くわんぬ

幻日のヨハネ -SUNSHINE in the MIRROR-のくわんぬのレビュー・感想・評価

2.8
ラブライブ!サンシャイン‼︎という看板を敢えて外した作品タイトルが示すように、ラブライブであるという枷から解放されたことでシリーズの新境地が観れるのではと期待していた。夢破れ地元に半ば強制送還されたヨハネが地域社会と触れ少しづつ心をほぐしていく最初の数話は学生という身分でないからこそ描けるお話で、当時学生だったAqours直撃世代が大人になったであろうタイミングというのもあり、なかなか良いと思えた。
しかし回が進むにつれ、むしろラブライブブランドであることが足を引っ張っているように感じてしまった。
登場人物は「我々のよく知るキャラクター…に似た赤の他人」であり、お話の関連性もないので、過去作を知っているからといってそれがあまり鑑賞意欲と結びつかず、一方で事前知識の不要さが新規に勧めやすいかというと、正直ファン以外がわざわざ観るほどの魅力を持った作品とも思えなかった。
後半になってくるとヨハネとライラプスの物語としての色が明確に濃くなっていくが、これはラブライブというキャラクターコンテンツに求められているバランスとは食い違いが起こってしまっているのではないか。1クールも尺があるのだから、もう少し全員に見せ場を用意してあげても…(この機会にSaint Snowにセリフくらい用意しなくてどうする……)
社会との繋がりを取り戻していくヨハネ、街の異変、ライラプスとの絆、一番描きたいものに焦点を絞って、例えば劇場アニメなどとして制作されていればもう少し好印象だったかもしれない。
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