベッドへと行く。カイの夢の中へ入り込み、「もっと楽しいところへ行きましょう」とささやきかける風の化身。行き先は、10年に一度扉が開くという「パラダイスの園」。風の化身が語る「パラダイスの園」の楽しそうな様子に心ひかれ、カイは一緒に行くことを決める…。
人魚の伝説が伝わる港町へやってきたゲルダとラギ。そこでゲルダは、ちょっと変わった女の子リリーと出会い、友達になる。彼女は、ゲルダの聞いたことのない人魚姫の話を語り始める。「12歳になった人魚姫は、地上に行くことを許される。けれど海へ戻るには、陸で友達になった子の大切なものを持ち帰らなくてはならない…。」その日の夕方、ゲルダは、カイのルーペがカバンにないことに気づく。
星降る荒れ地…。大昔、多くの人が戦い、死んでいった戦場跡。ゲルダはそこで朽ち果てた骨を見つける。ゲルダとラギは、そのむくろをとむらい、花をそなえる。その夜、ゲルダは星降る荒れ地で亡霊の王・アルフレッドと出会う。「私を城まで連れて行ってくれないか…」と語る王のかぶとには、小さな花がそなえられていた…。
旅の疲れが出たのか、ゲルダは熱を出して倒れてしまう。近くに村や民家はなく、ラギは崩れかけた山小屋でゲルダを休ませる。熱さましの薬草を探してゲルダに飲ませるが、熱はまったく下がらない。そして雨の中、ラギも発熱し、足を滑らせ、がけから落ちてしまう。もうろうとした意識の中で、死んだ部下たちと再会するラギ…。
ゲルダとラギは、雪の女王の領域と人間の領域の境だという大氷河の一角にたどり着いた。果ての見えない大氷河を一歩ずつ歩きはじめる2人。しかし、氷河が不気味なとどろきを上げ、割れはじめる。2人は互いの体にロープを結び支えあう…。そしてそのとき、氷河の割れ目が、まるで2人を狙ったかのように襲いかかる!
大氷河の中で倒れてしまったゲルダ。そこへ、おしゃべりな森カラス・モーリーがやってきた。ゲルダを放っておけないモーリーは、自分のすんでいる国まで連れて行く。「なぜこんなところまで来たのか」と尋ねるモーリーに、ゲルダはカイの似顔絵を見せる。モーリーは「この国へやってきて王女と結婚し、王子になった少年によく似ている」と言う。それを確かめるため、城に侵入することになったゲルダだが…。
北への旅を続けるゲルダは、二部族の山賊たちの争いに巻き込まれてしまう。ゲルダは、アマンダという女頭領に捕まり、とりでに連れて行かれる。そこにいたのは、アマンダの娘・フリーダ。彼女は動物たちを「友だち」と称し、鎖でつなぎ止めていた。「外の世界は危険だ」と、フリーダの外出を禁じているアマンダ。しかしフリーダは、母親に対する反発心からゲルダと森の奥へ遠出をする。そこで2人は…。
掟(おきて)を破ってしまったフリーダとゲルダは、共にくらやみの森へと逃げるが、他部族に追い詰められてしまう。アマンダは、「掟破りの受ける“罰”は自分が受けるから、どうかフリーダを見逃してやってほしい」と他部族の頭・ガイオンに頼む。しかしフリーダは、自分が“罰”を受けると言い張る。どうしていいかわからず、ぼう然とするゲルダ。はたして、フリーダが受ける「罰」とは…。
掟(おきて)を破ったフリーダの罰が決まった。フリーダの入った樽(たる)は大きな滝に流され始める。アマンダは川に飛び込み、樽からフリーダを救出しようとする。しかし、2人とも滝から落ちてしまう…。
ゲルダは大トナカイのベーとともに、雪の大地をひたすら北へ向かって走っていた。目的地は氷の城。だが、それがどこにあるのか詳しい場所は、ベーさえも知らない。ベーとゲルダは、知恵深き者と呼ばれる賢者のもとへと向かう。賢者は2人を手厚く迎えてくれるが…。
とうとう、氷の城へとたどり着いたゲルダ。行く手をはばむ氷の妖精の攻撃から何とか逃れ、城の中へ入る。氷の階段をのぼりドアを開けると、次々と不思議な出来事が起こる。最後のドアを開けたとき、ゲルダが見たものは…。
氷の城で魔王と女王の戦いが始まった。なかなか勝負がつかない。魔王は、風の化身となりカイを操る。火の槍(やり)がゲルダめがけて飛んでくる! その槍からゲルダを守ったのは、ラギと一緒に氷河に落ちたと思っていた、おおかみのホルガーだった…。
雪の女王は、氷河の底からラギを復活させた。世界を混とんに陥れようとしている魔王を倒すために、ともに闘ってほしいと…。魔王の完全復活は、もう間もない。マグマを噴出しながら魔王が迫りくる中、カイの解くパズルは最終段階に入る。
パズルが完成し、世界中に散った鏡の破片が氷の城へ戻ってきた。だが、魔王を完全に封印することができない。最後の1破片が、カイの心に刺さったままなのだ。破片の影響で苦しみだしたカイ。そしてゲルダは…。