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機動戦士VガンダムのTENのレビュー・感想・評価

機動戦士Vガンダム(1993年製作のアニメ)
5.0
機動戦士ガンダム宇宙戦記UC.0153、逆襲のシャアから60年後、機動戦士ガンダムF91からさらに30年後という、宇宙世紀のなかでもかなり先の未来のお話。

前半でこれまでのガンダムシリーズよりも、もっと若い13歳の主人公ウッソとその友達仲間たちも若くてズッコケ日常テンポだからかかなり尻込みするし日常感に少し退屈を覚えた。所が一転、ウッソが戦争にどんどん巻き込まれていくにつれて、ガンダムで「戦う」事が上手くなっていくにつれて、愛着のわくキャラクターや仲のいい人たちが2戦に1人くらいのペースで死んでいく。それを目の当たりにするのが13歳の少年少女、孤児不法住民だからキツい。そんな中で思春期の思いも成長もありながら戦禍に突っ込んでいくウッソが大人にも子供にも見えた。

残酷が当たり前のように目の前にあるこのVシリーズで、一体何を描こうとしたのか、終盤の回を観てやっと気付けた。このヴィクトリーガンダムという作品は、天空の城ラピュタと祈り、という組み合わせをガンダムと戦争という世界で描いた物だった。犠牲の特攻、憎しみの連鎖、勘違いの殺し合い、全てを赦し祈る。そして生を大切に感じる。自分のも相手のも生を感じとる。それが今作品の大きな中枢だった。とても優しく広がるようなガンダムシリーズだった。全て観終えて感じるのはとても優しく暖かいよう空気のような光と、冬の凍てつくような寒さと戦後の重さでなんとも喜べない終わりだったのが辛い。

V2ガンダムは超カッコよかった。光の翼超かっこよかった。音楽は劇伴も主題歌も劇中歌も全て最高だった。作画もカッコいい美しいおどろおどろしい、全部あって最高だった。とにかくV2ガンダムの光の翼がカッコよかった。終盤の祈りのスペクタクルに吹き飛ばされました。舐めてたけど今回も大傑作だった。
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