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ブルバスターのtakのレビュー・感想・評価

ブルバスター(2023年製作のアニメ)
3.3
敵わない強敵に弱者が立ち向かう時。僕らは判官贔屓(ほうがんびいき)ってヤツで声援を送る。金にモノを言わせてスラッガーを揃えた私立高校に、公立高校野球部が全員野球で勝利する場面は、僕らの胸を熱くしてくれる。そんな気持ちがあるならば、是非試して欲しいアニメがある。先頃テレビ放送が最終回を迎えた「ブルバスター」だ。

淡水化プラントが建てられた島に巨獣と呼ばれる謎の生き物が現れ、住民たちは島を追われ、生活の場を失った。その巨獣駆除を世間に知られずに実行するのが零細企業である波止工業。しかし立ちはだかるのは企業の会計事情とコンプライアンス。銃弾も満足に使えず、対抗メカであるブルバスターを島に運ぶ借り物の船も老朽化。経済的な戦いも強いられていた。やがて研究者の協力もあって、巨獣の正体とその謎が解き明かされ、本当に戦うべき相手と向き合う物語。

前半は経済事情と戦うコメディ色が強かったのが、登場人物それぞれが抱える背景が少しずつ明らかになっていき、シリアスなムードになっていく。ラストの4話あたりから物語はヒートアップして、最終回の全面戦争はそれぞれの思いがあふれる盛り上がり。冴えない顔してオロオロしていた社長が、腹を決めてから俄然面白くなる。厄介な個性が、それぞれの得意へと変わっていく成長物語でもある。

舞台となる海辺の街。モデルとなっているのは北九州市。巨獣が現れる島は小倉北区の藍島、オープニングにも若戸大橋、小倉駅のモノレール、海上風力発電など登場する。各回にも北九州の風景がチラホラ。最終回には北九州空港。主人公たちが通う居酒屋は、僕もよく行ってた小倉駅近くの×××に違いないw。
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    tak

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    楽しいことに努力を惜しまない、お熱いのがお好きな映画ファン。2019年キネマ旬報社主催 映画検定2級合格。ヨーロッパ映画、80年代カルチャーが大好物だけど、かなり雑食系。アニメも大っ好き。アイコン…

    楽しいことに努力を惜しまない、お熱いのがお好きな映画ファン。2019年キネマ旬報社主催 映画検定2級合格。ヨーロッパ映画、80年代カルチャーが大好物だけど、かなり雑食系。アニメも大っ好き。アイコンはジャン・リュック・ゴダール監督作「男性・女性」より。 ◇tak's Movie Awards 2024◇ 例年以上に新旧混じったベスト選出です。何を観たかで選んでるのであしからず。 https://blog.goo.ne.jp/tak-anakin-skywalker/e/a41821398925f956a20f9e011e390a15 ※フォローはご自由にどうぞ。たまにコメントくれると嬉しいです。 ブログ:Some Like It Hot https://blog.goo.ne.jp/tak-anakin-skywalker #「キル・ビル」のルーツを探せ #北九州ロケ映画 #名作映画ダイジェスト(1980)収録作