ルーク大佐

PLUTOのルーク大佐のレビュー・感想・評価

PLUTO(2023年製作のアニメ)
4.3
日本のアニメクリエイターが人工知能と人間の共生について世界に問いかける壮大なドラマと感じた。全8話のまぎれもない傑作。

怒り、悲しみ、憎しみ。
憎しみは何を生み出すのか。
憎しみや悲しみはどうすれば消えるのか。
偏った感情をインプットされたロボットはどんな生命体になるのか。
(それは人間にも当てはまるのか)

記憶できることは幸せなのか、忘れられることこそが幸せなのか。
いついかなるときもウソをつくことは許されないのか。
怒りや悲しみを経験するとどんな価値観が生まれるのか。

本作は深く重く内省的なストーリーなので、さすがにやすやすと一気見はできなかった。3話ずつくらいにわけて自己消化しながらストーリーを追いかけた。

途中、重いシーンが続く回はちょっと一休みしたくなる。かなり残酷な描写もあり、中だるみ感もやや抱いたが、最終話の展開とメッセージ性は傑作の名に恥じない。

世界最強ロボットのアトムが最後に闘う姿には心を揺り動かされた。
(陳腐な言葉だが)「なんと美しいフィナーレ」なのか。
若い世代、特に多感な10代でもわかりやすい流れだ。
最強ロボット7人の〝最終〟メンバーの設計もうまい。

菅野祐悟の音楽がよかった。
エンドクレジット曲『Zeal for Life』が最後までエモーショナルに高々と謳いあげてくれた♪
ルーク大佐

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