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ゆびさきと恋々のteanyのネタバレレビュー・内容・結末

ゆびさきと恋々(2024年製作のアニメ)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

幼馴染キャラといえばウザイが基本でしたが、桜志くんは珍しく初めて推せる幼馴染キャラでした。作品の誰よりも人間味があり見応えがあって、桜志くんだけを切り抜いたアニメが観たいくらいでした。
そして、先が見えていても見届けたくて最後まで応援しつつ観てきましたが、作品の空気から察するままに報われなかった。どう考えても一番いい男なのに、完全に対象外扱いされていて不憫過ぎる。

比べて逸臣は、ただただ若い子がハマりやすい理想の年上像を模しただけのAIが作ったような人間味のない男で、初めて生命を感じないキャラでした。全身から来る拒絶が凄くて、寒いやり取りがひたすら見ていられなかったが、後半になると人間らしい表情をするようになり、無邪気に笑う顔にうっかり惚れそうになるも、どうしても好きになれない。
主人公がアッサリ惚れるほど、この男に魅力を感じるシーンが、付き合う前の段階でイケメン意外にあっただろうか。完璧な男キャラなんて昔からいくらでもいるのに、この男の人間味の無さは一体何なのだろう?

雪も可愛くて癒やされるのだが、この子がこの作品で難聴者である意味はあったのかと思うほど、なんの葛藤もなく普通の恋愛と変わらないアッサリとしたチョロい恋愛が淡々と繰り広げられる。
耳が聞こえない人のことを考えるきっかけにもなれる作品であったことは素直に評価したいが、恋愛がどうも馬鹿らしい。手放しに繰り出される『逸臣さん…////』にはもう胃もたれ。

恋愛に関して好ましかった点は、全然気持ちに気づいてないパターンが多い中で、察し良く互いに気持ちを理解して恋愛が進んでいく感じはリアルで良かった。
でも本当に何がそんなに好きなのかは各々理解できない。顔だけ良ければ良い恋愛なんて現実だけにして欲しい。

桜志くんにもっと活躍して貰いたかったのに、みんなの理想の年上AIに諭される様は既に敗北の確定演出過ぎて辛かった。
このまま理想の年上がキラキラとみんなを平和に丸め込んでいく未来しか見えなくて、本当に面白くない。

なんて素敵な逸臣さんワールド。

ただ絵は本当にキレイで可愛くて、OPとED曲はすごく良かった。桜志が主人公だったらもっと良かった(笑)
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