takさんの映画レビュー・感想・評価

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霧の旗(1965年製作の映画)

3.9

清張の「霧の旗」は幾度も映像化されているが、山口百恵主演の77年版しか観たことがなかった。以前から興味があった山田洋次監督×橋本忍脚本による65年版。北九州市立中央図書館で催される松本清張映画会で上映>>続きを読む

リリィ(2003年製作の映画)

3.1

クロード・ミレール監督と聞くと、「小さな泥棒」「なまいきシャルロット」「伴奏者」あたりを思い浮かべる世代には、若手女優を主役に据えて揺れる心境を撮る人めいたイメージがあると思う。フィルモグラフィーを見>>続きを読む

アイミタガイ(2024年製作の映画)

4.2

ー相身互い
今どきはなかなか耳にしなくなった言葉だ。同じ境遇にあるなら支え合うとか、お互い様とかそんな意味合い。自分がかけた優しさは巡り巡っていつか自分に返ってくる。

親友の叶海を突然の事故で失った
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ときめきサイエンス(1985年製作の映画)

3.0

80年代の青春映画は大人になってから観たものがちらほら。リアルタイムだった大学生の頃はクラシックとミニシアター系映画に狂ってたから、お気楽なハリウッド映画からは距離を置いていた。たまに観ても「こんなん>>続きを読む

フィツカラルド(1982年製作の映画)

4.2

船が山を上る強烈なビジュアルに惹かれて、学生の頃からずっと気になっていた「フィツカラルド」。やっと観られた。天然ゴム景気に沸く19世紀末のペルーを舞台に、密林を切り拓いてオペラ座を建てるという野望に駆>>続きを読む

1000年女王(1982年製作の映画)

3.2

松本零士の原作コミックは随分前に読んだが、話が理解できたという自信がない。テレビシリーズは、僕の地元では放送されなかったので見たことがない。壮大なスケール、歴史と絡めた設定は魅力的ではあるのだが、他の>>続きを読む

アルフィー(1966年製作の映画)

3.5

主人公が観客に向かって語りかける映画にもいろいろあるが、大部分の主人公にはイラッとさせられる。「アニー・ホール」のウディ・アレンや「ハイ・フィデリティ」のジョン・キューザックの恋愛自慢は、派手な遍歴も>>続きを読む

幻の湖(1982年製作の映画)

3.0

春日太一氏が書いた橋本忍評伝「鬼の筆」を読んでいるのだが、橋本忍の失敗作として紹介されているのが噂に聞く「幻の湖」。高校時代に叔父からもらった湯布院映画祭のパンフにもデカデカと広告が載っていて、東宝創>>続きを読む

スオミの話をしよう(2024年製作の映画)

3.3

突然姿を消した大富豪の妻スオミのために、歴代5人の夫が一同に集まった。しかし彼らが知るスオミはとても同一人物とは思えない相違が。スオミの行方は?本当のスオミとは?

三谷幸喜らしい舞台調の会話劇と、長
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クリスマス・ツリー(1968年製作の映画)

3.6

個人的プロジェクト「名作映画ダイジェスト250」(ロードショー誌80年12月号付録)制覇計画のためセレクト。

少年と父親が海で遊んでいるところに突然起きた飛行機事故。核兵器を積んでいたことから少年が
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赤ちゃんはトップレディがお好き(1987年製作の映画)

3.4

女性の社会進出が進みつつある1980年代。ダイアン・キートン演ずるヒロインは、男と対等に肩肘張って仕事に向き合ってきた。成果も認められて角部屋のオフィスに部下、ドライな関係の彼氏がいて不自由のない生活>>続きを読む

ビートルジュース ビートルジュース(2024年製作の映画)

3.7

ティム・バートン監督作を初めて観たのは「ビートルジュース」だった。レンタルビデオ店のきゃわゆいバイト女子に「これっ!どうですか?♡」と勧められた思い出の映画w(詳しくは「ビートルジュース」レビュー参照>>続きを読む

ヒーローインタビュー(1994年製作の映画)

