何かが足りない…
「こんなマヌケな殺し屋とスパイが居るか!」「何で架空の国の話にしたんだ?」「なぜアーニャみたいな実験体が孤児院に居るんだ?」「変装得意なら何で変装してデズモンドのとこに行かないんだ?」って思うんだけど、3人のこの不自然な設定は全部ギャグで「とんでもない正体を隠した家族が上辺だけで生活している」という話。
そうなんだけど、そもそもリアリティが無いから偽装家族がバレるかもしれないハラハラが無い。『ブレイキング・バッド』のウォルターとハンク、『デスノート』で月とL一緒に警察に入ってる時、みたいに真隣に敵が居る環境なのに怖くならない。
そう言うと「いやいや、3人の可愛さに癒される話だよ」って言われるかもしれない。
最初こそアーニャは可愛かったけど、半分過ぎた辺りから同じ事の反復でキャラが生きてないから可愛いも何も無い。
「安心して観れる」かもしれないけど、「『スパイ脳』の父と『殺し屋脳』の母の考えを読んで驚く」っていうギャグを何度も何度も繰り返して面白くなる筈がない。
アーニャの「ガーン!!」も面白くないよ。
実際はアニメ1話でやる様な内容。『リックアンドモーティ』の1話ぐらいの内容。恐らくあっちの方がギャグは面白い。モーティが動物の言葉が分かる様になる機械を手に入れる回があったな。それでリスにめっちゃバカにされてたw
それが「何か足りない」感なんだと思う。凄く薄めたカルピス飲んでる気分。
『Mr.&Mrs. スミス』を真似てるらしいけど、あっちは実際の夫婦が喧嘩する話で、しかもブラピとアンジーだから見てられるし面白い。
それに、親の為に生きる子供ってのはどうなのか。物語構造からしての違和感。
結局のところ、エンタメとしてもイマイチでそこから何かしらのテーマを読み解こうとしても何かイマイチ。
ただ、親目線から考えれば「家族ってのは努力して何とか成り立たせるものだ」っていうのは面白かった。