藤井八雲は、ある日パイというひとりの少女と出会う。彼女は民俗学者である八雲の父からの手紙を持っていた。そこにはパイが不老不死の力を使うという幻の民「三只眼吽迦羅(サンジヤンウンカラ)」唯一の生き残りであること、彼女が人間になりたいと思っていること、それを実現するために必要な”ニンゲンの像”が香港の「妖撃社」にあることが書かれていた。父からの手紙の内容を信じられずにいた八雲は、突如として街に現れた怪鳥タクヒに襲われて致命傷を負ってしまう。だがパイが持つ「三只眼」の力により不死人「无(ウー)」となり一命をとりとめる。そしてふたりは人間なるべく、香港へと旅立つ。
”ニンゲンの像”が行方不明となってしまったため、一度日本へ帰ることになった八雲とパイ。久しぶりに”ダチんこ”に会い、高校生活を満喫する八雲だったが、「三只眼」から、「无」となった今、人間の生活には戻れないと告げられる。戸惑う八雲に妖魔の影が迫っていた。「三只眼」の力でなんとか妖魔を退けることができたが、”ダチんこ”に不死人である「无」と知られてしまう。翌日、自分を避けるようになった友人たちをみた八雲は、人間に戻るため旅立つことを決意する。だが、そこに再び妖魔が現れる!
香港にある出版社「妖撃社」の李 鈴鈴(リー・リンリン)から、”ニンゲンの像”が見つかったと連絡を受けた八雲とパイ。しかし現地に鈴鈴はおらず、ふたりの前に現れたのは、龍 美星(ロン・メイシン)という少女だった。彼から"ニンゲンの像”と美星の兄、そして鈴鈴が行方不明になったと聞かされる八雲とパイ。そこに怪しげな男たちが現れる……。男たちを追って高級ホテルまで来た3人。しかしそこでは鬼眼王(カイヤンワン)を信奉する妖魔が待ち受けていた。八雲は奪われた”ニンゲンの像”、そして美星を奪い返すため妖魔に戦いを挑む!
”ニンゲンの像”を取り戻し、ひと時の休息を楽しむ八雲たち。だが香港の街でパイを見つめるひとりの男がいた。それに気づいた八雲は男を追いかけ裏路地に入り込む。そこで目にしたのは、男の額にある「无」の文字と圧倒的な力だった。八雲はその男こそ鬼眼王の无であると確信する。鬼眼王の无・ベナレスは妖魔を使って美星を操り、”ニンゲンの像”を奪おうとする。なんとか妖魔を倒し美星を取り戻すも、パイ、そして「三只眼」はベナレスとの戦いが避けられないものだと悟るのだった。ベナレスを倒し、必ず生きて八雲のもとに帰ってくると。
(C) 1991高田裕三/講談社・バンダイビジュアル・キングレコード