3.3

エミー賞受賞で真田広之が評価されているのって嬉しい。「翔んだカップル」のチョイ役とか「戦国自衛隊」のチョイ役アクションとか「魔界転生」の初々しさを観てきた僕ら世代に感慨深いものがある。真田広之の過去の>>続きを読む

めまい(1958年製作の映画)

5.0

ヒッチコック監督作が大好き。お気に入りを10本挙げてと言われたら…うーん🤔
裏窓、汚名、海外特派員、下宿人、サイコ、舞台恐怖症、北北西に進路をとれ、レベッカ、ロープ…
見知らぬ乗客や鳥も入れたいけど、
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先生、私の隣に座っていただけませんか?(2021年製作の映画)

3.7

大河ドラマ「光る君へ」を欠かさず見ている。ヨシタカも巧いのだが、道長(柄本佑)の二人の妻が気になる。野心をギラギラさせてきた瀧内公美。2人は「火口のふたり」で共演してたよな🔥。娘の入内に抵抗していた嫡>>続きを読む

獲物の分け前(1966年製作の映画)

3.8

ジェーン・フォンダがロジェ・バディム監督のカノジョだった頃の主演作。この時代はヨーロッパで活躍しており、あのエロティックSFの金字塔「バーバレラ」などに出演している頃だ。これはエミール・ゾラの小説「は>>続きを読む

コードネームはファルコン(1985年製作の映画)

3.4

神学校を退学した主人公クリスは、元FBIの父親から軍需産業関連の会社を紹介された。やがて国家機密に関わる通信部に配属された彼は、他国に働きかけるアメリカという大国のエゴを日々目にして疑問を抱くようにな>>続きを読む

キャラバン(1999年製作の映画)

4.2

北ネパールのドルポ地方を舞台に、そこで力強く生きる人々の姿を描いた秀作。僕はドキュメンタリーぽい映画だろうと思っていたのだが、それは完全に裏切られた。演技経験のない現地の人々を使ったこの映画は、彼らの>>続きを読む

はなればなれに(1964年製作の映画)

3.7

以前から観たかった「はなればなれに」。ゴダール監督作としての興味、アンナ・カリーナ目当てはもちろん。さらにクェンティン・タランティーノのお気に入り映画で自分の会社名を本作のタイトルにしたこと、ベルトリ>>続きを読む

死刑台のエレベーター(2010年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

catmanさんのリクエストで、「死刑台のエレベーター」邦画リメイクに挑むの巻。ルイ・マル監督のオリジナルはサスペンスの秀作。学生の頃に初めて観た時は音楽と、短い上映時間に凝縮した面白さに夢中になった>>続きを読む

きみの色(2024年製作の映画)

3.8

監督山田尚子×脚本吉田玲子のアニメーションは「けいおん!」以来お気に入りだ。そのコンビの新作は、青春と音楽の物語。

人がそれぞれの色で見えるトツ子。ミッション系の女子校に通う彼女は、ある日の体育の授
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サムライ(1967年製作の映画)

3.9

アラン・ドロンの訃報で、いつか観ようと録画していた「サムライ」に手を出した。まだ若造だった頃に一度挑んでいるはずだが、冒頭の台詞なしの10分間に飽きたのか、ついて行くのに疲れたのか、親が観ていたのを断>>続きを読む

華麗なるアリバイ(2007年製作の映画)

3.1

アガサ・クリスティの「ホロー荘の殺人」の映画化で、ジャック・リヴェット作品などで知られる脚本家パスカル・ボニゼールが監督を務めた作品。原作は名探偵ポワロシリーズの一つで、週末を過ごしにある屋敷に集まっ>>続きを読む

スローガン(1968年製作の映画)

4.0

セルジュ・ゲンスブールを本格的に聴き始めたのは社会人になってから。ヨーロッパ音楽に中坊の頃から興味があったこと、高校時代に初めて買ったFM雑誌の表紙がセルジュのアルバムだったこと、平成初めのシャルロッ>>続きを読む

