エピソード12
風さんのいたずら

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あらすじ
目には見えないが、風が吹いている時は風の精がいる。ボクは、風がどこから来て、どこに行くのか……それを風さんに訊きたい。森の中で尋ねると、どこからともなくチェロの調べが流れて来た。風さんが運んで来たのだ。それを風さんの言葉と思い込んだボクは、ついついそのメロディを口ずさんでいる。その言葉の意味を訊くため、街中を走るボクとチャチャ。いつしか、ボクが口ずさんでいたメロディは、街中の人の知るところとなった。その夜は音楽会。自分の作った曲が認めて貰えるかどうか、心配で自信のなさそうなチェリストの若者が いた。ところが、彼が奏でたメロディが、みんなの知っているメロディだったから大変。みんなが合唱し始めたのだ。ボクも楽しくてならない。これはまさに風さんのイタズラだったようだ。結局、風さんの行くところは、楽しいことがあるところだったらしい。