世界一の騎士を目指す少年アデューは、恩師ギルツと共に修行の旅を続けていた。だが最近、どうもギルツの様子がおかしい。アデューにはギルツの行為が騎士道から外れているように思えることがあるのだ。そしてそれは、騎士スワンと戦うギルツを見て決定的なものになったのだ…。
砂漠で行き倒れていたところを、サルトビと名乗る若い忍者に助けられたアデュー。そして、エタニア国で行われるという武闘大会のことを聞き、アデューもそれに参加することにする。一方、パッフィーとイズミも、共に魔族と戦う勇者を求めて武闘大会を観戦しにやってきて…。
ヒュントはイクズスと共謀し、トムテットの村で高貴な騎士のふりをして、パッフィーたちを誘き寄せた。噂を聞き村にやってきたパッフィーたちは、瀕死の子リスを抱えた子供たちからそれが騎士の仕業だと知らされる。それをアデューの仕業と誤解したパッフィーは、酷く失望し…。
魔族と戦うため一緒に旅することになった一行は、大賢者ナジーのもとを訪れた。だが現れたドワーフは世俗的な年寄りで、アデューとサルトビは不信感でいっぱいだ。一方、ナジーの方も、アデューとサルトビを勇者には見えんと決めつけ、両者は追いかけっこで決着をつけることに…。
魔族の夜襲を受けこれを撃退したアデューは、逃げた丸腰の魔族を斬り捨てようとした剣士を制止した。その技や立ち振る舞いにギルツと似たものを感じさせ、強い者だけが生き残ればいいと言い切る剣士に、胸騒ぎを覚えるアデュー。それは翌日町で再会した時に、現実のものに…。
港町マルトーザについた一行は、アースブレードに行く船を捜すことにした。そんな彼らに、人魚族の娘キリオが、自分で作った船の提供を申し出てきた。だが人魚族を見舞った悲劇を聞き、義憤にかられたパッフィーの屈託の無い言葉がキリオを怒らせ一行は追い返されてしまい…。
イクズスとヒュントはダークドゥームを奪還せんと、ギルツの飛行艇を襲撃した。だが、マルトーの返り討ちで海に墜落し、波間を漂っていたイクズスは、アデューたちの船に助けられる。だが、その処遇を巡ってアデューとサルトビは大喧嘩となり、サルトビは船を降りてしまい…。
マルトーに破れて孤島に打ちあげられたアデューは、身を休めていた古代のリュー、リュービショップと対峙した。アースティアで起きた全ての事象を記憶しているリュービショップが見せるヴィジョンは、アースティアでの戦いの記録から、アデューの出生の秘密にまで及び…。
アースブレードを目指す一行は、波間を漂っていた飛空族、ストークを助けた。浮遊大陸に魔族が侵攻し、飛空族はアースブレードの封印を破壊する最終兵器の建造を強いられているというのだ。パッフィーは飛空族を救い計画を阻止するため、アデューたちを魔法で天空へと送り届けるが…。
アデューはギルツと浮遊大陸で激闘を展開するが、パワーの差から大苦戦を強いられ、さらにパッフィーを庇って深傷を負ってしまった。自分のために傷つき、意識を無くしたアデューを目前にしたパッフィーは、封印の魔女としての重責に耐え切れずに、封印を解き放ってしまい…。
異変を察知してやってきたナジーの回復の奇蹟で、アデューは意識を取り戻した。だが意識を失っているパッフィーを救うには、アースブレードの天辺に封印された宝珠のエネルギーに頼るしかないという。一行は、イズミが若き日に使っていたカザックで、遥か高みを目指し…。
宝珠の間に進んだイズミとパッフィーを、ギルツが待ち構えていた。魔王に憑依されながらも、完全に融合していないギルツは、自らの強さをアデューに見せつけるため、二人を殺すと宣言する。間一髪の所に割って入ったアデューは、師への思いが邪魔し精彩を欠く戦いしかできず…。
宝珠を得て覇王と化したウォームガルデスは、世界を滅ぼすべく侵攻を始めた。アデューは、一体化されたギルツがウォームガルデスの支配下から逃れようと、分離し激しく戦っている姿を目撃し、その思いからギルツが覇道を目指した真の理由を知り、圧倒され茫然自失となるが…。
(C)伊東岳彦/集英社・サンライズ