サスペリア(2018年製作の映画)

3.2

傑作「ミラノ、愛に生きる」に衝撃を受けて以来、ルカ・グァダニーノ監督は気になる存在。繊細な人間ドラマのイメージがあるだけに70年代ホラー「サスペリア」のリメイクを手がけたと聞いた時は驚いた。舞台は東西>>続きを読む

私を抱いてそしてキスして(1992年製作の映画)

3.0

エイズへの理解がまだ深まっておらず、厳しい偏見や差別を生んでいた1990年代初め。家田荘子のノンフィクションを、南野陽子自身が東映に企画として持ち込み製作された意欲作。この役の為に減量して挑んだ我らが>>続きを読む

ジュリア(1977年製作の映画)

4.1

初めて観たのは中学2年。フジテレビ系の映画番組だった。映画と名がつくものには訳もわからず食らいついていた頃だったから、ジェーン・フォンダの名前で観る気になったんだろう。2024年8月に宅配レンタルDV>>続きを読む

となりのトトロ(1988年製作の映画)

4.5

宮崎駿作品を観るようになったきっかけは、高校時代に友達が「ナウシカ」のビデオを貸してくれたこと。「ラピュタ」は初公開時に映画館で観た。その次も…となりそうなもんだが、「となりのトトロ」は映画館で観てい>>続きを読む

ワイルド7(2011年製作の映画)

2.9

望月三起也の原作は世代的にちょっと上なのか僕は読んだことがないし、70年代にドラマ化されたのもうっすらとしか覚えていない。でもリアルタイム世代には思い入れのあるコミックらしく、僕の周囲では公開前から期>>続きを読む

スパルタンX(1984年製作の映画)

3.3

元吹奏楽部なもので、高校野球の応援でブラスバンドが何を演奏するのかは毎回ちょっと気になる。僕がいた高校ではレイダースマーチ吹いてたっけ。とある試合をテレビを見ていて、金管楽器の高らかなメロディが耳に残>>続きを読む

ボルサリーノ(1970年製作の映画)

4.0

2024年8月18日の午後。アラン・ドロンの訃報が届いた。ドロン全盛期の頃、僕はまだお子ちゃまだが、美男の代名詞として多くの場面で名前が挙がるのを聞いて育っただけに特別な存在だった。ドロンがナレーショ>>続きを読む

ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス(1995年製作の映画)

3.5

劇場版第5作(「風魔一族」を4作目としたカウント)の本作は、栗田貫一がルパンを演じた最初の作品。公開前は山田康雄でキャストが発表されていたが、復帰に至らず帰らぬ人となってしまった。ものまね芸人だった栗>>続きを読む

ルックバック(2024年製作の映画)

4.3

私ごとだが、小学生の頃、自由帳に少年誌の真似をしたマンガを描いてたら、友人たちから読者が広がっていった時期がある。純粋に楽しんで描いたものもあれば、日頃の鬱憤を白いページに向かって晴らしていたものもあ>>続きを読む

祈り 幻に長崎を想う刻(とき)(2020年製作の映画)

3.4

長崎原爆で倒壊した浦上天主堂遺構保存をめぐる人々の思いを描いた舞台「マリアの首」の映画化。僕が映画館に足を運んだ時期には、九州では長崎と北九州でしか上映されていなかった。映画冒頭でも紹介されるように、>>続きを読む

On Your Mark(1995年製作の映画)

4.0

チャゲ&飛鳥のPVとして製作された7分弱のスタジオジブリ作品。噂には聞いていたけど、これは傑作。台詞一切なし。映像の力を思い知らされる。

「ブレードランナー」とはまた違うダークな未来都市を飛ぶ冒頭か
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劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:Re:(2024年製作の映画)

4.0

バンドをやる理由にたどり着く前編「Re:」は、一本筋の通った映画に仕上がっていた。テレビアニメの総集編だとナメたらあかん。後半も見届けないと!と、いう訳で。またお仕事半休にして初日初回!、いい歳こいて>>続きを読む