べべし

東京喰種トーキョーグールのべべしのネタバレレビュー・内容・結末

東京喰種トーキョーグール(2014年製作のアニメ)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

『少年は問う、正しい世界とは何か』

金木研(cv花江夏樹)は、控えめで真面目な青年だった。ある日、喫茶店で恋に落ちた女性、神代利世(cv花澤香菜)とデートをした帰り、不慮の事故に巻き込まれて命の瀬戸際を彷徨う。しかし、彼は移植手術によって一命を取り留める。それは、人を喰らう喰種(グール)であった神代利世の臓器であった。彼は人と喰種のハーフとなり、体質が大きく変化することで絶望する。しかし、様々な喰種と触れ合うことにより、彼は自分自身の存在価値について意識を変えていく。
”人間”でなくなってしまった少年はこの世界に疑問を抱き、悩み、苦しみ、ある答えへと導いてくー

個人的に深夜アニメが好きになるきっかけとなった大切な作品です。
まずOPのTKfrom凛として時雨の「unravel」が流れて、映像に色がついた瞬間、体がゾワっとしたことを今でも忘れません。さらにサビで利世さんの赫子(かぐね)が背中から一気に出てくる場面はあまりに美し過ぎて
「こんなに綺麗なアニメが存在するのか…」
という衝撃にかられました。
このOPは何十本かアニメを見てきましたが、今でも私の中で一番好きな主題歌です。

この作品を見るまでアクションアニメを見たことが『銀魂』くらいしかなかったので全てが衝撃的でした。
「こんなにグロいのにこんなに美しいのはなぜだ…」という思いで
当時はもう思うがままに再生ボタンを押していた記憶があります。
なかでもやはり赫子が縦横無尽に動く様と光の美しさは今見ても魅了されてしまいます。スタジオぴえろ全盛期ですね…

そして本作は何と言っても衝撃的な最終回が脳裏にべっとり焼きついています。
花江さんの冷徹な声を聞けるのは本作くらいです。あれは広瀬アリスさんも発狂してしまいますわ。
「アニメのOPが最終回付近で流れる」という演出はよくありますが本作以上に身体中が震えるような高揚感になる作品はあまりないです。
ここまで清々しいほどの闇落ち演出だともう絶句としかいいようがないです。

コメディのような箸休めの展開はあまりないですが、どのような日常の一幕も、一つ一つの場面が伏線になっており重く感じてしまいますが12話で比較的見やすいためだれることなく一気に見れてしまうかなと思います。

金木はどこまでも「絶望」を味わっていき、その度に辛い選択をしてしまいます。救いのない世界の中で戦う少年の姿はどのような人の心にも深く突き刺さると思います。
べべし

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